- 2024/09/12
JRC Rd.7 JN-5松倉拓郎、北の大地で2年連続チャンピオンを決める
2024年全日本ラリー選手権第7戦「RALLY HOKKAIDO」が、9月6日(金)〜8日(日)に北海道帯広市郊外の北愛国交流広場を拠点に開催されました。JN-5クラスでは、シリーズランキングトップにつける松倉拓郎/山田真記子がSS1から快走。2日間わたり一度もトップの座を譲ることなく今季3勝目を挙げ、松倉は2年連続のドライバー部門のチャンピオン、山田は2012年以来12年ぶりとなるコ・ドライバー部門のチャンピオンを獲得しました。また、併催されたXCRスプリントカップ北海道では、CX-5で出場する寺川和紘/石川美代子がXC-2クラス2位に入賞しました。
今シーズン2戦目のグラベルラリーとなる「RALLY HOKKAIDO」は、国際格式のFIAインターナショナルラリーと、北海道で開催されるスノー&グラベルラリーを舞台に4×4のクロスカントリー車やSUVが出場するXCRスプリントカップ北海道Rd.4との併催で開催されました。
2004年から2007年まで、北海道の十勝地方で開催されていたWRCラリージャパンで使用したグラベルステージを舞台とするラリーは、2日間にわたり陸別町、足寄町、音更町、池田町に設定された総距離103.54kmのスペシャルステージを走行。平均スピードが100km/hを超えるハイスピードステージから、深い轍が路面に刻まれた深い森の中を走行するテクニカルステージまで、トータルで12SSが設定されています。
総勢79台がエントリーした今年のRALLY HOKKAIDOは、全日本ラリー選手権のJN-5クラスに4台のデミオが、XCRスプリントカップ北海道のXC-2クラスに1台のCX-5、合計5台のマツダ車が出場しています。
JN-5クラスは、デミオ15MBを駆り前戦の第6戦カムイを制した松倉拓郎/山田真記子が、ラリー初日のオープニングステージとなるSS1「パウセカムイ・リバース(19.81km)」で、2番手タイムの選手に4.9秒差をつけるベストタイムをマーク。続くSS2「リクベツ・ロング1(4.63km)」は3番手タイムでしたが、トップの座を守りこのラリー最長のステージとなるSS3「ヤム・ワッカ1(23.49km)」に向かいます。このSS3で松倉は2速ギヤを失いますが、それを感じさせない走りでトップタイムをマークし、2番手以降との差を広げます。
2速ギヤを失ったままトップを守る松倉/山田は、SS5を走り終えたあとのサービスでスペアミッションに交換。「スペアミッションもあまりコンディションが良くない状態なので、この後も慎重に走ります」という松倉は、いつもの豪快な走りを封印し、慎重な走りで2日間を走り抜け、今季3勝目を獲得。最終戦を待たずして、2年連続となるドライバー部門のチャンピオンを獲得しました。また、昨年は惜しくもコ・ドライバー部門でシリーズ2位となった山田も、今シーズンは松倉とともにシリーズチャンピオンを獲得することとなりました。
XCRスプリントカップ北海道では、前戦の第6戦で2位に入賞したCX-5の寺川/石川が、この第7戦でもSS1でベストタイムをマークするなど、各ステージで好タイムを並べ優勝争いを展開。ラリー2日目の最終SS「オトフケ・リバース2(6.12km)」前にはトップの選手に27.8秒差まで迫りましたが、前走車のアクシデントによりSSが中断。結局、公式通知により#52以降は全車同じ救済タイムが与えられることが公示され、延べ28台がレグ離脱またはリタイアというタフなラリーを2位でフィニッシュしました。
その他、JN-5クラスに出場した山中健志郎/宇野祐哉は、荒れたラリーを慎重に走り切りクラス8位でフィニッシュ。今シーズンは第5戦モントレー以来の出場となったRina Ito/松浦俊朗は、初日のSS3でエンジントラブルが発生したためレグ離脱となりましたが、リスタートした2日目はSS9「SSSイケダ1(0.5km)でクラスベストタイムを奪う健闘をみせました。また、今年で74歳を迎えた現役最年長ドライバーの松原久/松田善明は、初日のSS1に向かうリエゾン区間でマシントラブルを発生しレグ離脱。リスタートした2日目も、最終TCでリタイアという結果となりました。
■JN-5クラス優勝/松倉拓郎コメント
「ミッショントラブルを抱えた状態でのラリーで、最後まで我慢のラリーでしたが、勝つことができました! チャンピオンが決まったのを知ったのは、実は暫定表彰式を終えて正式結果が発表されてからなんですけど(レグ得点上位の選手にペナルティタイム10秒が加算され、松倉がレグ得点1点から2点に加算)、今年も昨年と同じく暫定表彰式ではチャンピオン確定を喜ぶことができませんでした(笑)。今回はコ・ドラの山田さんも一緒にチャンピオンを獲れたので、昨年のリベンジを果たせたと思います」
■XC-2クラス2位/寺川和紘コメント
「ラリー北海道のようなハイスピード域で、CX-5がどういう素性を見せてくれるか楽しみにしていたのですが、予想以上にポテンシャルが光ったというのが、今回を振り返ってみて一番感じたことですね。ブレーキングや荷重移動、姿勢作りがしやすくて、ギャラリーステージでもこのクルマが走った時に結構ギャラリーの皆さんから拍手をいただいたと聞いているので、ドライバーとしてもうれしいです。そういうコントロール性があるというのは、今回のラリーですごく大きなポジティブな発見でした」
タイトル獲得には欠かせない
昨年と同じく、第7戦RALLY HOKKAIDOでシリーズチャンピオン獲得を確定させた松倉拓郎。ターマックラリーは他車で、グラベルラリー2戦をデミオ15MBで走るというスタイルも、昨年と同様です。
「スポンサーや応援していただける方々のおかげで、ターマックラリー用のクルマで出場できるようになって、シリーズを通して全日本ラリーに出場できるようになりました」と松倉。それでも、チャンピオン獲得の決め手になったのは、やはり愛車のデミオ15MBがあったからだと言います。
「デミオ15MBは地区戦時代からずっと乗っているんですが、クルマがすごくコントローラブルで、セッティングもだいぶ煮詰めてきているので、デミオの車体性能を活かして、コーナリング性能を極めた感じのクルマに仕上がっています。ハイスピードセクションでもガンガン踏んでいけるので、僕のドライビングに非常にマッチした仕上がりになっています。特にグラベルラリーは、クルマのパワーや車重など、そういったカタログ値だけでは勝負できない部分もあって、僕にとって数字では表せられない部分でデミオの信頼性は、ものすごく高いです。僕の良き相棒なんです(笑)」と松倉。
今回のラリーでは早々にラリーでは最も使用する2速ギヤを失い、「3速から2速に落とすところも3速のまま走らなければならず、特にギャラリーステージのリクベツは3速でエンジン回転が低いまま走らなくてはならないところが多く、外から見ると迫力のない走りだったかもしれませんが、クルマの中では必死に格闘していました。アクセルの開け方にものすごく気を付けて、ギャップでもアクセルを踏まないように7〜8割で踏むところが多かったです」と、攻めるだけではなく、抑えて勝つことを学んだラリーだったという松倉。走りだけではなく、ラリー中に前走車に起きたアクシデントにも冷静に対処して、救助活動を行いました。
「ラリーは本当にいろいろな事が起きるので、救助活動は選手として当たり前のことだと思います。これからも、常に視野を広く構えて取り組んでいきたいと思います」と松倉。がむしゃらに走って掴んだ昨年のチャンピオン、今年は冷静な判断を行いつつ獲得した、松倉にとっても貴重なタイトルとなりました。
全日本ラリー選手権最終戦となる第8戦「第51回M.C.S.C.ハイランドマスターズ supported by KYB」は、岐阜県高山市周辺を舞台に、10月18日(金)〜20日(日)に開催されます。
Text&Photo by CINQ LLC
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