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日本国内レース

  • 2024/06/05
  • JGC

JGC Rd.4 PN2クラスの中田匠が全日本初優勝

2024年JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦「ALL JAPAN GYMKHANA in 名阪 まほろば決戦」が、6月1日(土)〜2日(日)に奈良県の名阪スポーツランド・Cコースで開催されました。いつ雨が降り出すか分からない天候のなか、PN2クラスでは全日本シリーズ参戦2年目を迎えた中田匠が、第2ヒートの逆転劇で全日本初優勝を獲得。PN3クラスでは第1戦と第2戦を制した大多和健人が今季3勝目を挙げ、シリーズチャンピオン争いを大きくリードしました。


第3戦TAMADAラウンドから3週間のインターバルで開催された第4戦名阪ラウンドは、全クラス合わせて147台がエントリー。そのうちマツダ車は、PE2クラスに4台、PN1クラスに1台、PN2クラスに18台、PN3クラスに7台、BC2クラスに4台の計34台が出場しています。

6月1日(土)行われた公開練習は好天に恵まれ、最高気温が27度を超える初夏を思わせるドライコンディションのなかで行われましたが、決勝ヒートが行われる翌日の6月2日(日)は、朝の最低気温こそ前日よりも2度ほど高い16度だったものの、今にも雨が降り出しそうな雲が空を覆い、あまり気温が上がらないコンディションとなりました。また、この日の近畿地方は、ゲリラ豪雨的な小さくても勢力がある雨雲が次から次と現れ、天気予報では雨が降るとされてはいるものの、どの時点でどのくらいの量が降るのか、判断が難しい状況となっていました。多くの選手は午後から雨が降ると判断し、午前中の第1ヒート勝負になることを予想、実際に第1ヒートのBC2クラス後半から強い雨が一気に降り、路面はヘビーウエットコンディションとなりましたが、第2ヒートが始まるまでに雨はやみ、前半ゼッケンのクラスはハーフウエットコンディションとなったために第1ヒートのタイムが決勝タイム、中盤から後半ゼッケンのクラスにかけては路面がドライコンディションに変わったため、第2ヒートの逆転劇が各クラスで展開されました。


コースレイアウトは、雨を予想してハイスピードの外周区間をカットしたウエットコースを採用。180°や270°などのパイロンターンも一切設定しないシンプルなレイアウトとなったため、クラスによっては0.1秒どころか0.01秒を競うシビアな戦いが展開されました。

ATモデルのロードスターRFが出場しているPE2クラスでは、第1ヒートのタイムで逃げ切った河本晃一が今季初優勝を獲得。3位にもロードスターRFの有田光徳が入賞し、2台のロードスターRFが表彰台に並びました。


事実上のロードスターワンメイク状態となっているPN2クラスは、「午後から雨が降ると予想しているので、第1ヒートから勝負をかけました」という古田公保が第1ヒートのトップタイムをマーク。路面が急速に乾き始めた第2ヒートも、古田が第1ヒートでマークしたベストタイムが更新されず、その古田も脱輪ペナルティでベストタイムを更新できない状況が続くなか、第1ヒートは0.45秒差で2番手だった中田匠がベストタイムを更新してトップに浮上。第1ヒートは7番手に沈んだ小野圭一も、第2ヒートでタイムを上げてきますが、2番手にポジションを下げた古田を捉え切れず3番手。ダブルヘッダーで開催された第1戦と第2戦を連勝で飾ったSHUNも5番手に終わり、全日本シリーズ参戦2年目となる中田が、待望の全日本初優勝を獲得しました。


第1ヒートは1分11秒台の戦いとなり、1秒のなかに8名のドライバーがひしめき合う激戦区となったPN3クラスは、第2ヒートに入ってもクラス前半から中盤にかけて、1分11秒台の攻防戦が展開されます。そのなか、第1ヒートでトップタイムを奪った川北忠選手(ロードスターRF)が1分10秒台に突入し、ベストタイムを更新。これで勝負あったかと思われましたが、第1ヒートは0.018秒差で2番手だった大多和健人(ロードスターRF)が、後半セクションでタイムを伸ばし、川北選手がマークしたベストタイムを更新してきます。クラス最終走者のユウ(ロードスターRF)も1分11秒台にタイムを乗せてきますが、大多和と川北に届かず3番手。第2ヒートの逆転劇で、大多和が今季3勝目を獲得しました。また、2位の川北、3位のユウに続き野島孝宏が4位に入賞し、ロードスターRFが1位から4位までの上位を独占する結果となりました。


その他、BC2クラスでは第1ヒートで前走車のアクシデントにより再出走となった藤井雅裕(RX-7)が、再出走の待機中に突然の豪雨に見舞われ大きくタイムダウン。しかし、ドライコンディションとなった第2ヒートで大きくタイムを伸ばし、3位に入賞を果たしました。


PE2クラス優勝/河本晃一コメント

「今回はどうしても優勝したかったので、自分で自分のことを褒めてあげたいです(笑)。これまで長いことジムカーナをやっていますが、僕のジムカーナ人生でトップ3に入るくらい、会心の走りができました」


PE2クラス3位/有田光徳コメント

「第2ヒートはウエットコンディションになることを予想したので、第1ヒート勝負だと思って集中して攻めました。第2ヒートはドライになればさらに攻めようと思いましたが、クルマのマイナートラブルもあり攻めきれませんでしたね」


PN2クラス優勝/中田匠コメント

「第1ヒートから感触が良かったんですけど少しミスもあったので、第2ヒートは集中して精度を上げるドライビングを心がけました。第2ヒートをスタートした瞬間、タイヤが効いている感覚があったので、イケると思いました。全日本をシリーズで追うのは2年目ですが、やはり優勝はうれしいですね」


PN2クラス2位/古田公保コメント

「第2ヒートはウエットになると予想して、第1ヒート勝負でトップを獲ることができたんですけど、まさか第2ヒートがドライになるとは思いもよりませんでした。第1ヒートで勝ったと思っていましたから(笑)。気持ちを切り替えて走ったんですけど、気持ちが入りすぎて攻めすぎてしまいましたね」


PN2クラス3位/小野圭一コメント

「第1ヒートと第2ヒートでスプリングのセットアップに悩みましたが、今シーズンはドライバー的にも問題が多いシーズンだったので、気持ちで走ろうと目一杯攻めました。クルマを壊さずゴールできて良かったです(笑)」


PN3クラス優勝/大多和健人コメント

「前半区間でアンダーが出てしまい、やらかしてしまったと思ったんですけど、あとはもう行くしかないので、逆に切り替えられて良かったと思います」


PN3クラス2位/川北忠コメント

「第1ヒートも第2ヒートもわりと良い感じで行けたんですけど、少し届かず残念ですね。自分の走りを出し切ることはできましたが、まだ細かい修正が多いので、その部分が足りなかったんでしょうね」


PN3クラス3位/ユウコメント

「今シーズンは、なにが良くてなにが悪いかという自分の判断基準が少しおかしくなっていて、毎戦『これで大丈夫だろう』と仕上げてきたつもりで走っているんですけど、結果に結び付かない状況が続いています。クルマの仕上がりは良いので、ドライバーの問題と思うんですが、一度昨年の状態に戻し、リセットして次戦のスナガワに挑もうと思います」


BC2クラス3位/藤井雅裕コメント

「第1ヒートの雨は想定外でしたけど、そのなかでも少しでもポイントを獲ろうと、ウエット路面ですが頑張って9番手のタイムを出すことができました。第1ヒートを集中して走ったことが良かったのか、ドライの第2ヒートは気持ち良く走ることができました」



ジムカーナの楽しさを伝えたい

今シーズン、PE2クラスで注目を集めている「チャレンジPE2プログラム」。2ペダル(AT車)ジムカーナの普及、次世代ドライバーの発掘と育成、これまであまりジムカーナには縁がなかった一般のファンも楽しめるコンテンツの配信を目的に、河本晃一、有田光徳、高屋隆一の3人のベテランドライバーがルーキードライバーたちをサポートするこのプロジェクトは、3人の女性ドライバーが全日本ジムカーナに参戦し、活躍しています。


そのなかで、今大会のPE2クラスで優勝した河本晃一とロードスターRFでダブルエントリーしているのが、今回紹介する吉川萌衣です。

大学の自動車部に所属し、現在も大学生活を送る吉川は、「自動車部での活動は昨年まででしたが、団体戦に出場する機会が多く、個人としてはまだやり切っていないという思いが残っていた時にこのプロジェクトのお話をいただきました。最初は自分でいいのかなという思いもありましたが、ジムカーナファンを増やしたいという趣旨に賛同しましたし、自分でも新たにチャレンジしていきたいという気持ちになりました」と、プロジェクトへの参加を決意しました。

「マスタードライバー(河本)と同じクルマでダブルエントリーして、走行映像やインカー映像、ロガーなどで比較するので、自分のどこが遅いのかが直接的に分かるし、河本さん以外のマスタードライバー(有田、高屋)からもドライビングや走行ラインを教えていただけるので、自分でも1戦1戦成長することができていると思います」と吉川。この第4戦では6位に入賞を果たしました。

大学自動車部ではLSD付きのMT車に乗っていた吉川は、「オープンデフとATは自分でも初めての経験です。まだATの制御に自分のドライビングを合わせ切れず、ステアリングを切るタイミングとATの制御でシフトダウンするタイミングが今は運まかせみたいなところもあるんですが(笑)、そういったところもしっかりコントロールできるようにうまくなりたいです。ジムカーナは競技ですから、今よりもひとつでも上の順位に入れるように、これからも頑張ります」と、抱負を語ってくれました。

ロードスターRFの魅力を「動きがすごく軽い感じがします。軽快にクルマが動くし、エンジンパワーも十分。ジムカーナでは自分の行きたいところにクルマを持って行けるので、ドライビングが楽しいです」と語る吉川は、「いろいろなモータースポーツのなかで、ジムカーナはスタートからゴールまですべて見渡すことができるんです。走ることはもちろん、見ても楽しいのでぜひジムカーナ会場に足を運んでみてください」と、ジムカーナの魅力も伝えてくれました。


Text&Photo by CINQ LLC

PE2クラスの 紹介動画はこちら

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