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日本国内レース

  • 2024/05/29
  • S-Tai

S耐富士24時間TEAM NOPROが3連覇

5月24日〜26日、富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦 「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が開催され、17号車のDXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2 (西澤嗣哲/大谷飛雄/小西岬/野上敏彦/山本浩朗/上松淳一)が優勝、65号車「odula TONE 制動屋 ROADSTER」(太田達也/外園秋一郎/黒沼聖那/池田拓馬/丹羽英司/野村充)が2位、88号車「村上モータースMAZDAロードスター」(村上博幸/岡本大地/雨宮恵司/吉田綜一郎/有岡綾平)が3位表彰台に上がりました。

シリーズの山場とも言える富士24時間レースには、3日間で過去最高となる54,700人が来場。サーキットにはBBQやキャンプを楽しむ観客のテントが立ち並びます。今年もヘリコプター遊覧飛行やラジコン大会、アイドルグループとのコラボなどといった、レース観戦以外にも楽しめるコンテンツが充実。イベントエリアでは、「共挑」(キョウチョウ)のスローガンのもと参加している国内自動車メーカー5社のベース車両展示や、カーボンニュートラルに理解を深めるパネルや体験、子供向けクイズスタンプラリーなどが実施されています。マツダの展示エリアでは、バイオ燃料の紹介やその燃料で走る、「CX-5 Biofuel」が展示され、MAZDA SPIRIT RACINGのオフィシャルショップも展開されていました。2018年の24時間レース復活以来、今年は7回目の開催で、マツダ車はST-5クラスで7年連続優勝トロフィーを獲得しています。全8クラスに54台がエントリーしている中、マツダ車はST-4クラスに1台、最も参加台数の多いST-5クラスには9台、自動車メーカーの開発車両が参加する、ST-Qクラスに2台の計11台のマツダ車がエントリーしています。このうち、金曜日の公式予選では、65号車ロードスターがST-5クラスのトップタイムを記録して、ポールポジションを獲得。2番手には88号車、3番手には120号車倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(上田純司/織田祥平/本多永一/菊池峻斗/久米田昴/松原泰世)のロードスター勢が続きます。

土曜日の午後3時からスタートした決勝レース。スタートは2グループに分かれて行われましたが、スタート直後から上位グループが後方から迫ってきており、1周目の第1コーナー通過後から早くも混走状態となりました。スタートをうまく決めた65号車ロードスターは、2番手に大きな差をつけてトップを走りますが、120号車のスタートドライバーの織田が少しずつ迫り、一時は120号車がST-5クラスのトップに立ちます。また、4番手からスタートした、76号車「PROGRESS高砂ロードスター」(阿野雅樹/加藤潤平/酒井仁/KEN ALEX/酒井正和/阿野雄紀)も、スタートドライバーの加藤潤平が追い上げを見せ、約20分が経過したところで120号車をパスしてトップに出ます。その後、76号車はピットに入りドライバー交代と給油を行い、120号車は助手席のドアトラブルにより、ピットに戻っての修復を余儀なくされ、大幅に順位を落とすこととなりました。65号車ロードスターがピットストップの義務を消化している間、ディーゼルの好燃費を活かす17号車はコース上にとどまり、トップに立ちます。

やがて、ナイトセッションの時間がスタートし、20時過ぎに名物の花火が終わったところで、サーキットに霧雨が降り始めます。この雨は雨雲レーダーに映らない低い雲によるもので、一体いつまで、どのくらい降るのかわからない状況でした。そのため各チームは、雨量の増加に備えて、ウエットタイヤを準備する一方で、スリックタイヤのままで走行するチームがほとんどとでした。この難しいコンディションの中、上位争いをする88号車は岡本、吉田の若手が、65号車は太田がスリックタイヤでダブルスティントと踏ん張り続けます。トップを走る17号車のMAZDA2は、フロントタイヤをスリック、リアをレインにする作戦を実施。霧雨の状況で、夜間の難しい路面状況にロードスター勢が苦戦する中、FFマシンならではの戦略で強さを発揮します。レースが折り返しを迎える午前3時頃には、路面が完全なウエットコンディションとなり、17号車Mazda2がST-5クラスのトップで朝を迎えました。

レースは、2日目も大きなアクシデントやセーフティカーが導入される場面もなく、走行が続きます。そして、夜明けを迎える頃には路面はドライコンディションとなりました。トップの17号車と2番手を走る65号車の差は少しずつ縮まっていたものの、17号車MAZDA2は、634周を走り、ST-5クラスのトップでチームメイトの37号車「DXLワコーズ☆パワーミネラルNOPROデミオ」とのランデブー走行でチェッカーを受けました。3位には、88号車が続きました。同じく村上モータースからエントリーしている89号車「村上モータースMAZDAロードスター」(植村真一/岩岡万梨恵/近藤善嗣/中村輝/梶谷太郎)は、8番手で最後は左リアタイヤをパンクさせながらもチェッカーを受けました。序盤に追い上げを見せた76号車はマシントラブルで12位、50号車の「LOVEDRIVE ロードスター」(藤井順子/佐藤朱伊/鈴木翔也/中村涼子)は、元F1メカニックの白幡勝広さんや、東京工科自動車大学校の学生メカニックのタッグで24時間レースに臨みましたが、木曜の練習走行でのアクシデントが予選、決勝レースにも響き、121周でレースを終えています。ST-4クラスのロードスターRFは、夜間に発生したアクシデントにより、マシンを大きく損傷したためリタイアとなっています。

TEAM NOPROとしては、2020年、2022年から今回の3連覇で、富士24時間レース4勝とST-5クラスの中でも、圧倒的な強さを見せています。17号車のドライバー兼監督の野上敏彦は「練習走行からトラブルもあり、今年は無理かもしれないと思う気持ちもありました。しかし、レースを進めていくうちに、いい方向に進めていくことができました。夜中に雨が降って、ライバル勢に差をつけることができて、流れを変えられたと思います」と語っています。

ST-QクラスのMazda3にとっては2度目、2台体制となってから初めての挑む富士24時間レースです。55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」(寺川和紘/関豊/井尻薫/前田育男/佐藤考洋)は、スタートから2日目の朝まで順調な走行を重ねていましたが、ピットアウト後にオイル漏れが確認されたため、すぐに呼び戻して確認作業が行われます。この結果、駆動系の部品交換が必要となり、ピットガレージでの修理がしばらく続きました。残り、約2時間となったところで55号車はコースに復帰。寺川、前田、佐藤とバトンを繋ぎ、最後はAドライバーの寺川がチェッカーを受けました。12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(川田浩史/堤優威/阪口良平/箕輪卓也)は、初の富士24時間をノントラブルで完走。チャレンジプログラムからステップアップした箕輪卓也も今回は加わり、667周をノントラブルで走行して安定性を証明しました。

スーパー耐久シリーズ、次戦はオートポリス(大分県)で7/27〜7/28に開催されます。なお、ST-5クラスはおやすみとなり、マツダ車はST-4クラス、ST-Qクラスに参加予定です。

2024 S耐Rd.2富士SUPER TEC 24時間レース記録動画 (YouTube 8’18”)

Text & Photos by MZRacing

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