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  • 2022/04/05
  • ROADSTERCUP

富士RSC開幕戦は4世代28台が霧と雨の中で激闘

2002年の開始以降、富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)の中核レースとして多くのエントラントを集めてきたロードスターカップ(RSC)。今シーズンは久しぶりに年間4戦が予定され、第1戦は4月3日の日曜日に、富士チャン開幕戦に組み込まれての開催です。総合優勝は2020年からダントツの速さを見せている2.0オープンクラスの5号車・山崎善健。総合2位には1.8クラス優勝の12号車・石森聖生が0.8秒差で続く結果となりました。

今年はレギュレーションなどに目立った変更はありません。初代NAと2代目NBが排気量別に戦う1.6クラスと1.8クラス、3代目NCのパーティレース車両で戦う2.0チャレンジクラス、3代目NCと4代目のRFが所属する2.0オープンクラス、4代目NDのパーティレース車両で戦う1.5チャレンジクラス、それ以外の4代目NDが所属する1.5オープンクラスという6クラスが設定されています。ただし直近の2.0チャレンジクラスはエントリーがなく、今回も不成立。5クラス合計の28台での開幕戦となりました。

朝一番は前日までのドライのままで、正午過ぎの決勝では雨が落ちてくるとの天気予報でしたが、見事に大外れ。早朝からの冷たい雨が路面を濡らすコンディションとなりました。8時ジャストに始まった公式予選では、悪化が想定される天候を見据えて早めにタイムを出すべく、続々とマシンがコースイン。計測が始まる2周目から常にトップタイムを出し続けていたのが山崎のND・RF、各車がタイムアタックを続けますが、8分ほど経過するとコース上の各所に霧が立ちこめます。11分にはコース上すべてが真っ白な状態となり、1台がクラッシュするアクシデントも発生。すぐさま赤旗が提示され、ここで予選が終了しました。
ポールポジションはやはり2.0オープンクラスの5号車・山崎善健でタイムは2分25秒204、フロントローには1.8クラスの2号車・渡邉達也が2分25秒439で並びます。それに続いたのが1,5オープンクラスの前年王者、23号車の山本謙悟と1.8クラスの84号車・大矢明夫。パワーでは劣る1.5チャレンジクラスの38号車・中村進は総合12位と大健闘…もちろんクラストップです。1.6クラスのトップは27号車の野木強で総合では14位。滑りやすい路面のため、本来のマシンの実力差が反映されない結果となりました。

8周で争う予定だった決勝もウエットレースとなりました。予選時のような霧は降りてこない様子ですが、グリッド上に注ぐ雨の量はかなり多め。気温は6.7℃まで冷え込み、スピードウェイ周辺で膨らみ始めた桜のつぼみも凍えてしまうほどです。通常のRSCはスタンディングスタートですが、雨が酷いために今回はセーフティカー(SC)スタートに変更。SC先導のもと、静かに決勝レースが開始されます。3周を終了したところでSCがピットロードに入り、最終コーナーを立ち上がった各車が一斉に加速。ここから残り5ラップでのバトル開始となりました。
そこから、トップを守る山崎に3番手から追い上げてきた山本が迫りますが逆転には至らず、総合の上位4台はコンマ差のバトルが続きます。そしてファイナルラップの300Rで山崎と山本が接触してしまい。山本はここで大きく後退してしまいます。その間隙を縫うように、予選総合6番手から徐々に追い上げてきた1.8クラスの12号車・石森聖生が急浮上。山崎に0.8秒という僅差まで近づくことになりました。
その5秒ほど後方の総合3位争いも三つ巴の接近戦。そこを制したのは1.8クラスの18号車・小林哲男で、予選では前にいた渡邉達也より0.134秒先にチェッカーを受けます。さらに今回唯一のNCとなる2.0オープンクラスの77号車・長岡哲也も僅差の総合5位で続きました。今回最多の12台が参戦した1.8クラスは、規定により6位までが表彰対象です。前述の上位3台に続いてクラス4位には予選で2列目を獲得した大矢が入賞。さらに4位には前年王者の91号車・神谷誠が、6位にも優勝経験のある実力者、55号車の澤田薫が続きました。

総合優勝の山崎は「おかげさまで6連勝できました! 今回は毎周回コンディションが変わったので、それに合わせながら走るのが大変でした」とコメントしました。1.8クラスを制した石森は「タイヤがなかなか温まらなくて大変でした。最後に抜くつもりで立てていた作戦が上手くいきましたね。この雨の中で勝てたのは良い経験になります」と嬉しそうでした。

序盤は山本が総合首位をうかがった1.5オープンクラスですが、終わってみれば徐々にポジションをアップしていった7号車・茂木文明がクラス優勝。クラス2位の14号車・小倉徹までが入賞となりました。茂木は「サバイバルレースでしたね。自分としては内容に納得いかなかった部分は多かったですけれど、勝てたのは良かったです。今年こそ山崎さんの前に出てみたいです」と下克上を狙っています。

今回は参加6台だった1,5チャレンジクラスは予選でも輝いた中村進が優勝。以下、2位の28号車・四條健と3位の0号車・北田辰男も予選順位どおりの順当な結果となりました。パーティレースにも参戦している中村は「難しかったですが、“条件は一緒”だと思いながら走っていました。ウエットの用意をしていなかったので神経を使いました。とりあえず“壊さない”“ぶつけない”ということに集中して完走を目指しました」と語ってくれました。

最後に1.6クラスは、予選トップの野木と34号車の竹田幸一郎が最後までドッグファイト。近年の実績でやや上回る竹田が0.826秒の僅差でこのバトルを制しました。参加3台のため規定により、ポディウムには竹田のみが登壇しました。竹田は「決勝のバトルは凄かったです。コンディションもなかなか難しくて、自分もパスした直後にちょっとオーバーランしちゃったりとか…。ラストラップも1コーナーでは前に行けましたが、その後で並ばれてしまい、何とか前でチェッカーを受けられました」と激闘を振り返りました。

RSC第2戦は昨年同様、スーパー耐久富士24時間の決勝スタート前となる6月4日(土)の午前中にサポートレースとして開催される予定です。大観衆を前により白熱したバトルが繰り広げられることでしょう。

富士チャンピオンレース

Text by T.Nakamura/T.Ishida
Photos by S.Kokubo(Fuji Roadster Cup Community)/K.Kariya

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