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  • 2025/05/14
  • JGC

JGC Rd.3 PN2永川悠太が全日本初優勝!

2025年全日本ジムカーナ選手権第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」が5月10日(土)~11日(日)にかけて、広島県広島市郊外のスポーツランドTAMADAで開催されました。21台のロードスターが出場したPN2クラスでは、シリーズ参戦3年目となる永川悠太が、両ヒートでベストタイムを奪う走りでパーフェクトウィン。全日本初優勝を飾りました。また、PE2クラスでは、第1戦を制したロードスターRFの河本晃一が第1ヒートのタイムで勝負を決め、今季2勝目を挙げました。


大会名に「MAZDA SPIRIT RACING CUP」が冠された全日本ジムカーナ選手権第3戦。大会1週間前には、広島市市内で全日本に参戦するジムカーナ車両によるパレードランや小学校高学年から中学生を対象としたパレード同乗ドライブなどが行われ、大会をPR。大会期間中は4000人を超える観客が来場し、モータースポーツを満喫しました。

また、会場内にはMAZDA SPIRIT RACINGのブースが展開され、バーチャルの世界からリアルへの世界へ挑戦する機会を提供する「チャレンジプログラム」でサーキットを走行するNDロードスターや、世界中のサーキットを疑似体験できるレーシングシミュレーターを展示。子供から大人まで、多くの来場客がモータースポーツと触れ合い、楽しんでいました。

今大会には、選手権クラスに131台、選手権外クラスに12台の計143台が出場。そのうち、PE2クラスに2台、PN2クラスに21台、PN3クラスに6台、BC2クラスに7台、合わせて36台のマツダ車が出場しています。


決勝日の天候は、午前中の第1ヒートは曇り空でドライ路面でしたが、第2ヒートが始まった午後はPN3クラスが走行している頃から雨粒が落ち始め、PN4クラスがスタートする頃にはウェット路面に。そのため、PN3クラス以降は第2ヒートのタイムアップが難しく、第1ヒートのタイムが決勝タイムとなるコンディションとなりました。

ATやCVTなどの自動変速機を装備したP・AE車両が対象となるPE2クラスは、ロードスターRFで出場する河本晃一が第1ヒートのベストタイムをマーク。第2ヒートはわずかにタイムダウンとなりましたが、第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季2勝目を獲得しました。


1500cc未満の後輪駆動車が出場するPN2クラスは、出場した21台すべてがNDロードスターという、いわゆる事実上のワンメイククラスとなっています。第1ヒートは、全日本2戦目となる武内靖佳がマークした1分21秒599のタイムがターゲットタイムとなり、なかなか更新する選手が現れないなか、開幕戦と第2戦で連続3位を獲得している永川悠太が武内のタイムを0.385秒更新。第1ヒートトップで第2ヒートを迎えます。いつ雨が降り出してもおかしくない天候となった第2ヒートは、永川が第1ヒートにマークしたベストタイムが更新されない状況が続きます。そのなか、永川が自身のベストタイムを0.131秒更新。その後、永川のタイムを上まわる選手が現れず、結果的には両ヒートのベストタイムを奪った永川が、全日本初優勝を獲得することとなりました。

開幕戦を制した藤井裕斗は、パイロンタッチに終わった第1ヒートのミスを第2ヒートで挽回、トップに0.063秒差の2位入賞しました。また、第1ヒート2番手の武内は、第2ヒートで痛恨のミスコース。第1ヒートのタイムで3位表彰台を獲得しました。


その他、PN3クラスはロードスターRFの川北忠が、第1ヒートのタイムで2位に入賞。第2戦名阪ラウンドでの優勝に続き、2戦連続表彰台を獲得しています。


PE2クラス優勝/河本晃一コメント

「今日のコースはパワー勝負のレイアウトとなり、ロードスターRFにとって決して有利とは言えない設定だったのですが、それで諦めるほどやわな人間ではありません(笑)。コーナーの旋回スピードを上げることでどれだけライバルたちにプレッシャーを掛けられるかを目標に第1ヒートを攻めて走ったことが、結果に繋がったと思います。ロードスターRFの良さを活かすことができた大会でした」


PN2クラス優勝/永川悠太コメント

「前戦まで考えすぎていたところがあったのですが、今回は両ヒートとも全力で攻めたことが良かったと思います。全日本フル参戦は3年目ですが、その前は全日本カートを走っていたので、TAMADAのようなコースは得意です。第1ヒートは、ライバル選手の良いところを参考にして走ったことも、タイムアップに繋がりました」


PN2クラス2位/藤井裕斗コメント

「第1ヒートは早い時点でパイロンタッチしてしまったので、第2ヒートに向けてタイヤを温存しました。第2ヒートは、なんとか天候がもってくれて、自分でも満足がいけるアタックができたと思います。ここのコースを走るのは今回が初めてなんですが、金曜日の練習走行からうまく組み立てることができ、コース攻略に集中することができました」


PN2クラス3位/武内靖佳コメント

「ウェット路面の第2ヒートは攻めすぎてしまい、ブレーキングでオーバーランした時点で諦めたので、ミスコース扱いとなりました。TAMADAは地元のコースなんですが、ドライ路面の第1ヒートは守りに入ったら負けだと思い、攻めることに集中して走りました。勝てなかったことは残念ですが、自分を出し切ることはできたと思います」


PN3クラス2位/川北忠コメント

「第1ヒートは細かいミスがありました。第2ヒートは第1ヒートのミスを修復できた分、タイムを上げることができたのですが、細かい雨が降っていたこともあって、路面コンディションが微妙でした。パイロンタッチもしてしまいましたね。こういうこともあるので、第1ヒートでしっかりタイムを残しておかなくてはならないですね」



PN2クラスで活躍する新鋭・若手たち

百戦錬磨のベテラン選手から、新進気鋭の若手選手が出場するPN2クラス。1500cc未満の後輪駆動車が出場するこのクラスは、2015年5月の発売以来、今年で10年目となるND型ロードスターが長年に渡り主役となり、事実上のワンメイク状態となっています。

そのなか、今回優勝を飾った永川悠太は全日本に参戦して今年で3年目となりますが、今シーズンの第1戦からND型ロードスターに乗り換え、今回で3戦目となります。

「以前はカートをやっていました」という永川ですが、カートを始めたのが実は30歳になってからで、2013年には地方カート選手権の西地域FP-3部門のチャンピオンを獲得。ジムカーナを始めるまでは全日本カート選手権に参戦し、「まわりは10代の選手ばかりで、30代は僕ひとりというような状況でした。一緒に戦っていた選手のなかには、今はSUPER GTで活躍している選手も多いですね」という、異色の経歴を持つドライバーのひとりです。

「カートの経験が長いこともあって、パイロンコースよりも今回のようなカートコース的なコースの方が得意ですね。攻略法をあれこれ考えて悩むよりも、コースを全開で攻める方が、カート時代から好きですね(笑)」と永川。また、「今年、ロードスターに乗り換えたことも、僕にとってはプラスでした。実は装着するタイヤメーカーも今年変わったのですが、初めて乗った時にクルマとタイヤのマッチングが良く、『これはイケるな』と手応えを感じました。もともとカート乗りなので、ロードスターのように限界まで攻めていけるようなクルマが、僕のドライビングと合っているんだと思います」と、自己分析しています。第3戦を終えて、シリーズランキングトップに立った永川。チャンピオン争いを占う上でも、今年注目となるドライバーのひとりです。


一方、PN2クラスで2位に入賞した藤井裕斗は、今年から全日本に参戦を開始し、そのデビュー戦となる第1戦でいきなり優勝。第2戦は5位、そして今回の第3戦が2位と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでPN2クラスをかき回しています。

藤井は昨年までロードスターRFでPN3クラスを戦い、ロードスターRFでは全日本チャンピオンを3回獲得しているユウの専属メカニックとして3年間帯同し、タイトル獲得を支えました。

「ユウさんに3年間帯同させていただいたことは、僕にとっても貴重な経験でした。ユウさんがどんな走りをするのかということだけではなく、心構えや出走前のメンタルの整え方など、全日本を戦う上で大切なことを勉強させてもらいました。だからこそ、全日本デビュー戦は自分が今できる限りの最高の走りで攻めることができたし、気持ちの面でも舞い上がらず平常心で取り組めたと思います」と、感謝の気持ちを述べました。

「ロードスターは、運転がうまくなることができるクルマだと思います。ハンドルもアクセルもブレーキも、操作したとおりの挙動が出てくれるので、良い操作で走れば良いタイムが出るし、失敗した時にはそれをしっかりと教えてくれるクルマなので、ドライバーが気持ち良い走りができればできるほど、タイムも良くなっていくクルマだと思います」という藤井。今年28歳になる新鋭ドライバーも、PN2クラスを今後の活躍が注目となるドライバーのひとりです。



Text&Photo by CINQ LLC

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