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  • 2020/08/07
  • OTHER(日本)

富士チャンRSCが開幕。RFに乗り換えた山崎が堂々のオーバーオールWIN!

NAからNDまでの全世代が集結する富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)のロードスターカップ(RSC)が、8月2日にようやく開幕しました。総合優勝は2.0オープンクラスの5号車・山崎善健で、マシンはNDのRF。RSCでNDシリーズが初めてトップチェッカーを受けるという快挙を達成しました。また1.5チャレンジクラスの中村進は、初めてのシングルフィニッシュが優勝という大仕事に拍手喝采です。

自転車のオリンピック競技会場となったため、今年の富士チャンは当初から規模を全3戦(従来は4戦)に縮小する予定でした。そこにコロナの影響が追い打ちとなり、開催が危ぶまれていましたが、皮肉なことに1年延期されたオリンピック期間を利用することでスケジュールが再編成されました。開幕戦のエントリーは5クラス合計で25台。残念ながら1.5オープンクラスは不成立となりました。

この日の富士は終日曇りがちで、8月としては過ごしやすい気候でした。9時30分から20分間で行われた公式予選では、山崎が唯一の2分10秒149で初めての総合ポールポジションをゲット。同じ2.0オープンクラスの前年王者、77号車の長岡哲也が2分11秒418で続きます。3番グリッド以降は1.8クラス勢で、35号車の松波太郎と88号車の山田健介が2列目に並びます。以下、1.6クラスは8番グリッドの53号車・水野寿通が最上位。さらに2.0チャレンジクラスは総合10位の8号車・菊池聡、最多の11台で争う1.5チャレンジクラスは総合15位の41号車・佐藤朱伊が、それぞれのクラスのトップで決勝に進みます。

12時54分から8周で争われた決勝では、スタートで山崎がクラッチミートに失敗して3番手に後退します。それでもダンロップの進入で松波をかわし、最終コーナーでは長岡をロックオン。コントロールラインまでには先頭に復帰して、早くもリードを広げていきます。さらにスタートでは2台が大きく出遅れます。4番グリッドの山田と、1.5チャレンジクラスのトップだった佐藤で、とくにこの日が初レースだった佐藤はオープニングラップでクラス8位まで急降下。ところがこのルーキー、ここから反撃を開始します。
次のドラマは1.8クラスのトップ争いが激しくなった、4周目の1コーナー進入で発生しました。5番グリッドからスタートした91号車の神谷誠が3周目にこの集団の先頭に立ち、抜き返そうとした松波がアウト側に並びかけたところに、6番グリッドから追走してきた2号車・渡邉達也が割って入ろうとしますが、そこでブレーキをロック。ヒットされた松波はすぐにコースに復帰して神谷を追いかけますが、渡邉のマシンにはダメージが残って順位を落とします(レーシングアクシデントの判定でペナルティはなし)。
このレース最大のトピックは6周目、1.5チャレンジクラスの大逆転に尽きるでしょう。前述の佐藤が脱落したことで、予選では2番手と3番手だった118号車・中嶋鷹と14号車の小倉徹がトップ集団を形成。これを予選4番手の38号車・中村進は少し離れて追走していましたが、「予選で6周目からタイヤが急に厳しくなったの で、5周目までは我慢していました」と語るように、ここからスイッチを入れてプッシュを開始。100Rで小倉を、ヘアピンでは中嶋に並べかけるようにして、一気に2台をパッシング。鮮やかでした。

1.5チャレンジクラスの争いはまだ続きます。予選ではクラス7番手に沈んだ28号車の立河元基と、一時はクラス8位まで順位を落とした佐藤が、バトルをしつつ徐々に前方との差を詰めていきます。その勢いで、この2台は中村に続いて中嶋と小倉を抜き去って表彰台圏内まで浮上。チェッカーの時には中村と立河は0.049秒差、立河と佐藤も0.380秒差という際どい勝負になりました。以下、4位の中嶋と5位の小倉までが規定により入賞です。中村から小倉まででも1.901秒という接戦につき、第2戦以降も目が離せません。
中村は「パーティレースの岡山と富士に参戦して3年目ですが、今までは10位が最高でした。ずっとひとりですが、今回初めて積載車を手配して、雨用のタイヤも積んで準備しました。トップになって2周ぐらい、全身に鳥肌が立ちました。一生忘れられない日になりました」と笑顔で振り返りました。

すでにお伝えした通り、山崎は堂々のトップチェッカー。一昨年に1.5チャレンジクラスでチャンピオンに輝いた実力者ですが、じつは今までの最高成績は2位。今年からRFに乗り換えて2.0オープンクラスに移籍して、嬉しい初優勝が総合優勝となりました。なお2.0オープンクラスは出走2台のため、前年王者でNCに乗る長岡は総合2位でチェッカーを受けましたが、規定によりノーポイントとなります。 山崎は「コロナで悶々としていた気分を変えようと、RFにしました。車高調以外はノーマルですが、ジョイファストがバッチリ決めてくれました。これで、やっとシルバーコレクターを卒業できますね」と嬉しそうでした。

総合3番手でゴールしたのは1.8クラスの神谷で、昨年の第3戦以来の優勝です。続いて今日は不運だった松波がクラス2位、さらに3位に12号車の植松公彦、4位に出遅れが悔やまれる山田が入り、ここまでが入賞です。予選で松波に続くクラス2番手タイムを出しながら、走路外走行などで5グリッド下げられた植松は、決勝では挽回に成功しました。このクラスは前年王者の777号車やかつて無敵を誇った11号車などが今回欠場しているため、第2戦以降も何が起きるかわかりません。 神谷は「皆さん同じみたいですが、新しいタイヤの使い方がまだわからないですね。3戦しかないシーズンに幸先よく優勝できたので、初めてのチャンピオンを目指します」と決意を語りました。

出走3台だった1.6クラスは予選順位のまま決着。規定により水野のみが入賞してポイントをゲットしたのは大きなアドバンテージです。また2.0チャレンジクラスも順当に菊池が逃げ切って優勝を果たし、ここも出走2台のため菊池のみが入賞となります。 水野は「突っ込み勝負の予選は得意なんですが、決勝まで勢いが持たなくて、やっと2勝目です。せっかく勝てたので、残りも都合をつけて参戦したいです」とコメントしました。また菊池は「NCは今年限りの予定なので、有終の美を狙っていますが、シリーズが成立することを願っています」と、ライバルが少ないことを心配していました。



富士チャンのRSCは第2戦が10月10日、最終の第3戦が11月14日のいずれも土曜日に開催される予定です。



富士チャンピオンレース

Photos and Text by T.Ishida

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