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日本国内レース

  • 2024/05/16
  • JGC

JGC Rd.3 PN2松尾遙が全日本デビューウィン

2024年JAF全日本ジムカーナ選手権第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」が、5月11日(土)〜12日(金)に広島県広島市北部のスポーツランドTAMADAで開催されました。第1ヒートから雨に見舞われたPN2クラスでは、九州の松尾遙(ロードスター)が第1ヒートのタイムで逃げ切り、全日本初出場で初優勝を飾りました。また、PN3クラスではロードスターRFで2連勝中の大多和健人が2位に入賞。BC2クラスでも若手の飯野哲平(RX-7)が、第2ヒートの巻き返しで2位表彰台を獲得しました。


3月中旬にダブルヘッダーとして第1戦&第2戦が開催された今シーズンのJAF全日本ジムカーナ選手権は、舞台を広島県広島市郊外のスポーツランドTAMADAに移し、第3戦が開催されました。「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」と冠名されたこの大会には、昨年のパイクスピークヒルクライムに参戦し、34年ぶりにロータリーエンジン搭載車の世界記録更新を達成した4ローターエンジン搭載のMAZDA3/BULLETと、公道実証実験車のMAZDA CX-60 Biofuel Vehicleを展示。会場を訪れた観客の注目を集めました。

11日(土)に行われた公開練習は、好天に恵まれドライコンディションの中で行われましたが、決勝日の12日(日)は早朝から雨模様。時折、雨足が強くなったり霧が発生したりと、終日ウェットコンディションの中で戦われることとなりました。

エントリー台数は、併催された選手権外クラスを含めて142台。そのうち、選手権クラスのPE2クラスに4台、PN1クラスに1台、PN2クラスに21台、PN3クラスに7台、BC2クラスに6台の計39台のマツダ車が出場しています。

コースレイアウトは、ターンセクションを極力少なくして島周りを主体としたコースジムカーナ的なレイアウト。第2ヒートにはコース内に水たまりができる区間もあり、ほとんどのクラスが第1ヒートのタイムが決勝タイムとなりましたが、そのなかでコンディションが悪化した第2ヒートでタイムアップするドライバーも少なくありませんでした。

出場する21台すべてがロードスターで構成されているPN2クラスは、今回が全日本デビュー戦となる九州の松尾遙が1分10秒482の好タイムでゴールします。クラス2番目に走行したこの松尾のタイムを更新する選手がなかなか現れないなか、地元中国地区で活躍する宮川弘基が、中間地点で松尾のタイムを0.375秒上まわってくるものの、後半セクションで遅れ松尾と0.497秒差の2番手でゴール。その後、2022年チャンピオンの小林規敏が宮川のタイムを上まわってきますが、松尾のタイムには0.366秒届かず2番手。雨が強くなった第2ヒートは上位陣が軒並みタイムダウンに終わり、松尾が全日本デビューウィンを飾る結果となりました。

その他、PE2クラスでは第1ヒートはパイロンタッチに終わった河本晃一(ロードスターRF)が、コンディションが悪くなった第2ヒートでタイムアップを果たしクラス3位に入賞。PN3クラス2連勝中の大多和健人(ロードスターRF)は、中間地点で7番手と出遅れながらも、後半セクションで巻き返してクラス2位に入賞しました。また、第1ヒートはクラス3番手だったBC2クラスの飯野哲平(RX-7)は、第2ヒートでタイムアップを果たし、全日本では自己最高位となるクラス2位に入賞を果たしました。


PN2クラス優勝/松尾遙コメント

「第1ヒートをスタートした時点からタイヤのグリップを感じ、今日は行ける!と思いました。前日の公開練習はドライ路面でしたが、ウエット路面を想定して走っていて、決勝もそのイメージで走ったら、自分もビックリするようなタイムが出ました(笑)。憧れの選手たちを抑えて勝つことができたのは感無量ですし、自分の自信にも繋がります。九州の地区戦もチャンピオンを目指して頑張ります」


PN2クラス2位/小林規敏コメント

「コースの一部に思ったより水が溜まっていて、その区間で横に滑って流れてしまい、挙動を抑えるに必死でした。コースに留まるだけで大変でしたね。厳しいコンディションの中では良い方向に向かっていると思いますが、そのなかでもう少しタイムを出したかったなと思います」


PN2クラス3位/宮川弘基コメント

「今まで全日本では気持ちが舞い上がってしまい、コーナーに突っ込みすぎて自分の走りができない場面もあったのですが、今日は自分を客観的に見て冷静に走ることを心掛け、それが再現できたかなと思います」


PE2クラス3位/河本晃一コメント

「第1ヒートは霧が濃く、マージンを取ったはずのパイロンに触ってしまいました。第2ヒートは第1ヒートよりもコンディションが悪く、表彰台は無理かなと思ったのですが、実際に走るとTAMADAのコースはロードスターRFとの相性が良く、なんとか巻き返しを図ることができました」


PN3クラス2位/大多和健人コメント

「第1ヒートは左足ブレーキを使うとオーバーステアが出たので、第2ヒートは右足ブレーキに切り替えて、第2ヒートのタイムだけでみるとトップでしたが、第1ヒートのタイムを更新することはできませんでした。川北選手やユウ選手よりも上位でゴールすることが大事だったので、優勝は逃しましたが、そういった面では良かったと思います」


BC2クラス2位/飯野哲平コメント

「第1ヒートは慎重になりすぎました。思ったよりタイヤの食いつきが良かったので、第2ヒートは思いっ切り攻めました。昨年、一度3位表彰台に立てた時(2003年第7戦SUGO)は、上位の選手にパイロンタッチがあって、トップの選手とはタイム差があったのですが、今回はトップの選手とコンマ差の勝負ができたので、自信にも繋がります。ドライ路面でも上位陣と互角に戦えるよう、これからも頑張ります」


RX-7とともに歩む

2007年、当時27歳の時にジムカーナを始め、2010年から全日本ジムカーナ選手権に出場する藤井雅裕。マツダの社員でもある藤井は、2013年からはデミオでPN1クラスに出場し、2016年からはRX-7で当時の改造車クラスであるSCクラスに出場し、現在に至ります。

「もともと走ることが好きだったのですが、会社(マツダ)に入社した同期と『どっちが速いか、競おうぜ』と始めたのが、ジムカーナです(笑)」と藤井。

「本格的に(全日本に)参戦するようになったのは、デミオに乗ってからです。3年間、シリーズを追いかけて全日本のことがだんだん分かってきたので、改造車のRX-7を作って改造車クラスのSCクラスに出場しました」という藤井は、2022年のJG2クラスでシリーズ3位を獲得。昨年のBC2クラスでもシリーズ3位を獲得し、全日本チャンピオンまであと一歩のところまで近付いてきています。

「2016年にRX-7に初めて乗った時は、パワーがあった方が良いと思ってシングルのビッグタービンに変更しました。パワーは凄かったんですが、ジムカーナはターンなど低回転域でのレスポンスも大事なので、2017年からは改造クラスではなくナンバー付き車両のSA2クラスに移り、純正のシーケンシャルツインターボでセッティングを進めました」という藤井は、2019年にSA2クラスで全日本初優勝を獲得。2021年には、ふたたびRX-7を改造車クラスのSC車両に改造を施し、当時のJG2クラス(現在のBC2クラス)に復活を果たします。

「今回の仕様はシングルタービンではなく、純正のシーケンシャルツインターボのユニットをそのまま活かしています。パワーはもちろんですが、レスポンスも大事なんです」という藤井は、今シーズンの開幕に合わせてインタークーラーをより冷えやすくするために、搭載位置を当初の位置から走行風がより当たりやすい場所にオフセットして装着しています」とのことです。小さな変更ではありますが、これまでの経験とノウハウの蓄積から導き出したアップデートでもあります。

藤井のホームコースともいえるスポーツランドTAMADAで迎えた第3戦は、第1ヒートでパイロンタッチ、第2ヒートは「路面を読み違えてしまいました」とクラッシュしてしまう厳しい結果に終わりましたが、「まだまだシリーズは始まったばかりなので、今回の経験を反省に活かし、BC2クラスの上位2台に勝てるように頑張ります」と藤井。「RX-7のトップは譲らない」という自負をもち、今以上にBC2クラスの優勝戦線に加わっていけるよう、進化を続けます。



Text&Photo by CINQ LLC
PE2クラスを中心に紹介した動画です

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