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日本国内レース

  • 2023/07/26
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JT第4戦 参戦3年目の滝口智弘が一気にブレイクスルー

7月23日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第4戦が十勝インターナショナル・スピードウェイで開催されました。パーティレースにとって23年目で初めての北海道への遠征が実現したことになります。参加9台で争われたNDシリーズクラスは、予選から激しいバトルが展開されましたが、最後に笑ったのは81号車の滝口智弘。参戦3年目での嬉しい初優勝を達成しました。


2年目を迎えたジャパンツアーシリーズですが、若き初代王者の箕輪卓也が開幕から3連勝と絶好調。ところが、この第4戦を箕輪がスキップしたため、残る後半戦で彼への挑戦権を得るためには落とせない、少数精鋭の戦いになったと言えるでしょう。

その予選で開始早々モニター最上段に躍り出たのは、シリーズクラスで表彰台を経験している171号車の野村 充。2分38秒748と、前日に大方の選手が予想していた39秒台より速いタイムです。続いたのが今年デビューの280号車・普勝 崚 で、タイムは2分38秒857。さらに33号車の恵木勇哉、16号車の上田純司、63号車の吉田恭将までの3名が2分39秒台でひしめき合いました。

全員が最初のアタック(記録上は2周目となる)を終えてクーリングに入ったり、一度ピットに戻る選手もいる中で、アタック2周目(記録上では3周目)で輝いたのが滝口でした。2分38秒658でシリーズクラスの実力者たちを一気にブチ抜いてトップに浮上。手応えを確信した滝口はそのままピットに戻り、ライバルたちの動向を見守ります。

コースが長いこともあって、20分間の予選では頑張っても8ラップぐらいまで。各選手も悩みつつも、一度はピットに入る作戦が多数派でした。上位陣では恵木がピットから復帰して2分38秒863までタイムを削ることに成功しますが、滝口はもちろん、野村と普勝のベストには少しだけ届きません。

とここで、残り3分を切ったあたりで吉田が出したタイムが2分38秒540。前日から好タイムを連発していましたが、最後の最後で5番手からの大逆転でポールポジションにたどり着きました。これでシリーズクラスの上位のグリッドが確定。フロントローは吉田と滝口で、2列目が野村と普勝の順。そして恵木と上田が3列目から決勝をスタートします。


ジャパンツアーシリーズ第4戦の決勝は、11時51分にスタートが切られました。リザルトには天候が「曇り」となっていましたが、一時太陽が顔を見せたこともあってコンディションが激変。気温こそ23℃ながら湿度は72%まで下がり、路面温度は39.8℃まで跳ね上がりました。ローリングスタートは混乱もなくスムーズ。写真のように、5番グリッドの恵木が直前の普勝と横並びの状態にまで持ち込むも、ここは無理せずに自重して元の順位に戻りました。

ところが、グランプリコースに入ってすぐの左に折り返すヘアピンで、事件が起こりました。3番グリッドだった野村のブレーキングが遅れてしまい、ポールから出た吉田の左サイドに衝突。代わって滝口が先頭に立ち、吉田は失速して3位まで後退。さらに、この影響で立ち上がりが鈍った普勝を、後続の恵木が次の右に折り返すコーナーでパッシング。この順位変動が最後に大きく影響しました。

この後、滝口と野村のトップ争いのバトルには見応えがありました。3周目までは滝口が先頭で通過しますが、4周目の1コーナーからクロスラインを上手に使って、2コーナーで野村が前に出ます。すると今度は5周目の3コーナーで、滝口がお返しとばかりに再び先頭へ。さらに6周目の1コーナーから先で、野村が2ラップ前を再現するように抜き返しました。こうしている間に、左リアにダメージを負った吉田も徐々に接近。さらに恵木と普勝までがスリップを使って差を詰めてきます。ファイナルラップには先頭から5位の普勝まで1.614秒差というダンゴ状態で入っていきました。

結局、順位は変わらずに、野村が先頭でチェッカーフラッグを受けましたが、1周目のアクシデントが危険なドライブと認定され、10秒のタイムペナルティが課されることに。その結果、シリーズクラスの優勝は滝口で、2位が吉田、3位に恵木、4位に普勝が、それぞれ繰り上がって入賞。以下、5位が上田となり、野村は6位に降着となりました。

参戦3年目の滝口ですが、昨年のジャパンツアー・オートポリスで予選3位・決勝4位となったのがベストリザルト。今回の遠征で一気にブレイクスルーした印象です。「先月のもてぎがダメダメでしたので、ミノワファクトリーさんに色々と見直してもらいました。コーチの蘇武さんのアドバイスもバッチリで、帯同してくれるメカも含めて、本当に皆さんのおかげです」と喜びを語りました。


なお、NDクラブマンクラスを制したのは117号車の高田 将。迫るライバルとの激闘を0.155秒差で凌ぎ切った名勝負でした。初出場の本田枝美も無事完走し、表彰台でのシャンパンファイトを楽しみました。


この日は、北海道マツダ70周年記念の特別協賛イベントも併催。スーパー耐久参戦中のロードスターRFが十勝に初見参して、北海道在住の猪股京介選手によるデモランを披露。パドックにはロードスターをはじめ最新モデルが展示されたほか、キッズ向けの記念撮影会や、猪股選手のドライブでサーキットを同乗体験できるプログラムも用意されました。

ジャパンツアーシリーズの第5戦は北海道から九州に進路を変更。8月13日に大分のオートポリスで開催されます。またパーティレースの次の戦いは今週末の7月29日。茨城県の筑波サーキットで、東日本シリーズの第3戦が予定されています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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