MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2023/10/19
  • RPR

RPR北第3戦 悔しさ滲む初Vも、久米田が王座に大きく前進!

10月14日、宮城県のスポーツランドSUGOでロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第3戦が行われました。今回は出走9台で争われたNDシリーズですが、ランキング2位の281号・久米田昴がポールポジションを獲得。決勝では最終ラップのミスでクラブマンの石塚に逆転を許しましたが、シリーズクラスでは堂々の初優勝。ランキングも首位タイに浮上して、タイトル獲得にも大きく前進しました。


シリーズクラスでは今回、32号車の阿部友哉と280号車の稲垣知博がデビューを飾りました。阿部は山形県天童市在住の31歳、稲垣は福島県本宮市在住の27歳という若者たちで、ともにレンタルしての参戦です。阿部はヴィッツのシリーズで2回チャンピオンに輝いた実績があり、稲垣もレジェンドカーや軽自動車のレースを経験しているキャリアの持ち主。恒例により朝のブリーフィングで両名が挨拶と意気込みを語ると、先輩たちから温かい拍手で迎えられました。

10月も半ばとなったSUGOの朝方は、少し肌寒さを感じるほど。上空には青空が広がり、雨の気配はありません。北日本シリーズは4月23日のダブルヘッダー以来なので、ほぼ半年ぶりの戦いです。エントリーはNDシリーズが10台、NDクラブマンが3台の合計13台で混走の予定でしたが、シリーズの1台がリタイア届けを出したため、12台が予選に臨みました。

モニター上段にはまず、福島在住の31号車・和光博紀が1分47秒801で躍り出ます。これにベテラン、91号車の沢崎祐一が1分47秒910で続きまして、しばらく47秒台後半での争いとなりました。その後のシリーズクラスでは第2戦のウイナー、34号車の菊池仁が1分47秒257を記録。すかさず、和光が1分47秒236とタイムを削って再びトップに立ちました。

そして残り5分を切った頃、クラブマンクラスの2号車・石塚崇宣が1分47秒094で一気に最上段に。このまま総合ポールを獲得と思いきや、残り3分20秒ほどで281号車の久米田昴が1分46秒717を記録して、逆転でポールポジションを奪取しました。この久米田、開幕戦は7位でしたが、第2戦は2位と健闘して、ランキング2位でこの第3戦に臨んでいる25歳の若き実力者です。石塚も2番グリッドを獲得して、シリーズクラスの上位陣に割って入りました。

そしてグリッド2列目には和光と菊池が並び、総合5番手には28号車の普勝崚、6番手には16号車の上田純司が続きました。開幕戦2位、第2戦4位で今回はポイントリーダーとして臨んでいる上田が、決勝ではこのポジションからの巻き返しを狙うことになりました。


北日本シリーズ第3戦の決勝は9ラップでの争いで、11時49分にスタートが切られました。陽が高くなるに連れて少し汗ばむほどになり、気温20℃・湿度49%・路面39℃というコンディションに変わりました。フロントローの2台=久米田とクラブマンの石塚は無難にスタートを決めましたが、3番グリッドの和光は激しいホイールスピンでもがいているうちに、菊池が苦もなく抜いていきます。さらに和光の内側に普勝と上田が横並びになる“スリーワイド”状態となり、和光は接触を避けようとして失速。さらに後続の91号車・沢崎祐一にまで先行を許す展開になってしまいました。

この上位陣の中で、序盤もっとも勢いがよかったのが普勝。2周目の馬の背コーナーで菊池に並びかけてみせ、続く3周目の1コーナーで早くもオーバーテイクに成功。単独3番手に浮上します。逆にここから菊池が防戦一方となり、菊池→上田→沢崎→和光という4台がほぼダンゴ状態。上田が何度も菊池に並びかけますが、その隙に沢崎が上田をあわやパッシングという応酬の繰り返しで、クリーンだけれど一触即発という状態が続きました。

となれば、バトルの焦点はトップ争いに移ります。久米田とクラブマンの石塚のギャップは、オープニングから3周目までは0.7秒台。どうやらコースの前半は石塚がやや速く、後半の2セクターは久米田が上回るという状況です。4周目以降、その差は0.412秒→0.518秒→0.324秒→0.377秒へと縮まり、緊迫した状況が続きます。さらに7周目には総合3位の普勝も石塚に対して0.284秒差まで迫ってきて、まさに三つ巴のトップ争いになりました。

そして、決着がついたと思われたファイナルラップのSPアウトコーナーで、久米田が3速から4速へという操作でまさかのミス。本人曰く1秒近くのロスで、当然だが立ち上がりの加速は明らかに鈍ってしまい、スリップから抜け出した石塚がアウト側から先行。わずか0.092秒だが、クラブマンクラスの石塚が先頭でチェッカーフラッグを受けることになりました。ただし、シリーズクラスの優勝は久米田で変わりません。これに僅差で続いた普勝がクラス2位となり、ダンゴ状態を凌ぎ切った菊池が3位でポディウムに登壇。出走9台となったことで、4位の上田までが入賞となりました。

この結果、シリーズでは上田と久米田が46ポイントの同点で並び、これを菊池が36ポイントで追う展開になりました。ただし有効3戦という規定やボーナスポイントの関係で、俄然有利になったのが久米田です。最終戦でもし上田が優勝しても久米田が3位に、同じく菊池が優勝しても4位に入れば初の王座獲得となります。また数字の上では沢崎と普勝にも、逆転王座の可能性が残されています。

久米田は「ミスは悔しいのですが、メカニックには感謝しています。シリーズでは有利な状況になりましたが、最終戦ではトップでチャンピオンを決めたいと思います」と決意を語りました。

クラブマンクラスながらトップチェッカーを受ける快挙を達成した石塚は「以前に富士のレースで似たような状況があったので、それを思い出しながら走っていました。最高に嬉しいです」と満面の笑顔を見せました。また最終戦については「シリーズの方のポイントに影響したくないので、自分としてはクラブマンでエントリーしようと思っています」とのことです。


北日本シリーズの最終(第4)戦は秋も深まった11月25日の土曜日に、ここSUGOで開催されます。またパーティレースの次の戦いは10月29日の日曜日、茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズの最終となる第4戦が予定されています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ