スーパー耐久、開幕戦富士24時間に向けて始動

2020/07/31

スーパー耐久、開幕戦富士24時間に向けて始動

7月30日(木)、富士スピードウェイにて本年のスーパー耐久開幕戦「富士24時間レース」(9月5日・6日)に向けた合同テストが行われ、ST-2クラスのアクセラSKY-D、ST-5クラスにはデミオSKY-D、マツダ2、ロードスターなど合計9台のマツダ車が集まり、チームメンバーはそれぞれ5ヶ月ぶりの再会を喜びました。

スーパー耐久シリーズは、2月26日に富士スピードウェイでテストセッションを行なって以来、開幕戦を予定していた3月の鈴鹿ラウンド、4月の菅生ラウンド、6月の富士24時間、7月のオートポリスラウンドまでが新型コロナウィルス感染拡大抑止のため中止となり、全6戦のカレンダーが全て刷新されることとなりました。その新カレンダーの開幕戦が、9月の富士24時間に指定され、各チームは再始動に向けて準備を進めてきました。この日の公式テストに参加したのは、マツダ車9台を含み全40台。特にST-5クラスは、1台を除き8台がマツダ車となっています。中でもロードスターは6台が揃い、トヨタ86と並ぶ最も台数の多い車種のひとつとなりました。

テストセッションは、午前中90分間、午後90分間、ナイトセクション100分間の3回が予定され、初めて富士24時間レースに出場するドライバーは18時50分からの夜間練習走行には必ず出走することが求められました。しかも、午前のセッションは、雨。午後はドライ、夜間は霧雨の中で行われ、期せずして様々なコンディションでテストを実施することができました。オーバードライブチームのルーキー、橋本悠亮さん(24)は、「僕は昨年ロードスター・パーティレース東日本シリーズにNCロードスターで参戦し、シリーズ成績は5位でした。今年から縁あってこのクルマ(66号車)に乗せていただくことになったのですが、デビュー戦が富士24時間になったので、やはり緊張しています。S耐車は、NDということもあり、パーティレースとは全く異なります。タイヤグリップも高く、クルマやサスペンションもかっちりできているので、異次元ですね。まだまだ学ぶことばかりですが、諸先輩からのアドバイスを吸収して、チャレンジしたいと思います」と語っていました。また、同じく広島マツダ・HMレーサーズの新人・吉田隆之介さん(19)は、「昨年はN-ONEレースに出場していました。S耐車に乗るのは2月の公式テスト以来で、今日は初めて雨の富士を走りました。FFはウェットでも安定していて、レインタイヤもしっかりグリップしてくれるので安心して走れるなと感じました。9月の24時間レースは、暑いでしょうし厳しいコンディションなのは間違いないですが、冷静にクルマを壊さないよう走りたいと思います。ワクワクする一方、混走レースは緊張します。多くの方が見守る中なので、良い走りを見せて覚えてもらえるように頑張ります」と話しています。

オーバードライブ66号車の武地隆幸さんは、「久しぶりです。みな元気でここに集まれて本当に良かったです。長いオフの間に、リアウィングを新調しました。今年はチーム体制も一新したので、とてもフレッシュです。ルーキードライバーの成長が楽しみですね」と話していました。また、村上モータースの村上博幸代表は、「長い自粛期間には、みんな疲れ果てた感じです。それでもこうやってレースが再開すれば、みんな顔を揃えて一緒に走れます。その歓びに浸っていますわ」と笑顔でコメントしてくれました。最古参のチームNOPROの野上敏彦代表は、「いやいや、久しぶり。我々は、長いオフ期間を利用して、アクセラのカーボンルーフを作って特認申請し、公認を得ました。リアウィンドウもアクリル製にしたので、合計20kgほど軽量化を図っています。エンジン制御も少し変更し、シャシーダイノメーターではピークパワーは変わらないものの、中間トルクが太くなって扱いやすくなりました。これまで燃料タンクは標準の60Lを使っていましたが、レギュレーションでは95Lまで搭載できるので今回から25Lの補助タンクをつけました。これによって1スティントが1時間30分程度から2時間まで拡大できることになります。ピットロスが短縮できるのは大きいですから」と語っています。常に勝負にこだわる野上さんは、「それでもまだやれることは残っていますよ」と笑っていました。

この日のテストで、各チームはさまざまなデータを収集し、マシンのアップデートを検証したことと思います。今回の公式テストは無観客で実施されましたが、9月の開幕戦24時間レースは観客を入れての開催になるとの情報があります。それが実現すれば、これまでように、コーナー各所でテント観戦する観客の皆さんとともに24時間のドラマを楽しみたいと思います。

※　新型コロナウィルス感染拡大阻止を目的に、本年の「スーパー耐久レース・マツダ車チームピット応援ツアー」の実施は見送る予定です。楽しみにされていたお客様方には大変申し訳ありませんが、ご了承いただきますようお願いいたします。

2020年スーパー耐久シリーズ公式テストデー (YouTube 3’25”)

Text and Photos by MZRacing