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日本国内レース

  • 2019/05/15
  • OTHER(日本)

富士チャンRSCが開幕。総合Vは澤田、RFの山口が嬉しい初優勝

 2019年の富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)の第2戦が5月11〜12日の週末に行われ、ロードスターカップ(RSC)がここで開幕しました。総合優勝は1.8クラスの55号車・澤田薫で、2.0オープンクラスの19号車・山口幸治と1.5チャレンジクラスの103号車・松尾康博が初優勝を果たしました。山口のマシンはNDのRFで、日本国内の公認レースでRFが優勝したのは初めてす。

 

 富士チャンは年間6戦ありますが、今年もカテゴリーごとにそのうち4戦でシリーズを争います。全世代のナンバー付きのロードスターで争う今年のRSCは第2戦が開幕戦。予選・決勝とも11日の土曜日に行われました。エントリーは6クラス合計で30台と、富士チャンの中では今なお最大勢力を誇っています。この週末のスピードウェイは絶好のコンディションで、富士山もくっきりと姿を見せてくれました。

 

 8時25分から20分間で行われた公式予選には29台が出走し、1.8クラスの澤田が2分8秒666で総合トップ。同じクラスの91号車・神谷誠が2分8秒882で肉薄します。総合3位は2.0オープンクラスの77号車・長岡哲也でタイムは2分9秒026。以下、1.6クラスは総合5位の53号車・水野寿通、1.5オープンクラスは総合11位の7号車・茂木文明、2.0チャレンジクラスは総合15位の8号車・菊池聡、そして最多の11台で争う1.5チャレンジクラスは総合19位の松尾がそれぞれトップで決勝に進みます。

 

 ここで、昨シーズンからの排気量に基づく新クラス区分を復習しましょう。初代NAと2代目NBは世代の区別なく1.6と1.8の2クラスに。改造範囲はかなり広く、NAとNBの性能差は最低重量で調整します。3代目のNCにはパーティレースにも参加できる2.0チャレンジと、少し改造範囲の広い2.0オープンを用意し、後者には4代目NDのRFも参戦できます。そして現行NDのソフトトップ車はパーティレースと共通仕様の1.5チャレンジと、改造範囲を広げた1.5オープンクラスを設定。合計6クラス混走となっています。

 

 11時44分から8周で争われた決勝ではオープニングラップのADVANコーナーで接触のアクシデントが発生し、先頭で出た澤田以外の上位陣は大きく順位が入れ替わりました。澤田の背後には同じクラスの35号車・松波太郎が忍び寄り、ここからチェッカーまで激しいバトルが勃発します。さらに1.8クラスでNAの88号車・橋本悠亮と1.6クラス前年王者の76号車・辻本均、2.0オープンの山口の3台が、その後方で2番手集団を形成します。
一方で総合2番手の神谷は出遅れた上に前述の接触の被害者となり、2.0オープンの長岡や1.6クラスの水野らも、このアクシデントで大きく順位を落とします。それでも長岡の追い上げは迫力満点でした。1周目の総合7位から2周目には6位、4周目には5位まで挽回し、クラス首位を行く山口をキャッチアップ。6周目には抜き返して“勝負あった”かと思わせましたが、次の7周目のダンロップコーナーでまさかのオーバーラン。山口が2.0オープンクラスで初優勝を飾りました。山口は関東マツダに勤務する39歳のサンデーレーサー。「2012年にデミオで一度出て、その後はNBを経て、今のRFにスイッチです。オクヤマさんや田知本さんには色々と無理をお願いしたので、勝ててホッとしています」と感謝を語りました。
 もうひとつ、激しかったのが1.5チャレンジクラスのバトルです。クラストップの松尾を1周目の混乱に乗じてかわしたのが昨年ランキング2位の20号車・五賀貴男。そして前年王者の5号車・山崎善健も追いついて序盤は三つ巴状態に。さらに優勝経験を持つ32号車・原嶋昭弘や78号車・赤石沢清人、富士チャン初参戦の28号車・藤吉健一までが抜きつ抜かれつの接近戦を演じます。最後は松尾が抜け出してひとり旅状態になり、原嶋も粘りの走りで単独2番手に浮上。3位には五賀が0.019秒差で滑り込みました。以下、山崎と赤石沢までが規定により入賞です。パーティレースのクラブマンでは優勝経験のある松尾は「富士のポディウムの一番高いところは最高でした。筑波のシリーズ戦でも頑張ります」と、次の戦いも見据えていました。
 1.8クラス同士の総合トップ争いはテールtoノーズで延々と続きます。一度は松波が前に出ますが、最後に笑ったのは澤田。じつは澤田は4年前の8月に、ドライの予選でクラス11台中の10位に低迷するも、まさかの土砂降りとなった決勝で合計15台を抜き去って優勝した経験の持ち主。レース前日に当時最強と言われていたクムホのV700を買いに行くも、品切れにつき深溝タイプのV720を“仕方なく”チョイスした幸運が呼び込んだドラマでした。澤田は「ドライのレースで勝てたし、ポールポジションも取れたので、今日は最高です」と喜びを爆発させていました。この1.8クラスは2位の松波までが入賞です。
 1.6クラスは辻本がそのまま逃げ切り、2位の27号車・野木強までが入賞。辻本はこれで昨年の開幕戦からの連勝を5に伸ばしましたが、「今日は水野さんが不運だっただけで、何もしないで勝てました」と謙虚です。また1.5オープンクラスは、予選トップの茂木が前述の混乱で大きく遅れますが、最終ラップに79号車・杉浦良に追いついてパッシングに成功します。「ちょっと無理めの追い越しで、杉浦さんに申し訳ないです」と神妙に語りました。残る2.0チャレンジクラスは出走2台。何度もチャンピオンを獲得している菊池が順当に勝利しますが、終盤は50号車の藤澤卓也も追い上げる粘りを見せました。

 なお、富士チャンはすでに第1戦が4月20〜21日に開催済みで、ロードスターN1の開幕戦はそこで行われました。出走は6台。予選では2014年から4年連続チャンピオンを獲得した実力者、2号車の大野俊哉が2分8秒861と唯一の8秒台をマーク。11周で行われた決勝でも2位以下に大差をつけて優勝を果たしました。2位争いは前年王者の1号車・芝田敦史と、2011年から3連覇した10号車の雨宮惠司、そして優勝経験を持つ43号車の大井正伸の3台が最後までバトル。最後は芝田が0.001秒という僅差で上回っての2位。雨宮の3位までが入賞しました。

 

 次の富士チャン第3戦は長いインターバルを経て、8月31日〜9月1日の週末です。マツダ車関連ではRSCの第2戦が9月1日にスケジューリングされており、インタープロトの第2ラウンド(第3戦と第4戦)は2ディで開催予定です。


●富士チャンピオンレース
http://www.fsw.tv/freeinfo/005515.html


Photos and Text by T.Ishida +1

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