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  • 2022/05/17
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PRⅢ北第2戦 箕輪卓也が少し早い“父の日に捧げる”初優勝

5月15日、宮城県のスポーツランドSUGOではロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第2戦が行われました。11台のエントリーを集めたNDシリーズクラスは文字通り弱冠20歳の大学生、35号車・箕輪卓也が待望の初優勝を土壇場の大逆転で成し遂げました。


4月の開幕戦はジャパンツアーシリーズとのWタイトルマッチということもあり、NDシリーズのみで25台がエントリーする大混戦となりましたが、今回はNDクラブマンと合わせて15台での混走レースとなりました。27号車の大越海斗は、この日がJAF公認レースのデビュー戦となる福島県在住の25歳。ただしSUGOとエビスで開催されている軽自動車の競技会には参戦し、一昨年はシリーズチャンピオンという実績も残しています。

公式予選は8時35分からの15分間。天候は曇り空で、気温15℃/湿度56%/路面温度19℃というコンディションで始まりました。先頭でコースインした箕輪が1周目の1分47秒173から、2周目に1分46秒419まで一気にタイムアップ。結局これが最後までラップモニターの最上段に残りました。

2番手争いはライバル2名が鎬を削りました。まずは16号車の上田純司がアタック2周目に1分46秒871と、箕輪に続いて46秒台に突入。ところが、少し遅れて入った34号車の菊池 仁がアタック2周目に1分46秒721で上回り、さらに4周目に46秒705、6周目に46秒473と1周のクーリングを挟みつつも着実にタイムを刻んで逆転。上田もアタック5周目に46秒832まで削りますが、及びませんでした。

4番手には91号車の沢崎祐一が1分47秒166を5周目に記録して滑り込みました。さらにグリッド3列目は31号車・和光博紀が1分47秒192、ルーキーの大越が1分47秒193という1000分の1秒差の際どい争いに。なお、北日本開幕戦で2位となった32号車の横田 剛のベストは1分47秒274。7 番グリッドからの巻き返しを狙うことになりました。


今年の北日本シリーズの決勝は昨年までより1周多い9ラップでの戦いです。また開幕戦のローリング方式とは異なり、アウト側がポールポジションのグリッドスタートに戻ります。予選後のSUGOは一瞬、太陽が顔をのぞかせることもありましたが、再び曇り空に戻って決勝が行われました。コンディションは気温17℃/湿度41%/路面温度34.3℃。予定よりわずかに遅れて、12時24分に10灯のレッドシグナルがブラックアウトしました。

最前列の2台、箕輪と菊池は順当に1コーナーに進入していきますが、後続の上田がわずかに出遅れたために4番グリッドの沢崎のスペースが狭くなり、逆にアウト側5番グリッドの和光の前が大きく開けたために4位にポジションをアップします。その影響もあって上位陣では「箕輪→菊池→上田→和光」のトップ4が抜け出し、5番手以下との間には早くも大きなギャップが生まれました。

その5番手にいた沢崎が徐々に後退し、2周目には大越がグループの先頭に出ますが、3周目にはSUGOを知り尽くしたベテランの横田が浮上。この2台に8番グリッドだった47号車の岩崎 魁が追い付いてきて、ここから「横田→大越→岩崎」の3台がピタリと一列になったようなバトルが始まりました。序盤の上位グループで一番勢いがよかったのが上田。前を走る菊池を2周にわたって0.4秒差で追い詰めるものの、ここで少し息切れ気味に。逆にそこまでタイヤをいたわっていた印象の菊池が、4周目の後半から先頭の箕輪をロックオン。そのままの勢いで5周目の1コーナーでインを差してのパッシングに成功しました。

もちろん箕輪もすぐに攻勢に転じます。8周目とファイナルラップの9周目は1コーナーでイン側にノーズをこじ入れてサイドbyサイドまで持ち込みますが、菊池も耐えしのぎ、3コーナーまでに先頭の座を取り戻すという大接戦を演じます。なんとかこれに仕掛けたい上田でしたが、7周目の2コーナーで膨らんでしまい、和光に3位の座も明け渡してしまうような状況があったため、ここは自重したようです。

すでに「勝負あった」と思われたファイナルラップの最終コーナーで、なんと箕輪が菊池のインに飛び込みました。じつはその前、バックストレートから馬の背コーナーへのブレーキングで、菊池が突っ込みすぎでわずかに失速気味になった隙を見逃さす、続くSPのイン&アウトでさらに差を詰めて、最後のチャンスに賭けたのです。

ここはさすがに想定外だった菊池でしたが、この後のフェアプレーは賞賛すべきものでした。箕輪のマシンが走る1台分のスペースを残して立ち上がりましたが、アウト側を遠回りした分、順位はここで入れ替わりました。さらにこの最終コーナーでは4番手で追走していた和光が激しいテールスライドでスピンアウト。後続の4台に抜かれてしまいましたが、チェッカーフラッグはなんとか受けて完走は果たしました。

昨年のデビュー戦でいきなりポールポジションを獲得したり、先日の筑波のレースでは先頭でチェッカーフラッグを受けたもののペナルティで降格。そんな箕輪でしたが、ついに念願の初優勝をもぎ取りました。戦いには敗れたものの、自己最高成績を更新した菊池が2位でポイントリーダーに浮上、続く上田までが表彰台を獲得しました。以下、4位の横田と5位の大越までが規定により入賞となりました。

箕輪は「やっと勝てました。自分は通学の関係で実家を離れているので、いつもロードスターの面倒を見てくれている父に、少しだけですが恩返しできました。菊池さんとのバトルも最高でした。来週の筑波も頑張ります」と振り返りました。


なお、NDクラブマンクラスは、直近のレースでも表彰台に上っていた23号車の荒川 豊が予選から圧倒。デビュー5年目での初優勝を果たしました。


北日本シリーズの第3戦はしばらく間が空いて、ここスポーツランドSUGOで10月8日(土)に開催予定です。またロードスター・パーティレースⅢの次の戦いは早くも次週、5月22日(日)に茨城県の筑波サーキットで行われる東日本シリーズの第2戦となります。



Text & Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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