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日本国内レース

  • 2024/06/13
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西第2戦 ウエットの予選で開眼…4年目の小林太一が念願の初優勝!

6月9日、ロードスター・パーティレースⅢ西日本シリーズの第2戦が岡山国際サーキットで開催されました。西日本としては過去最高の36台がエントリーするも、開幕戦に続くウエットでの予選から戦いが始まりました。ほぼドライに回復した決勝レースを先頭で駆け抜けたのは56号車の小林太一。前年シリーズ3位の実力者ですが、過去のベストリザルトは3位。今回のブレークスルーは、3番グリッドを得た予選での走りにあったようです。


朝一番のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの油目雅史さんが挨拶。「本日はまず型式指定申請における弊社の不正行為の件について、お詫び申し上げるとともに、再発防止に努めることをお約束させていただきます」と頭を下げられた後、「過去最高のエントリーとなったことに感謝するとともに、皆さんと一緒にもっと盛り上げていきたいと思います」と挨拶をされました。

今回も2名のパーティレーサーがデビューを飾りました。写真右が大阪府からの51号車・松沢俊也でNDシリーズに、左が島根県からの211号車・石原克奎でNDクラブマンに出場。おふたりともマイカーとして購入され、今回が初めてのレース参加とのことです。なおエントリーの内訳はNDシリーズクラスが27台、NDクラブマンクラスが9台でしたが、クラブマンに出場予定だった油目さんの上司でもあるマツダの久松忠輝マネージャーが残念ながら欠場となり、35台が予選に臨みます。


そして予選の前、この日のコンディションを見て、開幕戦優勝の75号車・有岡綾平が、ブリヂストンのタイヤサービスで新品のポテンザ・アドレナリンRE004を購入しました。タイヤフィッターがあっという間にそれまでのセットを取り外し、新しいタイヤをホイールに組み込んでくれました。一刻一秒を争うサーキットの現場で、こうしたサービスがパーティレーサーに対して提供されるのは嬉しい限りです。

公式予選は10時30分から、15分間の予定で始まりました。気温18.6℃/湿度46%/路面温度21.0℃というコンディションです。コースレイアウトの関係もあり、最初のフルアタックが計測できるのは開始5分が過ぎてから。さらに最初のアタックラップではタイヤに熱が入り切らないようで、上位を争うタイムが出たのは3周目からになりました。まずは真っ先にコースに入っていった小林太一と開幕戦3位の37号車・菅田政宏がアタック。菅田が2分18秒058、小林も2分18秒646で続きます。

と、そこに割って入ったのが67号車の鎌田昌弘で2分18秒283を記録。さらに岡山マイスターで、過去6回の王座獲得を誇る88号車・本多永一も2分18秒676までタイムを削ってきました。雨がほとんど止んでいたこともあり、予選の後半にさらにペースが上がると予想された残り4分15秒ほどの時点で、24号車の菊川和真が2コーナーで姿勢を乱してタイヤバリアにクラッシュ。これを見たオフィシャルが残り3分33秒の時点で赤旗を提示。この時点で予選が終了という事態になりました。

整理すると、ポールポジションは菅田で、2番グリッドは鎌田が獲得。2列目は小林と本多が並びました。さらに58号車の桂 涼と108号車の米川直宏が2分18秒台をマークして、グリッド3列目から決勝をスタートします。そして開幕戦優勝の有岡のベストは2分19秒140で、予選では7番手ということになりました。


決勝レースの直前のコンディションは気温17.3℃/湿度50%/路面温度19.4℃となりました。路面はほぼドライに回復。予定より少し早い15時24分に、オールレッドの5連シグナルが消えてスタートしました。ポールの菅田は鋭いスタートダッシュを見せますが、上位陣でもオープニングラップから順位変動が起こります。とくに勢いがよかったのが3番グリッドの小林。2番グリッドの鎌田を抜き去って、菅田の背後に迫ります。逆に4番グリッドの本多は位置取りの関係で行き場を失って、後続の桂の先行を許す展開になってしまいました。開幕戦優勝の有岡はひとつポジションを上げて、6位で戻ってきます。

小林の勢いは止まらず、2周目の1コーナーで菅田のインを差してトップに立ちます。次の3周目には1.536秒までリードを広げて、早くも逃げ切り体制に入ったかに思われました。ところが、その後方で岡山マイスターの本多のスイッチが入りました。2周目に桂を抜き返し、3周目には鎌田もキャッチアップして3位に。そして4周目には菅田も抜いて2位まで浮上。さすがに、その段階では小林が本多に対して2.373秒というマージンを築いていました。ところがその差は5周目には1.010秒になり、7周目には0.416秒差にまで急接近。ただ、この差でファイナルラップだけというのは、さすがの本多でも逆転は少し無理目でした。

さらにその後方でも、バトルがヒートアップ。1周目に6位に上がった有岡ですが、3周目には 5位に浮上します。さらに6周目とファイナルラップには、ともにアトウッドの進入で前を行くライバルをパッシング。つまり、表彰台の最後の座を射止めるべく、しっかり計算されたシナリオを描いていたようです。以下、4位には鎌田、5位には8番グリッドから追い上げてきた186号車の太田 楽が入賞。ポールシッターの菅田は決勝に向けたセッティングがマッチせずに徐々に後退しましたが、我慢の走りで入賞圏内の6位に踏みとどまったという印象です。

なお今回、NDクラブマンクラスは125号車の倉田 優が予選から圧倒。2分21秒803というタイムは総合でも14位で、クラス2番手が総合26位ということで、決勝でも余裕の走りで堂々の初優勝を果たしました。2位には初参加の石原が予選クラス4番手からの逆転で大健闘。3位には216号車の高田 将が入り、4位の150号車・高尾光俊までが規定により入賞となりました。


NDシリーズ初優勝の小林は「実は雨が苦手だったのですが、それを克服すべく、雨の天気予報を見て練習にも来ていました。そうしたら予選で3位になれて、しかも決勝が得意のドライになりました。でも本多さんは必ず来ると思っていて、最後はマジできつかったです」と振り返りました。


西日本シリーズの第3戦は9月15日の日曜日に予定されています。またパーティレースの次の戦いは1週間後で、6月16日にモビリティリゾートもてぎでジャパンツアーシリーズの第3戦が開催されます。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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