PN3クラスは天満が、PN1クラスは箕輪が今季初優勝

2020/09/17

PN3クラスは天満が、PN1クラスは箕輪が今季初優勝

9月13日、福岡県福津市の「スピードパーク恋の浦」で、全日本ジムカーナ選手権の「とびうめジムカーナフェスティバルin九州」が開催されました。ロードスター9台によるPN1クラスを制したのはPETRONASブルーが鮮やかな箕輪雄介。また、86/BRZ勢とガチンコ勝負のPN3クラスでは、CUSCOカラーのロードスターRFを駆るベテラン、天満清が0.04秒差で今季初優勝を果たしました。

8月23日の北海道（スナガワ）ラウンドで、ようやく開幕した今年の全日本ジムカーナ選手権。この恋の浦での大会も本来は第7戦の予定でしたが、事実上の第2戦としての開催です。エントリー総数は78台。マツダ車はPN1クラスにロードスターが10台、PN3クラスにロードスターRFが5台、SA/SAX3クラスにFD3S型のRX-7が1台という内訳です。

決勝日の朝はくもりで、7時から始まった慣熟歩行が終わる頃に雨がパラパラと降り出します。会場のスピードパーク恋の浦は海を望む上下2段のロケーションで、スタートからはつづら折りの下り急勾配。下段は細長いオーバル形状のコースにシケインやショートカットが組み合わされ、最後はスタート地点と同じ高さの広場に戻ってきてのパイロンセクション……というトリッキーなレイアウトです。

ロードスターのワンメイクとなっているPN1クラスは、1台が欠場して9台での争いになりました。第1ヒートのスタートは9時ジャストからで、路面はほぼウエットと言っていい状態です。トップとなる1分35秒221を記録したのは6番手スタートだった箕輪雄介で、9番手スタートの小林規敏が1分35秒413で続きます。3番手の福田大輔は1分36秒台と少し離され、前回優勝の斉藤邦夫はまさかのパイロンタッチ。

結局、箕輪と小林は第1ヒートのタイムでワンツーを確定します。一方、2回目に勝負をかけた斉藤が1分35秒436で、同じく福田の1分35秒471をわずか0.035秒という僅差で上回って3位の座が交代。さらに5位のSHUNと6位の高屋隆一までが表彰台に上りました。一時は止んだ雨がPN1の第2ヒート開始時にはまた降り出すなど、コンディションに左右された側面もありました。

2014年にN1クラスでチャンピオンに輝いた箕輪ですが、2018年に乗り換えてからは初優勝です。「先代のスイフトで戦っていた時に、ロードスターの低い重心とフットワークには勝てないと思ってスイッチしました。今年からARVOUさんにお世話になり、足まわりをエナペタルにしたら優勝できました。もちろんヨコハマのタイヤも勝因のひとつです」と喜びを語りました。

前回、優勝から3位までをロードスターRFが独占したPN3クラス。今回は13台が出走。第1ヒートは前回3位の天満清が1分35秒998でトップに立ちます。唯一ノーミスに近かった天満のタイムをターゲットに、今回は第2ヒートが勝負の場になりました。

ベテランの天満は気を緩めることなく、1分35秒896までタイムを削って後続のライバルを待ちます。その結果、2位は0.04秒差で西野(86)、3位には、ロードスターRFに乗る内田敦、4位の川北(BRZ)を挟んで、5位には前回2位の松本敏、6位に松村正吾とRFが続きました。前回優勝の松本悟は前日に発生したブレーキの不調が響いて8位に沈みましたが、全体としてはロードスターRFの優勢が続いています。

恋の浦では、ロードスターRFで2年連続の優勝をもたらした天満は「去年ここでヨコハマの“スペックG”のデビューウインを達成できたので、今年も狙っていました。いつも2回目はラバーが邪魔してタイムアップは難しいけど、今日は雨だからいけるかなと思っていた通りになったね。1回目のタイムじゃ逆転されていたから、もう今年はチャンピオン取るしかないよね」とコメントしました。

出走5台で争われたSA/SAX3クラスでは、RX-7を操る安倍洋一が2位に入賞。2戦連続で表彰台を獲得した安倍は「前日の練習でアームが破損してピンチだったのですが、なんとかパーツが入手できて走ることができました。このクルマ、じつはワンオーナーです。後輪駆動の“操ってる”感が好きなんですよ」と明かしてくれました。

箕輪は前回欠場のため、PN1クラスは斉藤（優勝→3位）がポイントリーダー。またPN3クラスは天満(3位→優勝）が同じくシリーズをリードしますが、全戦のポイントが有効のため、残り2戦での勝負の行方はまったくわかりません。次戦は10月17〜18日、奈良県の名阪スポーツランドで開催されます。

Photos and Text by T.Ishida