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日本国内レース

  • 2025/06/18
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JT第4戦 山田 遼が3度目のポールtoウインで早くも王座に接近中

6月15日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第4戦が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。ウエットの予選から、湿度の高いドライの決勝へと状況が変わっても、強すぎるルーキーの山田遼にとっては想定内。今季3度目となるポールtoウインを達成しました。


この日のもてぎでは、TUNEDとNORMALに分割されたマツダファンエンデュランス(マツ耐)と、お昼休みのオールマツダ・パレードランも同日に開催。したがって多くのマツダ車とファンたちが集結して、朝から賑わいを見せていました。 エントリーはNDシリーズが14台、NDクラブマンが7台の計21台。8時30分から行われたブリーフィングでは、マツダのブランド体験推進本部の藤井雅裕さんが登壇。「皆様の素晴らしいレースのおかげで、マツダのモータースポーツカテゴリーがどんどんと盛り上がっているのを感じております。本日も素晴らしいレースをお願いします」と挨拶されました。さらに今回、NDクラブマンクラスに松島宏樹が初参戦。「今日は天候が不安定なのですが、もてぎは昨年のマツ耐で走っているので、その経験を活かして皆さんについて行き、安全にレースを終えられればと思います」と意気込みを語ると、先輩たちから温かい拍手で歓迎を受けました。


関東甲信越地方の梅雨入りが発表されたのが6月10日。その週末となった本日も朝までは前夜からの雨。その後は曇り空となりましたが、路面は依然としてウエットで、予断を許さない状況です。このパーティレースは原則的に幌を開けた状態で走りますが、天候が不安定な本日は開け閉め自由と、ブリーフィング時にアナウンスされました。ちなみに予選前の手元計測では、気温23.8℃/湿度100%/路面温度26.2℃となっています。

予選は9時30分から9時50分の20分間で、予定通りに9時30分から全車順調にコースイン。慎重にタイヤを温めながらアタックラップに向かいますが、アウトラップで20号車の秋葉英貴がマシントラブルによりコース上でストップしたため、そのまま赤旗中断となります。数分の中断を経て残り13分で再開。ただし赤旗原因と判定された秋葉は規則により再開後の出走が認められませんでしたので、合計20台でのアタックとなりました。

最初に一番時計の2分49秒632を刻んだのは156号車の山田 遼。しかし直後に157号車の橋本 隼が2分42秒613で、それを上回ります。雨は完全に上がっているためにコースは徐々に乾いて、ドライとウエットが混在する状況となってきます。そこで水を得た魚のような勢いを取り戻した山田が2分40秒133でトップを奪い返します。この頃にはライバルたちもタイムを削り出します。117号車の石谷豪志が2分40秒197で2番手に浮上した直後に、今度は山田が一気に2分37秒511秒までタイムアップ。この時点で2位以下に約2秒のタイム差を築いてトップに躍り出ます。

そして山田に続いたのは石谷で、最後のアタックで2分38秒800まで削りましたが及びません。3番手はこのまま橋本かと思いきや、それまでは9番手に沈んでいた147号車の石塚崇宣が2分40秒040をマークしてジャンプアップ。橋本は4番手に一度後退します。しかし橋本はその後2分39秒054までタイムを上げて3番グリッドを取り戻します。そして2分39秒326をマークして、4番手に躍り出たのが105号車の三宅陽大。石塚は5番グリッドから決勝をスタートすることになりました。


一方のNDクラブマンクラスでは、序盤から283号車の宮崎邦紘が2分44秒647でトップに躍り出ます。その後も2分40秒328まで削り込んで堂々のクラストップで、全体でも6位という健闘ぶりでした。そのため、シリーズクラス予選6位の128号車・普勝 崚は7番グリッドからの決勝スタートになりました。以下、クラブマンの2番手は41号車の的場雅仁で、同じく3番手には254号車の小野佳寿美という順で続きます。なお予選タイムを残すことができなかった秋葉も決勝レース出走の嘆願書を提出し、最後尾からの決勝スタートが認められました。


公式予選の後からは雨は降らずに晴れ間も見え、コースは完全にドライ状態になりました。直前のコンディションは気温27.7℃/湿度80%/路面温度45.5℃となり、かなり蒸し暑い体感となりました。13時50分からスタート進行が始まり、14時ちょうどにフォーメーションラップが走行開始、そのままジャパンツアー独自のローリングスタートで9周の決勝が争われます。なお今回は幌の開閉が自由ということで、決勝でも空力面で有利になるため、全ての車両が幌を閉めた状態でグリッドに並びました。

14時04分にポールポジションの山田がコントロールラインを通過し、戦いの火蓋が切られます。山田は順調にスタートを切り、1コーナー以降も順位を守って通過。後続も混乱なく続き、2番手に石谷、以下は橋本、三宅というグリッド通りの順番のまま、トップ4はオープニングラップを戻ってきました。

山田は前方がクリーンなことを活かして、そのまま逃げ切り体制に移ります。一方で2位以下のバトルは序盤からヒートアップして、石谷の背後に橋本が完全にロックオン状態に。そのまま約0.2秒の差でテールtoノーズから、時としてサイドbyサイドの状態が続きます。さらにその1.5秒ほど後方で、2周目以降は4位から7位までのバトルも慌ただしくなります。三宅に続いて普勝と石塚、そして13番グリッドからジャンプアップしてきた35号車の佐々木 光までがダンゴ状態となりました。

決勝は気温がかなり上がったため、タイヤの状態も気になるところ。レースの中盤は、タイヤのタレを気にしてか全体的に落ち着いた展開が続きました。それでも2位争いは一触即発状態でしたが、動き出したのは5周目から。石谷のペースが上がらないのを見た橋本がマシンを左右に振って、何度も仕掛けに行きます。その勝負がついたのが8周目。7周目の終わりのホームストレートでイン側に潜り込んだ橋本は、1コーナーから2コーナーにかけてノーズを半分ほどリードすることに成功。石谷もクロスラインで抜き返そうと試みますが、橋本のペースの方が速く、3コーナー進入時には順位が完全に入れ替わりました。

これで山田を先頭に、橋本と石谷が続いてファイナルラップに突入。以下は三宅→石塚→佐々木の順でしたが、佐々木は石塚をパスすることに成功して5位に浮上。ところがレース中に石谷(走路外走行複数回)と佐々木(スタート手順違反)に対して、決勝結果に5秒を加算するというペナルティの裁定があり、暫定表彰式の段階からそれを反映。その結果、3位表彰台には三宅が登壇、以下は4位に石塚、5位に石谷、6位に普勝の順で、シリーズクラスは入賞となりました。


一方のクラブマンでは宮崎が断然のクラストップ。スタート手順違反で5秒加算のペナルティを受けても、その座は変わりませんでした。2位の的場もグリッド順通りでしたが、3位の座には異変がありました。最後尾スタートから順位を上げた秋葉英貴が5周目に小野を逆転。そのまま最後まで走り切って、この3名がポディウムに登壇しました。


これで今季のジャパンツアー4戦で3勝目となった山田ですが、「パーフェクトウインに見えたかもしれませんが、全然そんなことはありません。決勝は気温と路温が上がったので、序盤のうちにタイヤを消耗してしまうと後がキツくなると思って、後ろをチラチラ見ながらペースをコントロールしていました。チームメイトの橋本が石谷選手とバトルしてくれたので逃げられたというのもありますね。ワンツーでフィニッシュできたのも良かったです」と振り返りました。


ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの次なる戦いの第5戦は、北海道・十勝スピードウェイで8月3日に開催されます。


Text by T.Abe/T.Ishida

Photos by B-Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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