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  • 2024/09/12
  • OTHER(日本)

XCRスプリントカップ北海道「ラリー北海道」でCX-5が躍動

9月7日(土)・8日(日)の二日間、北海道・十勝帯広管内にてXCRスプリントカップ北海道第4戦「ラリー北海道」が、全日本ラリー選手権第7戦併催イベントとして開催され、前戦ラリーカムイで鮮烈なラリーデビューを飾ったTOYOTIRES MAZDA CX-5(寺川和紘/石川美代子)が再び躍動。クラス勝者のトヨタハイラックスに迫る速さを見せ、XC-2クラス(車重2,000kg以上のクロスカントリー車または気筒容積2,000ccを超えるSUV車両)において2位でフィニッシュしました。


ラリー北海道は、帯広市内の北愛国広場にラリー本部(HQ)とサービスパークを置く国際格式のラリーイベントで、帯広から北に約100km離れた足寄郡陸別町の陸別サーキットや周辺の林道ステージ、池田町の特設スーパースペシャルステージ(SSS)、音更町の林道SSを走る総走行距離630km、計12本のSS競技区間合計103.54kmのグラベルラリーとなっています。今回は、CX-5のほか、トヨタハイラックス4台、三菱トライトン2台、同アウトランダー、同エクリプスクロスの合計9台がXC-2クラスにエントリーしました。兵庫県西宮市のTCP MAGIC(川戸泰介代表)がラリー仕様に仕上げたCX-5は、前戦同様に競技用の安全装備追加の他は、サスペンション、ブレーキパッドを交換しただけの「ほぼノーマル仕様」で出場しています。電動パーキングブレーキも標準のままです。前回と異なるのは、エンジンマウントを硬度の高いものに交換し、タイヤをヘビューデューティ仕様のTOYOタイヤ製オープンカントリーR/T(225/65-17)に変更した点となっています。ドライバーの寺川は、「とても難しいステージ設定なので、タフなラリーとなりそうです。しかし、オープンカントリーR/Tを選びタイヤサイズを見直したことで、ハイスピードでルーズな路面もあるこのラリー北海道にはマッチしていると思います。また、前回路面のギャップによってオイルパンを打ち上げ、エンジンパワーが制限される現象が起きましたが、今回はエンジンの揺れを抑えるためエンジンマウントを変更しており、その心配は減っています。ライバルのハイラックスに対しては、CX-5の軽快さはアドバンテージとなるはずです」、と語っていました。


残暑時期となる9月上旬にも関わらず、晴れればサービスパーク周辺は気温30度を超える暑さです。また、数日前に雨が路面を濡らしていますが、コース全体的には路面表層は乾いており、ラリーカーが走行すると土埃を巻き上げ、周囲の視界を遮るほどとなります。しかし、LEG1の7日土曜日は、朝から雲が上空を覆い、この日の拠点となった陸別サーキットのサービスエリアはやや肌寒いと感じる気温となりました。海外ラリーのように視界がひらけたパウケカムイ・リバースSS(7.43km)から始まった競技走行は、いきなり109号車ハイラックスとCX-5の一騎打ちとなります。周囲の予測に反し、CX-5は109号車に4秒差をつけるステージベストを記録。続くリクベツロングでは6秒遅れとなり、逆転を許します。最長ステージのSS3ヤムワッカではさらにその差は35秒に広がりました。しかし、SS4 パウケカムイ・リバースでCX-5が再びステージベストを出して差を詰めると、SS5リクベツロングでも連続ステージウィンを寺川が勝ち取るなど、攻防は目が離せません。その後も2台は競り合い、一時109号車が大幅にタイムロスしたと暫定リザルトに表示され、寺川/石川組CX-5がクラストップでLEG1を締め括ることとなりましたが、その後計時ミスとわかり暫定順位は訂正されています。


雲ひとつない夏空となったLEG2は、野球場のフィールドを走るSS9のSSSイケダ(0.50km)でスタートしました。数百人のギャラリーが見守る中、111号車CX-5は109号車を抑えてゴール。SS10オトフケ・リバースは109号車が先行するものの、ランチタイムサービスを挟む午後のSS11 SSSイケダでは、CX-5が4本目となるステージベストを記録し、最終SSでの逆転に賭けることとなりました。しかし、SS12オトフケ・リバースは、先行する全日本選手権の参加車両がメカニカルトラブルから炎上したためステージはキャンセルに。二日間の攻防は、合計27秒差で109号車に軍配が上がりましたが、前戦ラリーカムイの両車の差がトータル5分30秒以上であった事と比較すると、そのパフォーマンス差が大幅に短縮されていることがわかります。109号車ドライバーの番場彬は、「CX-5の速さはまさに脅威でした」、と語っていました。


表彰台で2位の位置に立った寺川は、「今回は、前回の反省からこのCX-5で長い距離を走り抜くことに主眼を置いて対策してきました。その成果として今回は主だったトラブルは全くなく、しっかりとCX-5の良さを引き出せたと思います。まだまだハイラックスには勝てませんでしたが、その差は確実に縮まってキロあたり1秒以内となっています。チャンスがあれば勝ちを狙えると思います」、と語り、コ・ドライバーの石川は「ハイラックスとの差が縮まってステージベストも4本取れましたので楽しめましたが、勝てなかったのは悔しいです」、とコメントしています。

金曜日に帯広市内で行われたラリーショーとセレモニアルスタートからこのラリーに立ち会ったMAZDA SPIRIT RACING代表の前田育男は、「スーパー耐久レース同様に、このラリー参加も”走る実験室”として捉えています。多くの方々が、CX-5がこれほど活躍するとは予想しなかったのではないかと思いますが、ドライバーの頑張りもあり、チームはしっかりCX-5のポテンシャルを引き出してくれたと思います。今後もこの活動を進捗させたいですね。(ダイナミックなシーンが見られる)ラリーって、本当に楽しいと再認識しました」、と満足げな表情でした。


TCP-MAGICの川戸代表は、「今年のXCRラリー出場プログラムは、計画通りにこれで一旦終了です。まだ今後のことはこれから検討していくことになりますが、私としてはより強くなって来年も必ず北海道に戻って来たいと思います。ご期待ください」、と締めくくりました。


XCRスプリントカップ北海道第4戦「ラリー北海道」の記録動画はこちら(YouTube 7’34”)

Text & Photos by MZRacing

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