全日本ジムカーナ第6戦　JG8クラスとJG6クラスのチャンピオンが確定

2022/07/27

全日本ジムカーナ第6戦　JG8クラスとJG6クラスのチャンピオンが確定

7月23日(土)〜23日(日)に岡山県の岡山国際サーキットでJAF全日本ジムカーナ選手権第6戦「全日本ジムカーナ in 岡山国際サーキット」が開催され、JG8クラスはロードスターの小林規敏が今シーズン5勝目を挙げ、自身初となる全日本チャンピオンを獲得しました。また、JG6クラスではロードスターRFのユウが　開幕戦から負け知らずの6連勝を達成。2年連続となる全日本チャンピオンを獲得しました。

JAF全日本ジムカーナ選手権第6戦は、SUPER GTやスーパー耐久シリーズなどの4輪レースから、全日本ロードレース選手権などの2輪レースまで、数々のビッグレースが開催される岡山国際サーキットが舞台となります。

同サーキットでは2016年以来6年ぶりの開催となる今大会には、全クラス合わせて111台がエントリー。マツダ車はJG8クラスに21台、JG6クラスに5台、JG2クラスに3台の計29台が出場しています。

各コーナーに往年のレーシングドライバーの名前がつけられたレーシングコースに設定された決勝コースは、ホームストレートのピットロード出口をスタートし、第1コーナー先にあるウイリアムズコーナー手前のモーターサイクルシケインに設定されたパイロンセクションを抜けて、ショートカットを逆走してリボルバーコーナーで180度ターン。レッドマンコーナーとホッブスコーナーからなるダブルヘアピンを抜け、最終コーナー先のホームストレートに設定された高速スラローム＆パイロンターンセクションをこなしてゴールするレイアウトが設定されました。パイロンコースでは2速や1速が主体となることが多いジムカーナですが、レーシングコースならではと言える3速から4速が主体となるハイスピードコースとなっています。

ロードスターのワンメイク状態となっているJG8クラス。第2戦から4連勝を挙げている小林規敏がチャンピオン獲得に王手をかけている状態ですが、有効ポイントでは箕輪雄介、小林キュウテン、川北忠、斉藤邦夫、小野圭一にも逆転チャンピオンの可能性があります。ここで小林が一気にチャンピオンを決めるか、それともタイトル決定が次戦以降に持ち越しとなるかが注目となりましたが、第1ヒートで勝負を決めた小林(規)が今季5勝目を獲得。自身初となる全日本チャンピオンを確定させました。2位には、サーキットジムカーナを得意とする小野圭一が入賞、3位には路面温度が55度を超える高温となった第2ヒートで健闘した小林キュウテンが入賞しました。

今シーズンの開幕戦からロードスターRFのユウが5連勝を飾っているJG6クラスは、逆転チャンピオンの可能性があるシリーズ2位の野島孝宏が、第5戦に続きこのラウンドも欠場し、タイトル争いから脱落。シリーズ3位につける新鋭・大多和健人がタイトル争いのライバルとなりますが、今回の大多和の順位に関係なく、ユウが9位以上でゴールし有効ポイント2点以上を加算すれば全日本チャンピオンが確定するという状態です。

ロードスターRF同士のタイトル争いとなった第1ヒートは、ユウが大多和を1.495秒引き離す走りを見せ、そのまま開幕6連勝を達成。2年連続となる全日本チャンピオンを、開幕6連勝、有効ポイントでも満点チャンピオンとなる快挙を達成しました。2位に大多和、3位に大橋政哉が入賞し、ロードスターRF勢が1〜3位の表彰台を独占する結果となりました。

その他、JG2クラスではRX-7の藤井雅裕が、路面温度が上がりすぎてタイムアップが難しい状況となった第2ヒートで順位をひとつ上げ、2位に入賞を果たしています。

■JG8クラス優勝/小林規敏( 2022年JG8クラスチャンピオン )

「前日の公開練習で良くなかったところを決勝ではうまく修正でき、両ヒートとも手応えある走りができました。今シーズンは、自分の感覚とタイムが繋がったシーズンだったと思います。チャンピオンを獲るまで長かったですが、優勝で決めることができて、本当にうれしいです」

■JG6クラス優勝／ユウ (2022年JG8クラスチャンピオン)

「クルマも試合運びも、しっかりとコントロールできた大会だったと思います。金曜日の練習日に久々にこのコースを走ってみたら、自分のスピードレンジが低い位置に固定されちゃっていたなぁと思い知らされたんですけど、土曜日の公開練習でうまく修正できていったと思います。ここまで全勝でチャンピオンを決めることができて、ホッとしています」

激戦のJG8クラスで若手を育成

全日本ジムカーナでは、同一車両による重複参加（ダブルエントリー）が、規定で2名まで認められています。今大会は5組の選手たちがダブルエントリーしていますが、そのなかでJG8クラスに出場するベテランドライバーの川北忠と、今シーズンから全日本に参戦を開始した若手の小倉輝が、ダブルエントリーで開幕戦からシリーズ参戦しています。

ジムカーナ歴27年になる川北は、これまで4回の全日本チャンピオンを獲得しているトップドライバー。昨年はロードスターでJG8クラスのチャンピオンを獲得しています。一方、今年で26歳になる小倉は、大学生時代に学生ジムカーナで腕を磨いてきたドライバーですが、今年の全日本開幕戦に出場するまでに地方選手権や県シリーズなどの公式戦に出場したのは2〜3戦程度。異例の抜擢で、川北選手とのダブルエントリーで全日本に出場することとなりました。

「小倉くんと同じサスペンションパーツメーカーに勤めている関係で、社内的にも若手ドライバーを育成する目的で、今年はダブルエントリーで出場することを決めました」と、ダブルエントリーの経緯を話す川北。小倉も、「僕ひとりでは、全日本に出場する機会がなかったと思います。腕的にも予算的にも、全日本は遠い存在だと思っていました。川北さんとダブルエントリーするお話をいただいて全日本に出場することになったのですが、なによりもトップドライバーと同じセッティングのクルマで走るというのは、ほかでは得ることのできない貴重な経験です。それと、僕は職場でメカニックを担当しているのですが、例えばセッティングを変えることにより走りがどう変化するとか、ドライビングだけじゃなくメカニック的にも全日本参戦はプラスになっています」と、全日本で修行を重ねています。

「全日本は、ダブルエントリーの場合でも決勝2ヒートを1セットのタイヤで走らなければならないというルールがあるので、タイヤ的には勝負が厳しい場面もあるのですが、若手が伸びるというのは僕にとってもうれしいことなので、小倉くんにはこのチャンスを活かして、もっともっと成長してほしいです」と抱負を語る川北。小倉も、「JG8クラスには、僕と同じ歳の小野（圭一）選手もいます。小野選手は表彰台に上がる機会も多く、いつかは勝負したいという気持ちがあります」と、全日本を舞台に奮闘を続けています。今シーズンも残り2戦。昨年のチャンピオンドライバーの川北と、初めての全日本で奮闘する小倉との二人三脚の活躍に期待がかかります。

JAF全日本ジムカーナ選手権第7戦「オールジャパンジムカーナin九州」は、9月17日(土)〜18日(日)に、福岡県のスピードパーク恋の浦にて開催予定です。

＊選手権チャンピオンは、シリーズ終了後に日本自動車連盟(JAF)によって認定されます。

第6戦記録動画(You Tube 3’44)

Text by CINQ LLC /Photos by MZRacing & CINQ LLC