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  • 2024/05/28
  • ROADSTERCUP

RSC第2戦は波乱の結末も、国分と永野が嬉しい初優勝

富士スピードウェイを舞台にしたロードスターカップ(RSC)第2戦が、 5月25日・土曜日のワンデーで行われました。今年もスーパー耐久24時間のサポートレースとしての開催で、早朝から多くの観客が集まった中での戦いです。エントリーは44台で、2.0チャレンジを除く5クラスが成立。初代NAから現行NDまで、4世代のロードスターがコンプリートしました。とくにパーティレースとレギュレーションを共通化した1.5チャレンジクラスは、22台という大盛況でした。


公式予選は8時50分からの20分間。気温20℃/湿度51%/路面温度27℃という、まずまずのコンディションです。ポールポジションを争ったのは、改造範囲の広いオープンクラスの上位陣でした。まずは2.0オープンに初出場の87号車・石井達也が2分7秒611を記録すると、1.5オープンで開幕戦3位の10号車・国分 務が最初のアタックで2分7秒125を叩き出します。その後、石井も2分7秒191まで削りますが、国分にはわずかに届きません。これで最前列の2台が決まりました。グリッド2列目は2.0オープン勢が独占。開幕戦で総合優勝した77号車・長岡哲也が2分7秒497、一方で開幕戦は欠場した101号車の高橋裕史が2分7秒636という僅差で続きました。

つまり今回は国分が1.5オープンの中では断然のトップタイムを記録して、背後に2.0オープンの3台を従えることになりました。クラス2番手の31号車・丹澤勇貴は2分8秒178、同じく3番手の20号車・佐藤文昭も2分8秒229で、両名がグリッド3列目から決勝をスタートします。さらに112号車の池島実紅と79号車の杉浦 良、7号車の茂木文明も2分8秒台のタイムで続いていて、1.5オープンの2番手以下は大混戦。なお、同クラスで連勝街道を爆進中の23号車・山本謙悟はエントリーリストに名前はありましたが、今回は残念ながら欠場となりました。


予選で総合10位となったのは、2代目NBが中心の1.8クラスのトップとなる91号車・神谷 誠でタイムは2分9秒111。開幕戦でこのクラスを制した8号車の関野大志は2分9秒256で、わずかに及びません。クラス3番手は4号車の松下知己ですがベストは2分10秒924で、関野との間にはクラス違いを2台挟むことになりました。そのうちの1台が初代NA6CEによる1.6クラスのトップで、34号車の永野裕介が2分10秒514を記録。同クラス2番手は27号車の野木 強で、タイムは2分11秒222。先ほどの松下を間に挟んでの決勝スタートになります。


激戦区となった1.5チャレンジクラスは、開幕戦で優勝した29号車の鷲尾拓未が2分13秒560を記録して断然のクラストップ。これに続いたのはRSCには初参戦ながら、パーティレースでは実力を発揮している63号車の吉田恭将。最後のアタックで2分14秒111を叩き出しました。以下は254号車の小野佳寿美、153号車の成井勝也、80号車の臼井達哉、50号車の田中悠太までが2分14秒台で続いて、しかも4名とも開幕戦で入賞しているキャリアの持ち主。決勝でも激しいバトルになることは確実と思われます。


予定よりわずかに遅れて、12時40分に決勝8ラップのスタートが切られました。初のポールシッターとなった国分ですが、見事なスタートダッシュを決めて1コーナーに先頭で入ります。一方で2番グリッドだった石井は国分に前をふさがれるような流れとなり、アウト側からまくってきた長岡の先行を許してしまいます。

開幕戦での展開から予想されたのは、ストレートでの加速に勝る2.0オープンの3台が国分を早々に捉えるかと思いきや、3周目終了までは国分が先頭をキープ。4周目にようやく長岡が逆転してトップに浮上します。さらに5周目には、一気に石井が国分と長岡を抜き去って総合トップの座に躍り出ます。ここで冷静だったのは国分で、6周目にはクラス違いの高橋に対してブロックをすることなく、進路を譲って先に行かせました。つまり2.0オープンの3台が先頭争いをする構図となり、このバトルが延々と続きました。

終盤は石井と長岡が競り合う場面を後方から見ていた高橋ですが、ファイナルラップの最終コーナーを上手に立ち上がって加速態勢に入ります。長岡を0.256秒差でかわし、石井にも肉薄して2番目にチェッカーを受けました。2.0オープンクラスは参加4台ということで、暫定表彰には石井と高橋の2名が登壇しましたが、決勝後の車検で石井のマシンに最低地上高違反が発覚して失格に。これで高橋が繰り上がって、昨年の開幕戦以来の優勝となりました。

総合では4番目にゴールした国分ですが、少し離れたトップグループが切り裂いた空気の壁を上手に利用。1.5オープンクラスの2位の佐藤に対しては2.295秒という十分な貯金を保ったまま、嬉しい初優勝を達成しました。佐藤はオープニングラップで丹澤をパスして2位に浮上するも、追撃はなりませんでした。逆に激しかったのは丹澤を先頭とする3位争いのバトルで、池島と杉浦が最後までダンゴ状態。ここは丹澤がなんとか凌ぎ切って、表彰台の最後の一角を死守しました。


1.8クラスの優勝争いは抜きつ抜かれつの激戦でした。今回は前年王者の神谷が予選で前に出たのですが、スタートでまさかのミス。それでも1周目はクラストップで戻ってきますが、再び関野に抜かれてしまい、また3周目にその座を取り返すという忙しいレースになりました。ところが、その3周目から6周目にかけて、1.5オープンクラスの茂木が関野とバトル状態になってしまい、神谷が少し楽な展開になりました。最後は茂木が神谷の前に出て、関野が0.145秒差に詰め寄りますが順位は変わりません。そしてクラス3位には予選では松下に負けて4番手だった11号車の松浦 健が、2周目の混乱をくぐり抜けて入賞しています。


今回は3台で戦った1.6クラスは永野の初優勝で幕を閉じました。デビュー戦となった前回はあわやスピンのミスもあって、ベテランの野木に逆転を許しましたが、今回はその野木に接触のアクシデントがあったこともあり、一度も先頭を譲ることなく逃げ切りました。グランドスタンドには友人が作ってくれたという、巨大な応援の幕が張られていましたが、見事その声援に応えることに成功しました。


1.5チャレンジクラスは今回、鷲尾と吉田の一騎打ちになるのではという予想が裏切られました。無難にスタートを決めた鷲尾に対して、吉田はオープニングラップでの位置取りに失敗。クラス3番手からスタートした小野に先行を許してしまいました。それでも2周目には抜き返した勢いで、鷲尾との差を詰めにかかりますが、どうやらミッションにも不具合が出たようで、終盤は逆に鷲尾のリードが少し広がります。

一方で激しかったのが、小野を先頭とする3位争いの集団でのバトルです。序盤は予選ではクラス7位だった41号車の八田新一が小野の背後に迫ると、中盤からは予選クラス5番手だった臼井の追撃が始まります。5周目に八田を抜き去り、7周目には小野もパッシング。ついに3位までジャンプアップします。整理すると、鷲尾が開幕2連勝で吉田と臼井がポディウムに登壇。以下、小野と八田、田中までが入賞です。


高橋は「今回は不具合を修正して、自分なりに仕上がった状態で戦えました。ウイングの有無の違いなんかも、このレースの個性じゃないでしょうか」と、ライバルとの仕様の違いも説明してくれました。デビュー2年目で初優勝を果たした国分は「謙悟さんに誘われて始めましたが、留守の間に勝てました。もっと練習して、次は勝負したいですね」とコメントしました。開幕戦のリベンジを果たした神谷は「今日は茂木さんのおかげです。せっかく予選がうまくいっても、スタートで失敗とは情けないです」と勝っても神妙でした。初優勝の永野は「とりあえず勝ててホッとしています。次までインターバルがあるので、クルマも人間も準備したいです」と、新たな目標を見つけた様子です。鷲尾は「今回は路面を感じ取る力や苦手だった第2セクター、さらにタイヤマネージメントなど実りが多かったです」と手応えを語りました。


今シーズン、RSCの後半戦まではかなり長いインターバルがあり、第3戦は10月5日の土曜日に開催予定。さらに11月3日の日曜日に最終戦というスケジュールが組まれています。


富士チャンピオンレース

https://www.fsw.tv/freeinfo/005516.html



Text by T.Ishida
Photos by S.Narita/T.Ishida

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