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日本国内レース

  • 2024/10/23
  • JRC

JRC Rd8.河本/有川デミオが意地をみせる

2024年全日本ラリー選手権第8戦「第51回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ 2024 supported by KYB」が開催されました。シリーズの最終戦となるこの1戦は、JN-5クラスの河本拓哉/有川大輔がラリー初日のSS3でリタイア、同じくJN-5クラスのRina Ito/松倉俊朗もSS6でリタイアという結果に終わりましたが、マシンを修復してラリー2日目をリスタートした河本/有川が、レグ2トータルで3番手のタイムをマークし、レグポイント1点を獲得しました。


今シーズンの全日本ラリー選手権の最終戦となる第8戦「第51回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ 2024 supported by KYB」は、岐阜県高山市郊外の位山交流広場を拠点に開催されました。6月に開催された第5戦モントレー以来、約4カ月ぶりに開催されたターマックラウンドには、総勢80台がエントリー。JN-5クラスにデミオ15MBとデミオ15Cの2台、選手権外クラスとなるオープン1クラスにデミオ15MBが1台の計3台のマツダ車が出場しています。


オールターマックのラリーは、初日に高山市役所でセレモニアルスタートが行われ、高山市内の観光スポット「高山陣屋」をロードセクションで通過後、本格的な競技が開始。SSは初日にSS1/4「あたがす」(9.54km)、SS2/5「牛牧上り」(6.16km)、SS3/6「アルコピア-無数河」(6.08km)の計6SS(43.56km)、ラリー最終日となる2日目にはSS7/10「大山線」(5.35km)、SS8/11「駄吉上り」(5.36㎞)、SS9/12「無数河-アルコピア」(6.08㎞)の計6SS(33.58㎞)、2日間合わせて12SS(SS総距離77.14㎞)が設定されました。順走と逆走を走る「アルコピア-無数河(6.08km)」と「無数河-アルコピア(6.08㎞)」には観戦エリアが設けられ、2日間とも多くの観客が訪れ、ラリーの醍醐味を堪能しました。


今シーズン、シリーズ3番手につける河本拓哉/有川大輔(デミオ15MB)は、SS1を4番手でクリアし、河本本人が「このラリーのなかで最も好きなステージです」というSS2に向かいます。そのSS2で河本は、約2km地点で前走車が掻き出したイン側の石にフロントタイヤをヒットさせてしまい、ハブボルト1本を折損。そのステージはクラストップから19.7秒差の7番手タイムでフィニッシュするものの、その後のSS3で残りのハブボルトすべてが折れ、タイヤが外れてしまいレグ離脱を余儀なくされました。

その後、ハブボルトを修復した河本は、2日目のラリ−をリスタート。SS9以降はクラス3番手タイムを連発し、レグ2の順位は3番手でフィニッシュ。来季につながるレグ別得点1点を獲得しました。


今シーズンは、ミニクーパーのワンメイクレースで優勝を飾るなど、レースシーンでの活躍が光るRina Itoは、松浦俊朗とともにデミオ15Cでエントリー。初日は苦手なウエット路面に苦戦が続きSS5を終えてクラス9番手につけ、ドライ路面が予想されるラリ−2日目にポジションアップを狙いましたが、初日最終ステージとなるSS6のステージ途中でハイドロプレーニングが起きコースアウトし、レグ離脱となりました。サービスでマシンを修復し、2日目のリスタートを目指しましたが、ステアリング系の損傷が激しく、初日でリタイアを決意することとなりました。


■JN-5クラス SS3リタイア/河本拓哉

「ラリー北海道をスキップして、しっかり準備してから出場したラリーだけに、リタイアという結果に終わり、本当に残念です。SS3を走り切ればサービスでハブボルトを修理できるのでゆっくり走ったつもりですが、残りの3本すべて折れてしまい、タイヤが外れてラリーを続けるのが不可能になりました。それでも、再出走した2日目にはそれなりの走りで3番手タイムを連発することができたので、来シーズンに繋げることができたと思います」


■JN-5クラス SS6リタイア/Rina Ito

「ラリー初日はドライに近い状態の路面だったらいいなと思ってタイヤを選択したけど、実際には予想よりも雨量が多く、タイヤ選択を間違えてしまったという感じでした。SS6は、ゴール手前の緩い左コーナーで少しハイドロ気味になったところでブレーキを踏んでしまったので、タイヤがロックしたんだと思います。リカバリーできなかったのが悔しいですね。今シーズンの全日本ラリーにはスポットで4戦しか出ていなくて、そのなかで開幕戦の三河湾以外はトラブル続きで結果を残すことができていなかったので、最終戦は最後まで走り切りたかったんですけど、うまくまとめることができなかったのが残念です」


自信をつかんだハイランドマスターズ

今シーズンは、開幕戦三河湾で2位、第2戦唐津優勝。第3戦久万高原2位と好調なスタートを切った河本拓哉。第6戦カムイを終えてシリーズチャンピオンの可能性が残っていたものの、チームの「今の河本のままでは、ラリー北海道でクルマを壊す可能性の方が高い」という判断で第7戦ラリー北海道をスキップ。「クルマを壊してしまうと、残りのラリーに影響が出てしまう。まだ年齢が若くラリーの経験が浅い河本は、得意なラリーで自信をつけることも大切」というチームの親心からの判断でした。

第7戦ラリー北海道をスキップした分、「しっかりとターマック仕様にセッティングを煮詰めて挑みました」という第8戦ハイランドマスターズは、無念のリタイアという結果に終わりましたが、レグ2では3番手相当のタイムを連発し、自信を取り戻したラリーとなりました。

「2023年の第4戦久万高原で全日本初優勝を獲得することができたのですが、その時は上位陣のリタイアもあり、正直自分でも棚ぼたの優勝だなぁと思ったんです。実際に、次の第5戦丹後や第6戦カムイでは、優勝争いにまったく絡むことができませんでしたから」と、昨年を振り返る河本。だからこそ、「最終戦のハイランドマスターズは、最後まで上位陣と勝負することができました。結果は3位だったんですけど、速さでは上位陣と互角の勝負ができると思いました」と河本。ハイランドマスターズの印象を「うまく表現できないんですけど、道の広さやアップダウンの勾配が自分のフィーリングに合っていて、すごくラリーっぽいというか、リズム良く攻めて走ることができるんです」と言う河本にとって、ハイランドマスターズは2連覇を飾った久万高原と同じく、「好きなラリーのひとつ」ということです。

「僕はもともとFF車が好きで、そのなかでもデミオ15MBはコントローラブルで乗りやすいクルマだったんですけど、来年は自分自身のスキルアップを含め、FRのロードスターで出場しようと計画を練っています」という河本。まだ準備段階というが、JN-5クラスでは唯一となるFR車でどんな活躍をみせてくれるのか、来年もJN-5クラスは注目のクラスとなりそうです。


Text&Photo by CINQ LLC

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