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日本国内レース

  • 2022/09/14
  • JRC

全日本ラリー選手権第7戦 JN-6クラスの鷲尾俊一/鈴木隆司が12年ぶり優勝

9月9日(金)〜11日(日)に、北海道帯広市を拠点にJAF全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」が開催され、今年で72歳になる全日本ラリー最年長ドライバーの鷲尾俊一/鈴木隆司がJN-6クラスで12年ぶりとなる優勝を果たしました。同じくJN-6クラスでは還暦を越えた中西昌人/有川美知代が3位に入賞と、大ベテランドライバーたちが、国内でもっともハードでタフなラリーと言われているラリー北海道で活躍を見せました。


7月に開催されたJAF全日本ラリー選手権第6戦から約2カ月のインターバルを経て開催された第7戦「ラリー北海道」。FIAアジア・パシフィックラリー選手権など国内で開催される国際格式ラリーとして昨年20周年を迎えたこのラリーは、各種の記念イベントを開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、無観客試合とともにすべてのイベント開催を断念しました。今年は、あらためて「20th+1」のアニバーサリーイベントとして、3年ぶりに有観客で大会を開催するほか、帯広市の駅前通りを封鎖してラリーショーとセレモニアルスタートを開催。駅前通りでのセレモニアルスタートは、2004年から2007年まで十勝地方で開催されたWRCラリージャパン以来となります。このラリーショーとセレモニアルスタートには地元や各地から多くの観客が来場。各クルーに大きな声援が飛んでいました。


第6戦に続き、グラベルラリーとして開催されるラリーは、2日間にわたりSS総距離107.98km(10SS)で戦われます。エントリー台数は、国際部門に7台、全日本部門に49台、選手権外クラスのオープンクラスとオフロード車で戦われるXCRスプリントカップ北海道に12台の合計68台が出場。そのうち、マツダ車は4台のデミオが出場しています。

ターボ4WD車であれば最高速度が180km/hに迫る高速ステージや、20kmを超えるロングステージ、ギャップや深い轍などマシンにダメージを与えやすい荒れたステージなど、多彩なSSを誇るラリー北海道は、速さはもちろんのこと、最後までマシンを労りながら走る技術も求められるラリーとも言われています。さらに、2日間とも天候に恵まれた今年のラリー北海道は、ステージによっては前走車が巻き上げる猛烈な埃が舞うシーンも。特に、後半ゼッケンのJN-6クラスは、荒れた路面と視界をさえぎる埃にどう対処するかも、勝負に大きく影響する要素のひとつとなります。

そのなか、デミオでJN-6クラスに出場する鷲尾俊一/鈴木隆司は、初日のSS1からSS4までベストタイムを連発。序盤からライバル勢を大きくリードしていきます。サービス後のSS5はライバルに約15秒詰められますが、SS6でふたたびベストタイムをマーク。初日は7SS中6SSでベストを奪う走りで、2番手以降に15秒差以上のタイム差をつけ、初日を折り返しました。

2日目はライバルに詰め寄られるシーンもありましたが、高速ステージのSS9でこのラリー8回目となるベストタイムをマークした鷲尾は、そのまま後続を振り切りフィニッシュ。実に2010年以来12年ぶりとなる優勝を獲得しました。また、72歳での全日本ラリー優勝は、これまで2015年にRX-8で全日本ラリー優勝を果たした当時70歳だった松田保夫の記録を更新することとなりました。

 そのほか、JN-6クラスでは終始セッティングに悩み続けることとなった中西昌人/有川美知代が3位に入賞。JN-5クラスでは、1年ぶりの全日本ラリー出場となったRina Ito(いとうりな)がクラス8位で完走。デミオでOPENクラスに出場した山中健志郎/宇野祐哉も、タフでハードなラリーをクラス4位で完走を果たしました。


JN-6クラス優勝/鷲尾俊一コメント

「楽しんで走り切ることができました。前半で勝負を決めようと思い、最初の4本のSSをプッシュしたことが、勝因だったと思います。SS5は埃がすごくてマージンを取りましたが、その遅れもSS6と7で取り返すことができたのが、2日目に効きましたね。前の優勝がいつだったのか忘れるくらい久々の優勝だったので、できれば次のラリーも勝って今シーズンを締めくくりたいですね(笑)」


JN-6クラス3位/中西昌人コメント

「初日からセッティングに苦しめられましたが、まぁ十分楽しんで走ることができました。2日目にはセッティングも良くなってきて、まぁ今年のグラベルラリーは終わってしまいましたが、最後に足まわりの結果が出たって感じですね。来年に活かしたいと思います。鷲尾さんの勢いが止まらないかもしれませんが、最終戦もデミオ2台で頑張りたいと思います」


1年ぶりにラリーに復帰

2011年から全日本ラリー選手権にシリーズ参戦するRina Itoが、昨年の11月に開催されたハイランドマスターズ以来、1年ぶりに全日本ラリーへと帰ってきました。レースクィーンやモデルなどでモータースポーツと関わってきたRinaですが、今シーズンはKYOJO CUP やスーパー耐久シリーズに参戦するなどレースでの活動が多くなってきましたが、「私の原点はラリーなんです」と本人が語るように、ラリーに出場するチャンスをいつも探してきたといいます。今回は、Rinaが全日本ラリーにシリーズ参戦するきっかけとなった古巣のエムスポーツからの参戦。参加車両も、2011年から2015年まで乗り継いだデミオでの参戦となります。

「デミオは、クセがなくてすごく乗りやすいクルマなんです。運転が楽ですし、クルマが軽いのでブレーキもよく効く。デミオだと、恐怖心がなく踏んでいけるような気がして、これまでにもSSでベストタイムを獲ったり、トップドライバーとコンマ差で林道ステージを走ることができたりと、私にとっても大切なクルマの1台ですね」というRinaですが、1年ぶりのラリー、グラベルでは2019年以来3年ぶりとなる今回のラリーは、試練のラリーともなりました。

「グラベル林道には初日の後半になって少しずつ勘を取り戻すことができてきたんですけど、ブレーキの踏み方がすっかりサーキットのままで、すぐにロックしちゃうんです。ロックするので全然止まれない。全然止まれないから思い切ってアクセルを踏みきれない、そんなジレンマと戦っていました。私自身はグラベルを走るのは大好きなんですし、グラベルを走る準備も事前にしっかりと整えてきたつもりでしたが、まだまだ経験値が足りず、悔しい結果に終わりました。でも、完走できたことはプラスに考えて、またチャンスがあれば全日本に出場したいですね」というRina。来年のグラベルラリーでのリベンジに期待がかかります。


JAF全日本ラリー選手権最終戦となる第8戦「第49回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2022」は、10月14日(金)〜16日(日)にかけて、岐阜県高山市を拠点に開催されます。



Text & Photo by CINQ LLC

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