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  • 2021/06/08
  • OTHER(日本)

寺川、気負い過ぎでIPS優勝を逃す

6月5日(土)・6日(日)に2021年インタープロトシリーズ開幕ラウンドが開催され、昨年のジェントルマンクラスチャンピオンとなったマツダ開発ドライバーの寺川和紘は、土曜日の第1戦で3位表彰台を得るものの、日曜日に行われた第2戦では最終ラップまでトップを走りながら、気負って痛恨のスピン。エキスパートクラスデビュー戦を優勝で飾ることはできませんでした。

土曜日の決勝レース。55号車「マツダ人馬一体ドライビングアカデミー」を駆る寺川は、山口達雄、永井秀貴に次ぐ3番グリッドからスタート。序盤からトップを独走する山口のタイムを上回るペースで永井の後方を攻める体制を作った寺川でしたが、8周目にプレッシャーに耐えかねた永井がコカコーラコーナーでコースオフ。この間に2位に浮上した寺川は、ターゲットを山口に据えてタイムを削る走りを見せましたが、9周目のダンロップコーナーでまさかのオーバーシュート。3位でレースに復帰しましたが、最終ラップでは4位の今橋彩佳に追いつかれ、なんとか振り切っての3位となりました。寺川は、「今年からエキスパートクラスに入れていただきましたが、ジェントルマンクラスとは全く緊張感とプレッシャーが異なります。常に冷静に、を心得ているつもりですが、強いメンタルを維持することがこのレースの課題でしょうか。今日のレースは、2位となったところで、ダンロップコーナーでブレーキが効かない状態となりオーバーシュートしました。実はフリーで走っていたのに、アドバンコーナーで外側の縁石に当たってしまい、ブレーキに異常が起きていました。冷静であれば、対処方法があったはすです」と悔しそう。

2日目の第2戦は、曇り空ながら時折小雨がパラパラと降る嫌な空模様。「どっちに転ぶかは、まさに天のみぞ知るですが、こんな時にもメンタルが試されるのでしょうね」と寺川。スターティンググリッドで整列している間に時間いっぱいとなり、各車スリックタイヤのままスタートします。2番手グリッドからスタートした寺川は、直後に永井にポジションを譲ることになりますが、なんとそのあと2周目の第1コーナーでトップを走る山口が単独スピンアウト。寺川は、またしても永井との一騎打ちとなります。しかし、同じ2周目の13コーナーで永井が縁石を蹴り上げてフラつくアクシデントが発生。その隙にトップに躍り出た寺川は、永井を引き離しにかかります。5周目には4秒強の差をつけて独走しますが、直後にイエローが提示されて差が詰まると、復調した永井が背後に迫ります。どうにか振り切って、エキスパートクラス初優勝を目指して寺川は力強く周回を重ねます。しかし、チェッカーフラッグまでまであとわずかという最終ラップの第1コーナーで単独スピン。5位でフィニッシュラインをクロスしました。ピットに戻った寺川は、しばらく固まったようにマシン上で動けませんでした。

寺川は、「今回は完全に自分に負けました。今年からエキスパートクラスという事で、正直言って総合優勝を狙っていました。今回は土曜日の予選が昨年シリーズ最終戦以降の初ドライブだったため、第1戦は落ち着いて自分を取り戻そうと決めていました。思ったペースには取り戻せませんでしたが、3位表彰台を獲得して精神的にはやや落ち着きました。
第2戦は総合優勝を狙い、クルマのセットを大幅に改善して頂きました。第2戦、いつも通りスタートは遅れをとりましたが(汗)、落ち着いていました。2周目に前走車のミスを活かし、トップに立ちました。こうなると余裕かと思いきや、ここから強烈なプレッシャーと不安との戦いになりました。レースでトップを走り続けるのは初めて。ドンドン消耗していくメンタルとフィジカルを感じながら、ファイナルラップまでは“挑戦”を自分に言い聞かせ、パラつく雨にも動揺せずに攻めを貫きました。
そしてファイナルラップ、あと1周守り切れば、と考えてしまったんだと思います。中途半端なブレーキで1コーナーに進入。高い車速にグリップダウンしたリアタイヤが耐えきれずスライド。いつもなら諦めて外に逃すのですが、この時は何故かラインをキープしようとしてしまい、結果耐え切れずにスピンしてしまいました。
全ては自分の甘さ、自信を持って挑む準備が出来ていなかった自分の責任です。全力で支えて頂いたチーム、的確なアドバイスを頂いた関口プロの期待に応えられず、本当に申し訳なく、悔しいです。この悔しさを糧に、次は結果を出します」と語っています。

Text by MZRacing, Photos by IPS official

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