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日本国内レース

  • 2025/04/29
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JT第3戦 山田 遼が2勝目を達成も、ファイナルラップの4ワイドに場内沸騰!

4月26日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第3戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。年間王者を争うNDシリーズクラスを制したのは開幕戦・富士ラウンドの覇者、山田 遼。第2戦のSUGOを制した石谷豪志と予選から鎬を削りまたが、最後は抜け出して独走で2勝目を達成します。そして鈴鹿が最高に盛り上がったのは、ファイナルラップの1コーナーに向けた4ワイドのバトルでした。


2002年に始まったパーティレースですが、ここ鈴鹿での開催は昨年に続いて2回目。スーパー耐久シリーズのサポートレースというのも同様で、いつもにも増して観客も多く、注目を浴びる大会になりました。8時15分から行われたブリーフィングには、マツダのブランド体験推進本部の藤井雅裕さんが登壇。「F1グランプリも行われる鈴鹿でのパーティレースが今年も開催されました。今日は皆さん、ぜひ楽しんでください」と挨拶されました。

今回のエントリー台数は、NDシリーズが23台、NDクラブマンが7台の計30台。実はこの鈴鹿大会は参加資格に条件があります。NDシリーズには昨年の各シリーズで10ポイント以上か、今年ならば5ポイント以上を獲得しているドライバーに限られます。またNDクラブマンも昨年なら3回以上、今年の場合は2回以上の完走が条件になっています。したがって本日は全員が経験者となっています。


この日の鈴鹿は青空に恵まれました。少し霞がかかった気配はありますが、雨の心配はなさそうです。公式予選は9時30分から20分間の予定で行われました。1周が約6kmと長いこともあって、いつもの予選よりプラス5分のアタックタイムとなりました。直前のピットガレージで計測した気温は17.7℃で湿度は35%。陽の当たっているピットロードの路面温度は34.1℃でした。残念ながらシリーズの1台が欠場となり、合計で29台がアタックに臨みます。

まずはHCギャラリー・チームの3台が揃ってコースイン。その先頭は今年のジャパンツアー開幕戦でデビューウインを果たした156号車の山田です。後続のチームメイトを少しずつ引き離し、アタック1周目に2分41秒737を記録。これは昨年の初開催時の予選トップタイム(2分43秒538)を大幅に上回っています。続いてジャパンツアー第2戦のウイナー、117号車の石谷が2分41秒756で山田に肉薄します。3番手は開幕戦で山田とワンツー・フィニッシュを達成した157号車の橋本 隼で、タイムは2分42秒524。それに105号車の三宅陽大が2分42秒671、35号車の佐々木光が2分42秒773、158号車の大田優希が2分42秒831と続きました。

と、各車がアタック2周目から3周目に入ったタイミングで事件が起こりました。今年の開幕戦と第2戦でともに3位表彰台を獲得している147号車の石塚崇宣が、スプーンカーブでコースアウトしてバリアにヒット。接触の程度は比較的軽かったものの、動けなくなったことで予選アタックは赤旗中断となりました。この赤旗がちょうどコース最終盤で提示されたマシンがいて、ピットインしなかった1台と、コースを逸脱した1台に対して、ともに訓戒の処分が予選終了後にくだされました。

そして予選は9時48分から残り5分で再開されました。つまり残されたアタックチャンスは各車1ラップずつ。ここで輝きを見せたのが、すでにモニター最上段にいた山田。各セクターで自己ベストを更新して、叩き出したタイムが2分41秒614。これが新たなNDシリーズのコースレコードになりました。石谷もアタックしますがベスト更新はならず。そして128号車の普勝 崚が最後に2分42秒102を記録して3番グリッドに浮上し、橋本が予選4番手に。さらに最終アタックでベストを更新した大田と佐々木が続いて、ここまでが入賞圏内で決勝をスタートします。


8ラップの決勝レースはほぼオンタイム進行の13時05分に、ポールシッターの山田がコントロールラインを通過して戦闘開始に。予選の時と同様に手元で計測したコンディションは、気温20.8℃/湿度27%/路面温度47.4℃となっていました。オープニングラップから山田の背後に石谷がピタリと肉薄します。3番手の普勝は少し離される一方で、その背後には佐々木が6番グリッドからジャンプアップ。これに大田が続いて、4番グリッドだった橋本は順位をふたつ落としてしまいます。

序盤に勢いが良かったのは前述の佐々木と、8番グリッドだった56号車の小林太一。3周目のS字で佐々木は普勝を捉えて3位に浮上し、同じ周回のデグナーでは小林が前を行く予選7番手だった三宅を抜いて、それぞれポジションを上げます。その結果、山田と石谷のトップ2と、佐々木を先頭に普勝と大田の3〜5位の争い、橋本と小林と三宅の6〜8位のグループという、上位陣は3つの集団でのバトルになりました。

そして4周目のスプーンカーブで、クラブマンクラスの201号車・山中恭輔がコースアウトしてグラベルに一時ストップ。この救出作業のためにセーフティカー(SC)が導入され、これが6周目まで続きます。先ほどの3つの集団も一度解消され、一列になってSCを追走します。つまり、レースは残り2周のスプリント決戦になりました。

バトルが再開された7周目からは、場内MCが絶叫するシーンが続出しました。まずはS字で石谷が山田のイン側にノーズを入れてトップが逆転。ただ山田も即座にスイッチを入れ替えて、高速コーナー130Rのアウト側から並びかけての再逆転を成功させます。この攻防で山田は集団を抜け出して、ファイナルラップは独走状態に。一方でこの周のシケインで佐々木が石谷に並びかけ、2位と3位が入れ替わりました。

そして、いよいよファイナルラップに突入。この1コーナー進入時の2位争いが、なんと4ワイド状態になりました。前述の佐々木と石谷に加えて、普勝と大田という4名です。結果的に石谷と普勝の順で抜け出し、4台の直後に位置していた橋本が4位に浮上。さらに大田と佐々木という順でチェッカーを受けましたが、1コーナーで一番アウト側にいた佐々木のコース復帰が危険なドライブ行為と裁定されて、競技結果に40秒が加算されました。

整理すると優勝は山田。結果として開幕戦に続くポールtoウインで2勝目を達成し、シリーズランキングもトップに復帰しました。2位の石谷と3位の普勝がポディウムに登壇しました。さらに4位に橋本、5位に大田という山田のチームメイトがダブルで入賞。6位には昨年の西日本王者の小林が繰り上がりました。ちなみに予選のアクシデントで最後尾スタートだった石塚はオープニングラップだけで7台をパッシング。その後も順位を上げて13位でフィニッシュしました。

なおクラブマンクラスは、予選でクラストップだった96号車の伊辺 剛が嬉しい初優勝を達成。これに110号車の末金孝夫と81号車の川島 修が続いて、規定によりこの3名が表彰対象となりました。

山田は「石谷選手とのクリーンなバトルに感謝します。S字ではシフトミスで抜かれてしまいましたが、すぐに挽回したことで混戦のリスクを避けられたのは、いい判断だったと思います。チームで戦っている成果もあるので、次のもてぎでは3名全員で表彰台に立ちたいです」と語りました。


なお今回はマツダ車オーナー向けに「2025鈴鹿S耐&パーティレース観戦オフ会」が企画され、30組のファンが鈴鹿サーキットに集まりました。参加者は週末の2日間、グランドスタンド裏のGPスクエアに愛車を駐車しての観戦がOK。さらに鈴鹿サーキットのフルコースを愛車でパレードできる特典も楽しみました。

またもうひとつのトピックとして、東海マツダがスーパー耐久のMAZDA SPIRIT RACINGのチームにディーラーメカニックを初めて派遣。さらにパーティレース終了後の公道車検にも同じくメカニックが来場して、業務をこなしていました。これを機会にモータースポーツへの関わりを今後より深めていきたいとのことでした。

次回のパーティレースは5月5日に茨城県の筑波サーキットで開催される「筑波サーキット・カーフェスティバル2025(筑フェス)」の中で行われる、東日本シリーズの開幕戦です。またジャパンツアーシリーズの次の戦いは栃木県のモビリティリゾートもてぎにて、6月15日に第4戦が開催予定です。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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