MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2023/04/21
  • JRC

JRC Rd.3唐津 河本拓哉/永渕直大(MAZDA2)がJN-5クラス6位に入賞

全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州2023 in 唐津」が4月14日(金)〜16日(日)に佐賀県唐津市と伊万里市周辺を舞台に開催され、JN-5クラスに出場した河本拓哉/永渕直生のMAZDA2が、雨と霧に覆われた初日をクラス6位で折り返し、好天に恵まれたラリー最終日もポジションをしっかりと守り切り、クラス6位で完走を果たしました。

雪に覆われた群馬県嬬恋村を舞台に開幕した今年の全日本ラリー選手権は、3月に愛知県新城市のターマック林道を舞台に第2戦が開催され、シリーズは早くも第3戦を迎えました。
佐賀県の唐津市と伊万里市を舞台とする「ツール・ド・九州」は、全日本ラリーが2輪駆動部門と4輪駆動部門に分かれていた1997年から開催されている、長い歴史を重ねてきているラリーです。なかでも、唐津市の南東部に位置する三方山(さんぽうやま)周辺のターマック林道は、初開催当時からSSに設定されているこのラリーを代表するようなターマックステージで、選手の間では「三方を制する者は、唐津を制す」とさえ言われています。今回も、2日間合わせて12SSが設定されているラリーは、初日に三方山に設定されたSSを2回、2日目に初日の三方山を逆方向に走行するSSを2回の計4回が設定され、いずれも11kmを超えるロングステージということもあり、このラリーの勝敗に大きく影響することが予想されます。
雨の初日はウエットコンディション。雨が小降りになると深い霧に包まれ視界が奪われるという、選手にとって厳しい条件となりました。2日目は、朝から好天に恵まれたものの、午前中は前日の雨が残った路面が乾くまでには至りませんでしたが、午後のステージはドライ路面となり、このコンディションに合わせたタイヤ戦略も、勝敗に影響する大きな要素のひとつとなります。
併設されたオープンクラスを含めて56台が出場し、JN-5クラスには河本拓哉/永渕直生のMAZDA2が出場しています。
第2戦新城で、優勝争いに加わりながらもコースオフした際にサスペンションを傷め、痛恨のリタイアに終わった河本は、雨と霧に覆われた初日のステージを慎重に攻め、クラス6番手で折り返します。
天候が回復したラリー2日目の河本/永渕は、SS8でクラス4番手タイムをマークするなどペースを上げてきますが、順位を上げるまでには至らず。ラリー初日のポジションを2日目もしっかりとキープしてフィニッシュ。第2戦がドライバーとして全日本初出場となる河本は、全日本ラリー初完走とともにクラス6位に入り初のシリーズポイント6点を獲得しました。

JN-5クラス6位/河本拓哉コメント
「2日目の1ループ目はまだ路面が少し濡れていて危ないシーンもありましたが、以降は路面も乾いて、自分が持っているドライビングの引き出しをいくつか出すことができたと思います。少しでも上位陣に追いつけるよう、頑張っていきたいです」

今年で27歳になる河本拓哉は、大学時代を九州で過ごし、自動車部に所属したことがモータースポーツを始めるきっかけとなりました。卒業後はマツダに勤め、社会人4年目の今年はパワートレイン開発部に所属するサラリーマン・ドライバーです。
ドライバーとしては、2018年には九州のチャレンジシリーズと19年には九州ラリー選手権RH-5クラスのシリーズチャンピオンを獲得する一方で、21年から22年にかけては、かつてデミオ15MBで全日本ラリーを戦っていた九州のベテランドライバー岡田孝一のコ・ドライバーとして、全日本ラリーにも参戦していました。
「岡田さんには、コ・ドライバーとして必要な知識はもちろん、ドライビングに関わることや、事前準備からラリーが終わってからのことまで、もう言葉では言い合わせないほど勉強させていただきました。貴重な体験でした」と、当時を振り返る河本。岡田のコ・ドライバーとして全日本を転戦したことが、「ドライバーとして、全日本に出てみたい」という気持ちになったといいます。
その河本が、今年の全日本ラリー第2戦にドライバーとしてデビューを果たしました。ラリーは、序盤戦からリタイアなどアクシデントが続く荒れた展開のなか、河本はSS8を終えてトップまで3.1秒差の2番手につけます。路面コンディションはウエット。トップの選手はドライ用のタイヤしか残っていなく、ウエット用タイヤを温存していた河本にとって、千載一遇のチャンスが訪れました。ところが、河本はSS9スタート直後の1コーナーでコースオフ。フロントのサスペンションを傷めてしまい、無念のリタイアという結果に終わってしまいました。
「実は順位をあまり気にしないで走っていたので、気持ち的にもそんなに気負ったつもりはなかったのですが、今振り返ると、どこかで集中力を失い、自分の走りを見失っていたのかもしれません」と河本。その反省もあって、第3戦は「とにかく完走することを一番の目標に走りました」と、見事に第3戦を完走。次戦に向けて、「完走を目標に走った時の自分のポジションが分かりましたし、ここから少しでも上位の選手に追いつけるように頑張ります。第2戦も、上位の選手のすぐ下にいたからこそ、チャンスが巡ってきたんだと思います。ラリーはプライベートで参加しているのですが、職場の仲間や先輩も『どうだった!?』と気にかけてくれるようになりました。良い報告ができるよう、頑張ります」と、今シーズンの抱負を語ってくれました。
今年のJN-5クラスは若手ドライバーが多く出場していますが、目標は「もちろん20代でナンバーワン!」という河本。今シーズンの活躍に期待がかかります。

全日本ラリー選手権第4戦「久万高原ラリー」は、5月5日(金)〜7日(日)に、愛媛県の久万高原町周辺を舞台に開催されます。

Text & Photo by CINQ LLC

MAZDA MOTORSPORTS 全日本ラリー選手権

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ