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日本国内レース

  • 2024/09/12
  • JGC

JGC Rd.10 PN2小林が今シーズン2勝目、PN3ユウは3勝目を獲得

2024年全日本ジムカーナ選手権最終戦第10戦「スーパースラローム IN 久万高原」が、9月7日(土)〜8日(日)に愛媛県上浮穴郡久万高原町郊外のハイランドパークみかわジムカーナコースで開催されました。


全クラス合わせて90台がエントリーした今大会には、PE2クラスに3台、PN2クラスに9台、PN3クラスに6台、BC2クラスに2台の計20台のマツダ車がエントリーしています。そのなか、今シーズンのPN2クラスチャンピオンを獲得したSHUNが、体調不良により欠場。19台のマツダ車が、各クラスで上位を争いました。

決勝コースレイアウトは、パイロンセクションはもちろん、短いストレート区間も常にクルマの左右にGがかかった状態となるうえに、コース全体に傾斜があるため、攻略が難しいコースのひとつと言われています。また、普段は駐車場として使われているために路面の一部には砂があり、土曜日の公開練習から日曜日の決勝第2ヒートにかけてグリップ感が異なるセクションがあるなど、最後まで気の抜けないコースとなりました。


2輪駆動のAT車両が出場するPE2クラスは、第1ヒートで河本晃一(ロードスターRF)が2番手タイムをマークし、第2ヒートで逆転を狙いますが、前半セクションのタイムが伸びず、わずかにタイムダウン。それでも第1ヒートのタイムで2位に入賞し、シリーズランキング3位で今シーズンの戦いを終えました。


ロードスターワンメイク状態のPN2クラスは、第1ヒートの後半セクションでタイムを伸ばした小林規敏が、小野圭一がマークしたベストタイムを0.13秒更新し、トップに立ちます。気温が30度付近まで上昇した第2ヒートは路面温度が50度付近まで上がったこともあり、両者ともタイムダウン。第1ヒートのタイムで逃げ切った小林が第5戦スナガワ以来となる今季2勝目を獲得。2位に入賞した小野は、シリーズランキングをひとつ上げ、4位で今シーズンを終えました。3位には、今季3回目の表彰台獲得となる古田公保が入賞しました。


第9戦SUGOでロードスターRFの大多和健人(ロードスターRF)が自身初となる全日本チャンピオンを獲得したPN3クラスは、第1ヒートで野島孝宏(ロードスターRF)がベストタイムをたたき出し、トップで第2ヒートを迎えます。その第2ヒートで野島は再びベストタイムを更新してきますが、第1ヒート2番手のユウ(ロードスターRF)が野島のタイムを0.315秒上まわるベストタイムをマーク。第2ヒートの逆転劇で、ユウが今季4勝目を獲得しました。第1ヒートでパイロンタッチのペナルティが加算され、クラス9番手の大多和が第2ヒートで2位に飛び込んできますが、再車検の結果、装着したタイヤがわずかにフェンダーからはみ出ていたという判定を受け、失格の裁定に。3位の野島、4位の川北忠(ロードスターRF)がそれぞれ2位、3位に繰り上がり、今シーズンの最終戦もロードスターRFが表彰台上位を独占しました。


BC-2クラスは、若手の飯野哲平(RX-7)が第1ヒートの2番手につけますが、第2ヒートはパイロンタッチのペナルティが加算され、タイムアップならず。第1ヒートから一気に1秒近くタイムを上げてきた藤井雅裕(RX-7)が2位、第1ヒートのパイロンペナルティを第2ヒートでリカバリーした野本栄次(RX-7)が3位入賞を果たしました。


■PE2クラス2位/河本晃一コメント

「終盤戦は三つ巴の戦いとなって、自分自身にもチャンピオンの可能性がありましたが、3台体制のチームとして参戦した1年だったので、まずはチームメイトがチャンピオンを獲得したことが一番うれしいです。昨夜も、チーム全体で決勝に向けて自分たちの走りを何度も見返して、あとコンマ1秒どこで削れるかという可能性をひたすら追い求めていたことが、結果に結びついたと思います」


■PN2クラス優勝/小林規敏コメント

「公開練習の時から前半区間は路面とタイヤがうまくマッチしていなかったんですけど、逆に後半区間は路面とタイヤがマッチしていたので、決勝でもうまく攻め方を組み立てることができたと思います。後半で頑張るというよりも、前半区間でうまくタイヤを転がすことができました」


■PN2クラス2位/小野圭一コメント

「今シーズンは、クルマもドライバーも不調だった1年でした。来年に向けた課題としては、第1ヒートの精度を上げること。今日も、第1ヒートは自己採点で80点くらい。良いところも悪いところも出てしまったという感じですね。来シーズンに向けて、頑張ります」


■PN2クラス3位/古田公保コメント

「昨日の公開練習から調子が良く、決勝は優勝争いに絡んでいきたいなと思っていたんですけど、第1ヒートは路面が砂っぽく感じて、ライバルに遅れをとってしまいました。それでも表彰台に登ることができたので、来年に向けてシーズンオフにクルマをいろいろとメンテナンスしていきたいと思います」


■PN3クラス優勝/ユウコメント

「上位4台のロードスターRFがみんな仕上がってきて、誰が勝ってもおかしくない展開だったので、そこで勝てたのは良かったと思います。自分の走りとしては完璧ではなく、特に今回はターンの精度が低かったのですが、なんとか絞り出して優勝できたという感じです」


■PN3クラス2位/野島孝宏コメント

「第2ヒートもタイムアップしたんですけどねぇ。ちょっと悔しいですね。クルマは第7戦のIOXから調子が良くなってきたんですけど、来年に向けてもう少し頑張らなきゃダメですね」


■PN3クラス3位/川北忠コメント

「コース全体の走りを、最後までうまくまとめ切ることができませんでした。ちょっとしたミスがこういう結果(暫定結果の時点では4位)になってしまうのがこのクラスの面白さでもあり難しさでもあるんですけど、そのなかで今シーズンは未勝利という結果に終わったので、自分の走りを見直していきたいと思います」


■BC2クラス2位/藤井雅裕コメント

「タイヤと路面のマッチングは良かったんですけど、第1ヒートはスライド量が多かったので、第2ヒートはうまく修正できたと思います。ただ、抑えて走っているだけではさらに上のタイムは狙えないので、来年はもうワンステップ、上の走りができるように頑張ります」


精神的に進化を遂げた2024年

もともと改造範囲が広いSAクラスの車両で中国地区の地方選手権を中心にジムカーナに参戦していた中田匠は、2023年にロードスターに乗り換え、全日本ジムカーナ選手権のPN2クラスにシリーズ参戦を開始しました。その年は、4位に3回入賞した中田でしたが、3位以内の表彰台は近くて遠い存在でもありました。

その中田が、今シーズンは開幕戦のもてぎでいきなり3位表彰台を獲得。毎戦、ウイナーが変わるとも言われている激戦&接戦が続くPN2クラスのなかで、第4戦名阪ではついに全日本初優勝を掴み取ります。その後も数戦で表彰台に登る活躍をみせた中田は、最終戦を終えて優勝1回、2位1回、3位2回、5位3回、6位2回という成績を残し、シリーズ5位に入賞しました。

2024年は大きな飛躍の年となった中田に、今シーズンを振り返ってもらいました。

「シーズン前には、PN車両に乗り換えて2年目ということもあり、なんとか表彰台に登りたいなという目標がありました。その目標をいきなり開幕戦のもてぎで達成することができ、次は優勝だなとどんどん目標が高くなっていきました」と中田。今年の開幕戦では、「優勝争いに加わることができる力がついてきた」と実感した中田は、それまではいかに安定して上位に入賞することが一番の目標でしたが、優勝することを目的に練習方法やメンタル面など、ワンランク上を目指すことを目標に、シリーズを追い続けました。

「特に今年はメンタル面での成長が大きかったと思います。昨年までは本当に必死で、常に100%を求めてがむしゃらに走っていたのですが、優勝を狙いにいくのであれば、冷静な部分も持っていなければいけないなと感じ始めて、走る前のルーティーンとか心を落ち着ける時間だとか、そういったことを意識するようになったら、名阪で優勝することができました」と中田。技術面はもちろん、精神面での成長が、今シーズンの成績に結びついたということです。

「名阪で勝ったあとに、クルマのセットアップや練習方法など、方向性が間違っていなかったんだという自信がついて、逆にこれまで自分がやってきたことに対して、何かを大きく変える必要はないんだと思いました」と中田。ライバルの動向は気にせず、自分が突き進んできた道に確信を持てるようになった中田は、来シーズンに向けてもうひとつ高い壁に挑戦します。

「自分のスタイルはスタイルとして確立し、逆にライバルの良いところは自分のスタイルに取り入れていこうと思っています。それはライバルの動向を気にしたり影響されたりするということではなく、自分が良いと思ったことは自分の判断で取り入れていこうということです。来年は、今年よりもさらに勝負できる年にしていきたいですね」と中田。2025年は、チャンピオン争いに向けて貪欲に挑戦していきます。



Text&Photo by CINQ LLC

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