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日本国内レース

  • 2022/11/24
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ジャパンツアー決戦は、21歳の箕輪卓也に軍配!

11月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第6戦が開催されました。全国王者を決めるNDシリーズはランキングトップタイの2台が予選から火花を散らし、決勝も最前列からテールtoノーズの大接戦を展開。輝いたのはこの日、最後までトップの座を譲らなかった35号車の箕輪卓也でした。


今回のエントリーはNDシリーズクラスが17台、NDクラブマンクラスが6台。クラブマンには欠場が出ましたが、シリーズは全車が8時25分からの公式予選に臨みました。上空のほとんどは雲に覆われていましたが、青空も少し見えて雨の気配はなく、規定通り全車がオープンで20分間のアタックにコースイン。コンディションは気温9℃/湿度77%/路面温度12.4℃でした。

まずタイムを出してきたのは箕輪。10月8日から各地区のシリーズで3連勝を飾り、先週のSUGOこそ2位に終わりましたが、北日本シリーズのチャンピオンを確定させた21歳の大学生です。ジャパンツアーシリーズもランキング1位タイで、この最終戦に臨んでいます。最初のアタックで2分27秒553を記録し、次の周も27秒534まで削って早々にピットイン。この時点では2番手が2分29秒台で、まさにブッチギリ状態でした。

その後、最初にタイムを28秒台に入れてきたのは171号車の野村 充。アタック2周目に2分28秒734を叩き出して、ピットに戻りました。そしてランキング3位でわずかに逆転の可能性を残していた東日本王者、16号車の上田純司もアタックを開始。序盤は2分29秒を切れず、ようやく3周目に2分28秒892を記録しますが、そこまで。そして10分過ぎ、ラップモニター上段に姿を見せたのがもうひとりのポイントリーダー、116号車の梅田 剛。アタック2周目に2分28秒669を記録し、さらに次の周で28秒073までタイムを削ってきました。

結局、2分27秒台は箕輪のみで、28秒台に梅田→野村→上田という3名が続くという、少しタイムが離れた展開になりました。以下、5番手は89号車の鈴木大智でベストは2分29秒401。6番手に103号車の松尾康博が2分29秒466で続いて、ここまでがシリーズの入賞圏内で決勝をスタートすることになりました。


ロードスター・パーティレースⅢの今年最後の戦いは、ほぼオンタイムの10時49分にスタートが切られました。上空の雲が分厚くなってきたもてぎのコースコンディションは、気温12℃/湿度67%/路面温度14.8℃となっていました。

7ラップの決勝はジャパンツアーシリーズでは恒例となったローリング方式で、ポールポジションの箕輪は順当に加速。最初の1コーナーにはインをブロックする必要もなく、一度アウトに振ってからの理想的なラインで進入していきます。逆転を果たせなかった梅田でしたが、もちろん箕輪の背後にはピタリと張り付いて0.861秒差で通過。これがコントロールライン上では最大のギャップで、まさに鍔迫り合いの序章でした。

グリッド2列目の野村と上田も1周目を0.820秒差で通過。この2台もこれより差が詰まることはあっても、広がることはない接戦を最後まで演じきりました。一方で、5位以降はオープニングラップで順位が大きく変わりました。まず5番グリッドの鈴木はひとつポジションをダウン。6番グリッドの松尾は1コーナーで挟まれて行き場をなくし、一気に10位まで後退。代わって8番グリッドだった1号車・菊池峻斗が5位にジャンプアップ。これは大躍進でしょう。

2周目以降も順位こそ変わりませんが、トップを争う2台と3位&4位の2台はそれぞれ緊張感あるバトルが続きました。2周目には7番グリッドだった81号車・滝口智弘が鈴木を抜いて6位に浮上。また松尾も32号車の横田 剛を抜き返して9位まで挽回しました。さらに3周目のS字出口で8位を走行中でした69号車の相澤康介が姿勢を乱してしまい、接触を避けようと少し無理をしたのが裏目に出て単独のクラッシュ。幸い身体は無事でしたが、リタイアを余儀なくされました。

梅田は2周目に決勝中の最速となる2分28秒532を記録するなど、最後まで1秒以内の僅差で追い詰めますが、箕輪も隙を見せません。それでもファイナルラップの第1セクターで全体ベストの区間タイムを叩き出し、その勢いで90°コーナーでインから並びかけようとしますが、ここは箕輪が1台分の幅を残しながら応戦。少しテールをスライドさせながらもしのぎ切るという、素晴らしいファイトを見せてくれました。

3位を争う2台のギャップはさらに接戦でしたが、ここもキャリアの浅い野村が守り抜いて、パーティレースでは昨年のデビュー戦(SUGO)に続く2度目の表彰台をジャパンツアーシリーズで達成。ただ一触即発の接近状態で、クリーンなバトルを貫いた4位の上田にも拍手を送りたいと思います。

そして5位の菊池を先頭にしたグループは相澤の離脱以降、当初は4台のダンゴ状態。ここから少しだけ菊池が抜け出して、6周目からは「滝口→鈴木→松尾」の三つ巴バトルとなり、輝いたのが松尾。5コーナーで鈴木を抜き去りますと、ホームストレートで滝口の立ち上がりの小さなミスを見逃さずにパッシング。そのままチェッカーまで走り切って、6位入賞を勝ち取りました。


今季のジャパンツアーシリーズでチャンピオンには21歳の箕輪が輝き、今年から新たに全国チャンピオンに贈られる「MAZDA SPIRIT RACING CUP」を獲得しました。2016年の初代ND日本一王者、梅田は惜しくも2位で、3位は上田となりました。以下、シリーズ4位に本多永一、5位に松尾、6位に瀧口というのが最終順位。さらに本シリーズのグレートパーティレーサー・オブ・ザ・イヤーには登坂 紀、ルーキー・オブ・ザ・イヤーには菊池、ウーマン・オブ・ザ・イヤーには辻田 慈が輝きました。


箕輪は「最高に嬉しいです。途中で少し離れたのですが、どこかで勝負されるとは思っていたので、最後も少しだけブレーキを遅らせて対応できました」と振り返りました。


なお、4台で争われたNDクラブマンクラスは、今季このクラスですでに4勝と大活躍している155号車の松原泰世が予選からライバルを圧倒しました。決勝も2番手の52号車・古田孝一の追撃を振り切って、堂々の5勝目。来年に向けてのクラブマン卒業宣言を行いました。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

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