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  • 2021/05/26
  • ROADSTERCUP

富士チャンRSCは開幕戦欠場の山崎RFが総合優勝

5月22日の土曜日、富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)のロードスターカップ(RSC)第2戦が、スーパー耐久の富士24時間レースのサポートイベントして開催されました。総合優勝は4月の開幕戦を欠場した2.0オープンクラスの山崎善健。昨年の全3戦でトップチェッカーを受けた最速のロードスターRFが鮮やかに復活しました。

今回のエントリーは5クラス合計で26台。残念ながら2.0チャレンジクラスは今回も成立しませんでした。共通規定となるパーティレースNCシリーズの皆さんには、ぜひ11月の最終戦や来シーズンの参戦を期待しています。
前日のスーパー耐久の予選が悪天候でキャンセルされた富士ですが、当日は曇り空。気温15.1℃、路面温度17.5℃、湿度89%、南南西の風が0.8m/sという気象条件ですが、路面はまだフルウエットに近い状態で、公式予選が9時より20分間で行われました。

開始早々、開幕戦でデビューウインを飾った1.5オープンクラスの23号車・山本謙悟が2分26秒284でトップに立ちます。これは自らが出した前回のポールより18秒も遅いタイム。1.8クラスの前回のウイナー、18号車の小林哲男が2分29秒台で続きますが、しばらくは3番手以下が2分30秒を切れません。
ところが、予選も半ばを過ぎる頃になるとコンディションが徐々に回復。山本は4周目に24秒541、7周目に22秒962、さらにチェッカーが出される寸前にコントロールラインを通過した9周目に20秒413というスーパーラップを叩き出し、2戦連続の総合ポールポジションを獲得します。フロントローに並んだのは、格上の2.0オープンクラスの5号車・山崎善健。こちらも最終アタックとなる8周目に2分22秒096までタイムを刻んできました。
総合3位から5位までは、1.8クラスのNB8C勢が占めました。順に35号車の松波太郎と91号車の神谷誠、さらに55号車の澤田薫という実力者たちです。総合6位には2.0オープンクラスですが、NCで参戦する77号車・長岡哲也。そして7番グリッドには1.6クラスの34号車・竹田幸一郎で、堂々のクラストップ。山本と同じ1.5オープンクラスの7号車・茂木文明は8番手という厳しいポジションになりました。同じく1.6クラスの2番手となる53号車・水野寿通は前年王者ですが、総合では15位。竹田との間に7台のクラス違いを挟んでの決勝になりました。
パーティレースと共通規定のNDで争う1.5チャレンジクラスには今回6台がエントリー。0号車の北田辰男はキャリア豊富ですが、81号車の川島修とともにこのクラスには初参戦。また川島は今年パーティレースにデビューしたのですが、なんとSUGO/筑波/岡山の全戦に出場中。翌23日の筑波にも参戦して、5月はなんと5レースという“鉄人”ぶりを見せています。予選トップは開幕戦を制した118号車の中嶋鷹で、タイムは2分27秒330。38号車の中村進が2分27秒415という僅差で続いています。ちなみに総合では19位と20位になります。

正午過ぎの富士は気温18.1℃、路面温度21.3℃、湿度67%、南西の風が1.4m/sという気象条件です。路面もドライに回復しました。予定よりわずかに遅れて12時30分にスタートが切られた決勝では、オープニングラップで事件が起こりました。スタートダッシュではやはり0.5ℓという排気量の差は大きく、山崎のRFがポールの山本を抜き去って1オーナーに進入します。
そのあと、コカコーラの進入で1.8クラスの111号車・安田博一が15号車・中村英貴に接触してしまい、2台ともスピンアウト。さらに2台も大きくコースオフするアクシデントが発生し、その後のレース展開にも大きく影響します。とくに幸運だったのは1.6クラスの水野。安田の直後にいたのですが、間一髪これをインからかわすと、目の間にいたのはスタートで2台に抜かれた竹田でした。ここから竹田も粘りますが、ついに6周目のアドバンコーナーで逆転。2連勝した水野は2年連続のチャンピオンをほぼ確実にしました。
山崎と山本のトップ2の後方では、1.8クラスのNB8C勢が三つ巴の争いを演じます。2周目の1コーナーで神谷が松波をパスしてグループの先頭に立ちますが、澤田も食らいついて離れません。そこにコンスタントラップでは上回る茂木が追いついて、状況が複雑になりました。茂木は同じクラスの山本を追いかけたいので、この3台の前に早く出たいのですが、排気量が小さいので一気に抜き去るほどのポテンシャルはありません。3周目のコカコーラで澤田を、4周目の1コーナーで松波を仕留めます。すると5周目には神谷が進路を譲って、茂木を前に行かせました。
同じクラスでのバトルで順位が動いたのは、やはり1.8クラスでした。徐々にリードを広げた神谷は安泰だったのですが、開幕戦優勝の小林がクラス4番手(総合9位)のグリッドから混乱にも乗じて浮上。5周目の1コーナーで澤田が姿勢を乱した隙に、一気に松波まで抜き去ってクラス2番手まで浮上します。6周目には一度抜かれた松波をダンロップで抜き返すなど、まさに台風の目状態。出走9台の1.8クラスですが、神谷→小林→澤田の順で表彰台に上がり、4位には2号車の渡邉達也が滑り込んで、ここまでが入賞です。
集団の後方では、1.5チャレンジクラスのバトルが演じられていました。クラストップの中嶋にとってラッキーだったのは、グリッドでは直後に同じクラスの中村がいたのですが、決勝中は何度かクラス違いのマシンが間に入ってくれたことです。追う中村にとっては不運な展開となりました。なおクラス3位にはNAからNDに乗り換えて3年目のヤンコバが、おそらく2014年の富士チャン参戦以来の初入賞&初ポディウム。まさに継続は力なりです。

8周の決勝レースは、山崎が約2秒のリードを保ってトップチェッカー。2.0オープンクラスは参加2台のため山崎のみが入賞し、開幕戦優勝の長岡と同点で最終戦に臨みます。総合2位の山本は1.5オープンクラスで2連勝。こちらは総合3位でクラス2位の茂木も入賞対象のため、逆転の可能性を残します。さらに総合4位から7位には、前述の1.8クラスの上位4台が続きます。このクラスも神谷と小林が同点で最終戦を迎えます。1.5チャレンジクラスは中嶋が2連勝ですが、中村も2戦連続の2位で逆転の可能性があります。
総合優勝の山崎は「開幕戦は安全デバイスのエラーで出られませんでしたが、復帰できてよかったです。ジョイファストさんが、いいクルマに仕上げてくれたおかげです」とショップに感謝の弁を述べました。一方の山本は「トラコンが(ONのままで)OFFにできたら、もう少し勝負になったかもしれません。ずっとS2000に乗っていたのですが、ロードスターは難しいですね」という感想でした。1.8クラス優勝の神谷は「前回は予選で大失敗したのですが、今日はいい感じでレースできました」と振り返りました。1.6クラスの水野は「予選がダメダメで、かえって気楽に臨んだら、運にも恵まれました。最終戦も出ないといけないらしいので、会社を休めるかが心配です」とコメントしました。2連勝の中嶋は「朝はパワーウインドウが作動しないトラブルでピンチでした。僕は昨年からRE004を使っているアドバンテージもあると思います。最終戦は2位でもいいらしいのですが、勝ってチャンピオンを決めたいですね」と決意を語りました。

五輪イヤーの影響もあり、今シーズンの富士チャンRSCは最終の第3戦を残すのみ。11月20日の土曜日に開催される予定です。

●富士チャンピオンレース http://www.fsw.tv/freeinfo/005515.html

Text by T.Ishida, Photos by MZRacing

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