MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2020/09/25

PRⅢ東日本NDシリーズは荒牧和敬が開幕2連勝。

9月20日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第2戦が開催。NDシリーズは63号車の荒牧和敬が開幕戦に続く2戦連続のポールtoウインを達成。NCシリーズは今季初参戦の86号車・井尻薫が圧勝劇を披露し、NDクラブマンは197号車の根本智文が優勝しました。



ようやく開幕した東日本シリーズは、わずか2週間のインターバルで第2戦を迎えました。サーキットの上空は雲に覆われていますが、遠くの筑波山もくっきり見えています。予選前の気温は21.2℃、湿度は91%、路面温度は24.7℃というコンディションです。

NCシリーズ13台とNDクラブマン15台が混走する第1レースの予選は8時40分から15分間で行われました。最大の注目は昨年のNCシリーズで全勝を誇った86号車の井尻薫。いつもは後からコースインする宮本武蔵流ですが、今日はライバルたちと一緒に列に並んで走り始めます。アタック1周目に1分9秒477を叩き出し、次の周に9秒193まで刻んで、早々にピットに戻ります。

開幕戦のウイナー、5号車の入江直は、1分9秒559で2番グリッドをゲット。さらに今年から参戦している44号車の藤貫直之、104号車の内海由多加、196号車の田口諭史と、ここまでが10秒を切って確定と思いきや、最後の最後に開幕戦3位の69号車・相澤康介が田口を逆転して5番手に滑り込みます。一昨年のチャンピオン、7号車の佐久間行雄と開幕戦のポールシッター、195号車の中島優太は、ふたりとも10秒の壁を破れず、4列目からのスタートになりました。

NCクラブマンは開幕戦で5位に入った197号車の根本智文が、アタック2周目に1分10秒877でトップに立ちますが、これを追うライバルたちが11秒を切ることができません。結局、開幕戦優勝の74号車・井上雅貴が1分11秒421、同じく開幕戦6位の29号車・岩田洋二が1分11秒476で続きます。さらに最終アタックで開幕戦2位の66号車・関裕が1分11秒648でクラス4番手に滑り込み、以下、57号車の鈴木良雄が予選5位、101号車の緒方克明が予選6位となりました。



NDシリーズ21台による第2レースの予選は9時から15分間で行われました。開幕戦同様、先頭でコースインした63号車の荒牧和敬が1分10秒040でリーダーボードの最上段に躍り出ます。ところが、アタック1周目に10秒台を出したのは、1号車の石谷豪志(10秒562)と28号車の南澤拓実(10秒889)のみ。今日のコンディションを見て、どうやら後半勝負に出た実力者もいる模様です。

その結果、予選2番手は開幕戦で5位に入賞した16号車の上田純司で、タイムは7周目に出した1分10秒301。さらに開幕戦3位の石谷がアタック2周目に出した1分10秒394、開幕戦4位の78号車・出来利弘が10周目の1分10秒529と続いて予選2列目が確定。さらに今回がデビュー戦の77号車・野島俊哉が1分10秒793を10周目にマークして予選5番手と健闘。14号車のOnodera Shoが1分10秒815を8周目に記録して続きます。

なお、現在4戦連続で2位入賞中の121号車・河村恭平はアタックに入った周の最終コーナーでまさかのコースアウト。結局1分11秒126で予選13位に沈みました。



予選終了後の筑波サーキットには雨が降りはじめ、路面は一時ウエットに変化。ところが午後になると雨が止んで、路面は再びドライに近づきます。

第1レースの決勝は前倒しとなる13時09分にスタートが切られました。ポールシッターの井尻は早くもリードを広げ、2周目には2位の入江に6.3秒という大差を付けます。さらにその後方、NCシリーズの3位以下では混乱が発生。6番グリッドだった田口がオープニングラップでいきなり3位に浮上。逆に7番グリッドだった佐久間はダンロップコーナー先でコースアウトして大きく出遅れます。

井尻が1周につき1秒以上のハイペースでリードを広げていく一方で、2位の入江から6位の中島までは約1.5秒の僅差に5台がひしめくダンゴ状態となり、とくに中島の動きが目立ちます。前をいく内海や田口、藤貫を一度とらえてから再び抜かれ、また抜き返してからは入江にターゲットを絞ります。そして10周目の最終コーナーで完全にロックオン。同タイムでの通過ですが11周目の1コーナーはインを奪うことに成功して、2位の座が入れ替わります。

一時は2位に約20秒もの大差を付けた井尻ですが、終盤の2周は前方に4台のバトル発見。リスクを回避するためにペースを落としますが、それでも悠々と逃げ切りに成功します。続いて中島と入江がNCシリーズの表彰台を獲得。以下、4位に内海、5位に藤貫、6位の田口までが入賞となりました。ただし、2位の中島から5位の藤貫までの4名は接触によりシリーズポイントが与えられません。このため、開幕戦を欠場した井尻にもチャンピオン獲得の可能性が大きく開けました。

井尻は「自分の側は明らかに濡れているのでスタートは不安で、フォーメーションでは思い切り温めました。次は初めてのダブルヘッダーなので、タイヤのライフなど色々考えて臨みます」とコメントしました。



第1レースで混走となったNDクラブマンは、クラストップの根本こそ順位を守りますが、2番手以降は大きく順位が入れ替わりました。オープニングラップはクラス4番手スタートの関が2位に、同じく6番手スタートの緒方が3位にジャンプアップ。ところが関は2周目に勢い余ってコースアウトしてマシンをヒット。ここで事実上の戦いを終えました。

予選クラス2番手だった開幕戦ウイナー、井上もこの2周目にクラス3番手まで順位を回復。ここからは、根本→緒方→井上という3台がクラブマンのトップを争う集団となり、4番手以降との差が急速に広がります。序盤は緒方の追撃に根本も防戦一方となりますが、中盤には逆に緒方の背後に井上が迫るシーンもあり、この3台は約1.5秒という僅差の中でバトルを展開しました。

少し離れた4位争いも熾烈でした。最後は42号車の小林浩暢が鈴木を0.472秒という僅差で振り切って先着。6位には今年からの参戦組である65号車の山崎栄二が嬉しい初入賞。今日がデビュー戦の102号車・鮎川一樹は惜しくも7位でしたが、8位の198号車・山口聡とは0.707秒差。バトルの楽しさを満喫したことは確実です。

根本は「序盤はNCがすぐ前を走っていて、路面状況がわかりやすかったのが勝因かもしれません。気がついたら緒方さんが後ろにいて、厳しくてもクリーンな戦いになりました。10年ぶりだし、NDでは初優勝なので嬉しいです」と振り返りました。

第2レースの決勝の前にも一時雨模様となり、競技長から幌を閉めてよしという通達がありました。しかしながらオープンにするのはOKで、少なくとも2台(77号車と28号車)は幌を開けた状態で、13時51分にスタート。いきなり大事件が発生します。最前列の荒牧と上田は順位をキープしますが、3番グリッドの石谷の出足が明らかに遅すぎます。なんとサイドブレーキをかけたまま1コーナーまで気づかずに走ってしまい、オープニングラップだけで20台以上に抜かれてしまいました。

予選4〜6位の出来、野島、Onoderaはそのまま順位をひとつずつ上げて帰ってきますが、予選8位の91号車・沢崎祐一は同7位の28号車・南澤拓実を抜いて6位に浮上します。南澤もすかさず反撃。2周目の第1コーナーで沢崎に並びかけ、第1ヘアピンまでに抜き返します。すると予選11番手だったルーキー、20号車の吉田隆ノ介まで追従。その後、南澤→吉田→沢崎という6位を争う3台のバトルが延々と続きます。

トップ争いの集団も、とくに上位3台は接戦でした。荒牧と上田の差は5周目までは1秒以内でしたが少しずつ開いていき、2秒差にまで広がったのは14周目。逆に上田と出来の差は中盤、0.3秒前後のテールtoノーズ状態が続いて、一触即発の緊張感が漂います。その後方で4位を争うデビュー戦の野島とOnoderaも激アツ。終盤はずっと0.2秒差というドッグファイトを展開します。

結局この順位は動かず、荒牧が開幕2連勝を達成します。上田と出来が表彰台を獲得し、4位の野島と5位のOnoderaも入賞となりました。そして先ほどの6位争いですが、吉田が14周目の最終コーナーでついに南澤をロックオン。ファイナルラップの1コーナー進入でインに飛び込むと、南澤は1台分のスペースを残してくれていました。初参戦の吉田ですが、じつはスーパー耐久やグローバルMX-5カップでの活躍で知られる吉田綜一郎の弟。予選では本人も不本意でしたが、決勝では見事な追い上げで6位入賞を果たしました。

荒牧は「上田さんも出来さんも速いので冷や汗ものでした。序盤は少し濡れていたので、無理だけはしないように言い聞かせていました。来月は富士の交流戦とここのダブルヘッダーが続くので、しっかり準備したいと思います」と語りました。



ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第3戦と最終の第4戦は、10月25日にダブルヘッダーでの開催を予定しています。またパーティレースの次の戦いは休む間もなく1週間後、9月27日に岡山国際サーキットで西日本シリーズの第3戦が行われます。



Text & Photos by B-sports

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ