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  • 2019/09/16
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PRⅢ東日本第3戦NDシリーズは冨林が「ショータイム」で2勝目

9月7日、筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢ東日本シリーズの第3戦が行われました。NDシリーズは28号車・冨林勇佑が予選4位からの「追い抜きショー」を演じて開幕戦以来の2勝目。NCシリーズは86号車・井尻薫が貫禄の3連勝を達成し、NDクラブマンは今年初出場の27号車・ISHIKAWAが1年ぶりに優勝の美酒を味わいました。

1989年の初開催以来、30回の節目を迎えた「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」と同日開催されるこの第3戦は、すべての進行が前倒しとなる慌ただしい1日です。朝から強い日差しが照りつけますが、時おり雲が広がると過ごしやすく感じられます。今回はNDクラブマン、NCシリーズ、NDシリーズがすべて独立の3レース開催です。

第1レースとなるNDクラブマンの公式予選は8時から15分間、13台で争われました。ポールポジションは昨年の最終戦以来の出場となったISHIKAWAが1分12秒118で獲得。5月26日の第2戦で初レースながら3位に入賞した198号車の山口聡は4周目に1分12秒401を出して2番手に浮上し、9周目には12秒208まで刻んで肉薄します。3番手の101号車・緒方克明も後半にタイムアップして、1分12秒359を7周目に記録。以下、4番手には今回初参加の29号車・岩田洋二が入り、66号車・関裕、37号車・倉持彰彦と続きました。上位9台が1分12秒台という混戦模様です。

次に8時20分から15分間、第2レース・NCシリーズの予選に14台が出走しました。74号車の入江直が最初のアタックで1分10秒387とトップに躍り出ます。しかしながら他のマシンが2周を終えた頃、井尻が満を持してコースイン。いきなり1分10秒122で入江を上回り、さらに10秒001まで刻みますが、走路外走行だったとしてこのタイムは抹消されました。暫定3位だった69号車の橋本悠亮も同様にベストタイムを抹消されたため、3番手は7号車・佐久間行雄の1分10秒596。以下は橋本、3号車・三谷貴一郎、43号車・平本磨音と続きました。7番手の15号車・亀山晃代までが1分10秒台です。

最後の予選はNDシリーズに22台がエントリーした第3レースで、8時40分からの15分間です。第2戦でポールを獲得した121号車・河村恭平がアタック1周目に1分10秒602を叩き出し、2戦連続のポールポジションとなりました。予選2番手は開幕戦のポールシッターで第2戦は優勝した78号車・出来利弘の1分10秒770。以下、開幕戦3位の16号車・上田純司までが1分10秒台で続き、開幕戦優勝の冨林は1分11秒018で予選4番手。以下、103号車・松尾康博、118号車・中嶋鷹と続きました。予選16位までが1分11秒台で走っています。

決勝の第1レースはNDクラブマンです。予定よりわずかに遅れて、11時12分にスタートが切られました。最前列のISHIKAWAとの山口は順当に1コーナーをクリアしますが、それに続いたのは67歳のベテランで5番グリッドの関。3番グリッドの緒方は関に抜かれたのみでしたが、4番グリッドの岩田はオープニングラップで7位までポジションダウン。緒方の後方には倉持と予選7位の116号車・高橋祥郎が続きます。

ISHIKAWAは序盤、リードを広げる勢いだったのですが、徐々に山口が背後に忍び寄り、トップ争いがヒートアップ。さらに少し離れて関と緒方もテールtoノーズに近い接近戦になり、表彰台をかけたバトルになりました。しかしどちらも逆転には至らず、ISHIKAWA、山口、関がポディウムをゲット。以下は4位の緒方、5位の倉持、6位の高橋までが入賞しました。

ISHIKAWAは「10周を過ぎてからタイヤが厳しくなってきました。考えてみれば予選の内圧のままだったので、危なかったです」と胸をなで下ろしていました。

NCシリーズによる第2レースの決勝は、4分遅れの11時49分にスタート。最前列の井尻と入江はともにきれいにスタートを決め、わずか0.6秒差でコントロールラインに戻ってきます。さらに2周目の第1ヘアピンで井尻のリアが一瞬大きくスライドしますが、そこは百戦錬磨のプロ。素早く挙動をおさめて入江の逆転を許しません。

激しかったのが3位争い。4番手スタートの橋本が3周目あたりから前の佐久間を追いかけます。その差はわずかコンマ数秒。ロックオン状態になった10周目は1コーナーからサイドbyサイドとなり、一度はラインをクロスさせて佐久間がインを守る技を見せますが、奥の第2ヘアピンではついに橋本が先に飛び込んで勝負が決します。

その後方、5番グリッドの三谷は無難にスタートしますが、6番グリッドの平本が大きく順位を落とし、三谷の後ろに、予選7位の81号車・オカハラタツヤ、予選7位の15号車・亀山晃代、予選10位の87号車・村松佑基、さらに予選9位の177号車の松浦俊一までもが追いついて大集団を形成。しかし、ここから順位の変動は起こりませんでした。橋本までの3名がポディウムに上がり、佐久間、三谷、オカハラの各選手までが入賞となりました。

最終的には2位を12秒近く引き離し、ポールtoウィンで3連覇を飾った井尻ですが「予選も決勝も今ひとつでしたね。最終戦までにもう一度、セッティングを見直してきます」と振り返りました。

第3レースも少し遅れて12時25分にスタート。最前列スタートの河村と出来は順位を守りますが、3番グリッドの上田はスタートに失敗。冨林と松尾に先行を許してしまいます。6番手はグリッド通りの中嶋ですが、7番グリッドの159号車・イシカワが背後に迫ります。

この決勝で輝いたのはグランツーリスモの世界大会でチャンピオンになった経歴を持つ“ゲーマー”の冨林でした。3周目の1コーナーでアウト側から出来に並びかけ、そのまま第1ヘアピンまで並走してインに飛び込んで2位に浮上。7周目のバックストレートでは河村も完全にロックオンして0.000秒差の同タイムでコントロールラインを通過。イン側で飛び込んだ8周目の1コーナーでトップに出ます。デビュー2戦目だった今年の開幕戦で優勝したものの、第2戦は7位に終わったリベンジを見事に果たしました。以下、河村は2戦連続の悔しい2位。出来は3位ですが、唯一開幕戦から表彰台に上り続けています。

4位以下の集団では12周目に、イシカワが中嶋をパッシング。この結果、4位の上田、5位の松尾、6位のイシカワまでが入賞となりました。なお、イシカワは このパーティレースに通算10年以上、かつ30戦以上参加した功労を讃える「Great Party Racer賞」も今回受賞しました。19年目を迎えたパーティレースですが、記念プレートに名前が刻印されるこの賞が与えられたのは通算20名にとどまっています。

冨林は「第2戦から1回しか練習できず、予選は4位だったのですが、ロングランのペースでは自分に分があると思っていました。並んだときに皆さんがフェアにスペースを残してくださったことに感謝します」と、年長のライバルに感謝の弁を述べました。イシカワは「もう少し(新しい指定タイヤの)アドレナリンと仲良くなりたいですね」と目標を語りました。

ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ最終戦となる第4戦は、10月27日の日曜日に筑波サーキットで開催されます。またパーティレースの次の戦いの舞台は、9月23日の祝日(月曜日)に富士スピードウェイで行われる「交流戦」です。

東日本NCシリーズは3戦全勝の井尻がフルポイントでリードしていますが、3戦とも2位の入江との差は7ポイントなので、10月の最終戦まで勝負は続きます。

また東日本NDシリーズは出来が57でポイントリーダー、冨林と河村が51で2位タイです。NDは富士の交流戦のポイントも有効なので、こちらも最後までわからないシリーズとなりそうです。



Text & Photos by B-Sports


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