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日本国内レース

  • 2024/09/25
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PR東第3戦、八戸から参戦の佐々木光がデビュー3戦目の大金星

9月21日、ロードスター・パーティレースⅢ 東日本シリーズの第3戦が、茨城県の筑波サーキットで開催されました。26台のエントリーを集めたNDシリーズは161号車の佐々木光が、参戦3戦目で一気に頂点に駆け上がりました。本年度のランキング1位と2位、さらに2年連続でこのシリーズを制している実力者3名を後方に従えての逃走劇は、まさに「天晴れ」でした。


今大会は「第35回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」との併催となり、多くのロードスターやマツダファンで賑わいを見せていました。7時10分から始まったブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの久松忠輝マネージャーが登壇し、「先週の岡山で、久しぶりに自分も参戦してサーキット走行の楽しさを改めて実感しました。今日は皆さんも、思う存分レースを楽しんでください」と激励されました。

今回も4名のルーキーがパーティの仲間に加わってくれました。まずはNDシリーズの160号車・中島伸太(写真右)と257号車の大槻征久(写真左)、もう1カットの黒いスーツとアンダーウエアのふたりはNDクラブマンに出場する2号車の佐藤雅士(写真左)と206号車の木村光孝(写真右)です。恒例により全員が一言ずつ意気込みを語って、先輩たちからは拍手で歓迎されました。


NDシリーズの予選は9時からの15分間。コンディションは気温27.8℃/湿度80%/路面温度36.1℃とまずまずで、心配された雨の気配もまだありません。この日の予選はトップから15番手までが1秒差以内に入る大接戦となりましたが、やはり事実上のアタック1周目となる2周目にベストを出した選手たちが上位にはずらりと並びました。

輝いたのは2番目でコースインし、途中から先頭に出た佐々木。1分11秒194という記録が、結局最後までモニター最上段に残ることになりました。惜しくも及ばなかったのがランキング2位の168号車・森本進一で、タイムは1分11秒247。そしてランキングトップの深谷 諄だけは上位陣で唯一、最後までアタックしましたが、ベストは8周目の1分11秒336。2022年と2023年の2年連続東日本王者の16号車・上田純司が1分11秒588でこれに続きました。さらに5番手は177号車の稲垣知博、6番手は38号車の宮應政宗となりました。

ランキング上位者では、前戦で5位だった佐々木に続いて6位に入賞した144号車の白石健が11番グリッドと低迷。タイムは1分11秒970ですから、この日はわずかな差で大きく順位が変わることを痛感させられました。さらに今回はパーティレースに相応しい走行マナーも求められました。複数回の走路外走行をした1名に決勝での2グリッド降格が言い渡され、同じく走路外を犯した2名にそのタイムが抹消されるという裁定がくだりました。


ほぼオンタイムの13時16分に、15周の決勝レースが始まりました。13時の時点の天候は曇りで、コンディションは気温26.3℃/湿度78%/路面温度38.4℃。午前中より気温が下がって路面温度の上昇もわずかと、よりハイレベルなバトルに期待が持てる状況になりました。

ポールシッターの佐々木から森本、深谷、上田という上位4台は、いずれもクリーンなスタート。順位の変動はありません。その後方では予選7番手だった5号車・イシカワと同じく8番手の26号車・田宮駿が抜群のスタートを決めて5位と6位に浮上。しかしその後はイシカワを先頭に田宮と、6番グリッドからひとつ順位を落とした宮應という3台が1秒以内の接近戦となりました。その後、宮應は少し離されてしまいますが、ベテランのイシカワと昨年までNCで戦っていた田宮のバトルは見応えが十分でした。

その後の上位陣ではレース終盤まで膠着状態が続きましたが、トップの佐々木がジワジワとリードを広げる一方で、2番手の森本は深谷にロックオンされた状態が延々と続き、さらに上田も僅差で追走します。ワンミスも許されない状況でしたが、ランキング2位の森本は最後まで粘り切ってチェッカーフラッグに到達。ランキングトップの深谷との差を詰めることに成功します。表彰台には佐々木、森本、深谷の3名が登壇しました。

以下、4位には東日本V2王者の上田が入賞。そして5位の座は最終盤の14周目の1コーナーで変わりました。田宮の執念が実り、イシカワをオーバーテイクすることに成功。ここまでが表彰の対象となりました。なお、NDシリーズ初参戦の160号車・中島伸太は15位、257号車の大槻征久は20位で、ともに完走を果たしました。

29歳の佐々木は青森県八戸市在住で、マシンはELEV Racing Dreamからのレンタル。ELEVチームにとってもパーティレースでは待望の初優勝となりました。佐々木は「ドリフトを5~6年やっていましたが、レースは今年からで3戦目です。筑波に来られるのは月に1回程度なので、i-Racingでの練習が頼みの綱です。決勝では最初の1コーナーは少しヒヤッとしましたが、途中から少しずつ楽になりましたね」と振り返りました。

この第3戦を終えての東日本NDシリーズのランキングですが、リーダーは変わらず深谷で52ポイント。これに森本が42ポイント、佐々木が34ポイント、上田が33ポイントで続いて、可能性はこの上位4名に絞られました。この中では深谷が少しだけ有利で、仮に3名のいずれかが優勝したとしても、深谷は2位になればチャンピオン獲得です。ただし3位以下では逆転されてしまうので、まさに目が離せないタイトル争いになりました。


なおNCシリーズでは2019年の参戦以来、向かうところ敵なしだった86号車の井尻 薫の連勝記録がストップ。195号車の中島優太が決勝のオープニングラップでオーバーテイクに成功し、第2戦に続く2連勝を達成。もちろんシリーズポイントでもリードを広げて、最初で最後の王座に大きく近づきました。またNDクラブマンでは参戦2戦目の102号車・安西柊馬がポールtoウイン。さらに115号車の川口眞輝に、“通算10年かつ30戦以上”を達成した者のみに与えられる「Great Party Racer賞」が授与されました。


東日本シリーズの第4戦はND・NCの両シリーズのチャンピオンが決定する最終戦で、10月27日の日曜日に筑波サーキットで開催されます。またロードスター・パーティレースⅢの次戦はすぐ次の週で、9月28日の土曜日に、三重県の鈴鹿サーキットでジャパンツアーシリーズの第5戦が行われます。



Text by Y.Shimoyama & T.Ishida Photos by B Sports

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