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  • 2019/05/13
  • OTHER(日本)

復活した虫谷泰典と若武者山下健太がIPS連続表彰台

人馬一体のロゴが刻まれたソウルレッドの55号車が、9カ月ぶりにインタープロトシリーズ(以下IPS)の舞台に帰ってきました。5月11〜12日の週末に開幕した今シーズン、マツダ開発ドライバーの虫谷泰典がアマチュア部門のジェントルマンクラスの第1戦で3位、第2戦で2位と連続表彰台で発進。プロフェッショナルクラスの山下健太も第1戦で3位、第2戦で2位の成績で続きました。

富士スピードウェイを舞台に年間4ラウンドで争うIPSは、プロとアマチュアがコンビを組んで2日間で各2回、計4回の決勝レースを争います。55号車「人馬一体ドライビングアカデミー」の挑戦は2016年から。3年目の昨年からマツダのトップガン=車両開発本部の上席エンジニアである虫谷泰典と、新進気鋭のトッププロ山下健太のふたりがコンビを組んでいます。

昨年6月16〜17日に行われた最初の戦いでは、虫谷が第2戦で2位、山下も第1戦で3位というまずまずの結果を残しました。ところが、8月25日に行われたジェントルマンの第3戦決勝で事件が起こります。虫谷の55号車はファイナルラップに挙動を乱して激しくクラッシュ。幸い大事には至りませんでしたが、マシンは全損に近く、虫谷も昨年中はレース活動を自粛して療養に専念していました。今シーズン、モノコックをはじめ、ほぼ新車となった55号車は春からテスト走行を開始。多忙な虫谷も3回ほどは富士で練習を積んで開幕を迎えました。

この週末のスピードウェイは富士山もくっきりと姿を見せる絶好のコンディション。5月11日の午前中にジェントルマンクラスとプロフェッショナルクラスの公式予選が立て続けに行われました。虫谷のベストラップは1分50秒655で総合5位でしたが、上位2台はジェントルマンをさらにふたつに分けた別のクラスに属するため、同一クラス内では3番手です。一方の山下は1分46秒386がベストで、プロフェッショナル5位の予選結果に終わります。

11日唯一の決勝はジェントルマンの第1戦で、14時58分にコンペティション開始。予選で総合2位だった16号車がリペア作業を行なったことで、55号車は4番グリッドからのスタートでした。オープニングラップに直後の8号車に抜かれますが、総合2位でクラストップの96号車が3周目のダンロップコーナーでスピン。このあたりからペースをつかんだ55号車は5周目の第1コーナーの進入で8号車を抜き返すことに成功、クラス2番手に浮上します。その後、スピンで後退した96号車が背後に迫って来ると無理せずコースを譲って、結局はスタートと同じクラス3番手(総合4位)で12周を走りきってフィニッシュしました。

明けて12日はジェントルマンの第2戦決勝が9時48分にスタート。55号車は序盤、第1戦の順位どおり総合4位のポジションをキープしますが、ジェントルマンの中でも別クラスで、前日はリペア作業の影響で総合6位だった16号車が追いかけてきて、2周目にはすぐ背後に。虫谷が冷静に進路を譲ると、16号車は5周目の1コーナーへのブレーキングで挙動を乱し、96号車に接触して2台ともリタイア。結局、虫谷の55号車は7号車に続くクラス2番手(総合3位)で第2戦の12ラップを戦い終えました。

虫谷は「この場に帰ってくることができたのは皆さんのおかげです。2回とも表彰台に立てて、少しでも恩返しできたとしたら嬉しいですね。第1戦のスタートはライバルに隙を突かれてしまいましたが、昨年までと比べるとレース中に冷静さを保てるようになったと思います」と笑顔で語りました。

プロフェッショナルクラスの決勝は12日の午後に2レース連続で行われました。どちらも9ラップの短期決戦。14時38分にスタートした第1戦、5番グリッドの55号車・山下は序盤、様子見の展開です。予選4位の32号車・近藤翼を次第に追い詰めて4周目に逆転。さらに3番手を走る37号車・阪口晴南をロックオン。ファイナルラップの最終パナソニックコーナーで、絵に描いたようなインからのパッシングを成功させ、0.107秒差でかわして3位でフィニッシュします。優勝は7号車の野尻智紀、2位は96号車の中山雄一でした。

チェッカーを受けたら、そのままグリッドに並ぶ決勝第2戦は15時03分スタート。55号車は3番グリッドから優勝を目指します。前を走るのは日本を代表するトップドライバーで、とくに中山はIPSでチャンピオンを獲得したキャリアもありますが、山下はオープニングラップから中山のスリップに入ることに成功し、2周目の第1コーナーでアウトから並びかけます。そのまま並走すると、次のコカ・コーラでイン側にいたのは山下。引き出しの多さを披露して、2番手に浮上しました。

この勢いでトップの野尻を追いかけたい山下でしたが、背後の中山が再び勢いを得て逆襲を開始。ここからの山下は2番手のポジションを守ることに注力せざるを得ませんでした。スリップの効く富士の長い直線で何度も中山にロックオンされた山下ですが、第1コーナーであえてイン側のスペースを開け、逆に次のコカ・コーラでイン側を確保することでポジションを死守しました。第2戦はこのまま野尻が9周を逃げ切って2連勝を達成。山下が2位で、中山が3位という結果に終わりました。

山下は「第1戦は上出来でしたが、第2戦は途中から(順位を)守るだけの展開になってしまいました。それでも次につながるレースはできたと思いますし、虫谷さんの回復ぶりも想定以上だったので楽しみです」と振り返りました。

富士スピードウェイを舞台に年間4ラウンドで行われるIPS。次なる戦いは3カ月以上の長いインターバルののち、8月31日から9月1日にかけての週末に開催される第2ラウンド(第3戦と第4戦)となります。

●インタープロトシリーズ
http://www.interproto.jp/index.html


Text by T.Ishida +1、Photos by T.Ishida & MZRacing

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