MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2022/10/13
  • OTHER(日本)

全日本ジムカーナ選手権第8戦 JG8小林が6勝目、JG6ユウはシリーズ全勝

2022年の全日本ジムカーナ選手権最終戦となる第8戦「SUPER GYMKHANA IN IOX-AROSA」が、10月8日(土)〜9日(日)に富山県南砺市のイオックスアローザ・スポーツランドで開催されました。JG8クラスでは、すでに今シーズンのチャンピオンを獲得している小林規敏が、両ヒートを制する走りで今季6勝目を獲得。同じく2年連続となるJG6クラスのチャンピオンを獲得したユウも、第1ヒートのタイムで逃げ切り、シリーズ全勝となる7勝目を獲得し、タイトルに華を添えました。


2022年の全日本ジムカーナ選手権も、いよいよ最終戦を迎えました。最終戦の舞台となるイオックスアローザ・スポーツランドは、スキー場の広大な駐車場を利用したパイロンジムカーナコース。コースの中央がパイロンで仕切られ、前半区間は低中速コーナー主体のテクニカルセクション、後半区間は強いGがかかるハイスピードセクションで構成されています。前半区間は回頭性能の良さが求められ、中間から後半区間にかけてはトラクション性能が求められるコースが設定されました。

7日(金)の練習走行は終日雨と霧、8日(土)の公開練習も一時は雨が降るなど天候が不安定な週末となりましたが、決勝日の9日(日)も、第2ヒートのJG6クラスが走行する頃に一時強い雨が降り、一度は雨が上がったものの、JG3クラスが走行する時間帯にはふたたび本降りとなりました。第2ヒートがウエット路面の場合、勝敗はドライ路面の第1ヒートで決まることが多いのですが、ここイオックスアローザ・スポーツランドは、ドライ路面の場合は駐車場特有のダストが路面を覆った状態のために滑りやすいことが多く、ウエット路面の場合は路面を覆うダストが洗い流されるために逆にタイムアップすることもあるという特徴を持つコースです。今回も、クラスによっては雨の第2ヒートでの逆転劇が、各クラスで展開されました。

シリーズ最終戦には、併設された箱Dクラスを合わせて140台が出場。そのうち、36台のマツダ車が出場しました。


ロードスターを駆る小林規敏が自身初となる全日本チャンピオンを獲得したJG8クラスは、その小林が第1ヒートのベストタイムをマークします。そのタイムは第2ヒートに入っても破られることはなく、クラス最終ゼッケンの小林がスタートする時点で、今季6勝目が確定。さらに小林は自己タイムを0.308秒短縮する走りを披露し、有効戦数の6戦全勝となる今季6勝目を獲得しました。また、2位には第1ヒートのタイムで箕輪雄介が入賞し、シリーズランキングをひとつ上げ2位を獲得。第1ヒートはパイロンタッチに終わった斉藤邦夫が第2ヒートでリカバリーし、3位表彰台を獲得しました。


JG6クラスは、ロードスターRFで2年連続となるチャンピオンを獲得したユウが、第1ヒートのベストタイムをマーク。第2ヒートは大多和健人がユウの第1ヒートのタイムに迫りますが、0.368秒届かず。第1ヒートのタイムで逃げ切ったユウが、今シーズン全勝となる8勝目を獲得するとともに、昨年から続く連勝記録を10に伸ばしました。2位には「今シーズンはユウ選手が目標でした。シーズンをとおしてユウ選手に引き上げてもらうことができました」という大多和、3位には佐藤宏明が今季2回目の表彰台を獲得、4位に有田光徳、5位に内田敦と、ロードスターRFがHG6クラスの上位5位までを独占する結果となりました。


JG8クラス優勝/小林規敏コメント

「第1ヒートはスタート直後にフロントタイヤをラインから外してしまう大きなミスをしてしまったのですが、そこでリズムを崩さずに走り切れたが良かったと思います。第1ヒートで『そこは攻めちゃダメなんだ』と分かったので、第2ヒートはうまく切り替えられたと思います。最初にミスしたことが、逆にラッキーだったと思います」


JG6クラス優勝/ユウ コメント

「第1ヒートはうまくまとめて走ることができたんですけど、第2ヒートは路面の変化にうまく対応できませんでした。第2ヒートのタイムでは大多和選手に負けているので、試合には勝ちましたが勝負には負けた気分です(苦笑)。気負ってしまったのか、第2ヒートはとにかく走りが噛み合いませんでした」


シーズンを振り返るふたりのチャンピオン

今シーズン、8戦中6勝という圧倒的強さでJG8クラスの初チャンピオンを獲得した小林規敏。昨年の2021年は8戦中4人、新型コロナ禍で開催中止が続出した20年は4戦中3人のウィナーが誕生した激戦区だけに、シーズン6勝は2019年に5勝を挙げてタイトルを獲得した小俣洋平を超える快挙となりました。ちなみにその年の小林は2勝を挙げ、シリーズ2位を獲得。その後、今シーズンまで優勝から遠ざかっていたものの、今年は見事復活のシリーズとなりました。その小林に、シーズンを振り返って貰いました。

「クルマの仕上がり自体は昨年あたりから良くなっていて、今シーズンはリヤのブレーキパッドを変えたことが、良い方向に繋がったと思います。ターンセクションも安心して攻め込むことができました」と小林。そのうえで、「今シーズンは結果的に6勝を挙げることができましたが、勝てなかった20年と21年も含めて接戦が続いていたので、そのなかで優勝を重ねることができたのは、運だったりラッキーな面もあったと思います」と、シリーズを振り返りました。

そのなかで勝ち進むことができた小林ですが、その秘訣はセッティングにもあるといいます。

「このロードスターは限界が高いクルマで、それを維持したままの状態にセッティングするのが難しかったのですが、その方向性が少しずつ見えてきたことも、安定した成績に繋がったと思います。今は、どのコースでもタイムが出るように仕上がっているので、乗りやすいクルマになっていると思います」と、クルマが持つ限界の高さを活かしたセッティングが、連勝の原動力になったということです。

「来シーズンも、このクルマで連覇を狙いますが、余計なことを考えずに走りを楽しみたいです」と小林。激戦区のJG8クラスで、来シーズンもロードスターで連覇を狙います。


一方、JG6クラスで2年連続チャンピオンを獲得するとともに、シリーズ全勝という偉業を達成したユウ。シリーズ全勝は、2012年にクラス不成立となった第4戦を除き、残りの8戦すべてで当時のDクラスで連勝を重ねた小林キュウテン以来の快挙となります。

「勝つことを意識するというより、ベストな走りができることを常に意識しています」とユウ。今シーズンの快進撃についても、「ロードスターRFというクルマは、足まわりのセッティングの幅が広く、どのコースにも合うクルマ作りをずっと目指してきていました。今年は、それを結果に繋ぐことができたシーズンだったと思います」と、今シーズンを振り返りました。

「どのクルマも、いろいろなシチュエーションにおいて4輪すべてを使えているという状態を目指して、セッティングを進めてきました。例えば、アンダーステアが出るのは先にフロントが限界を迎えた状態であって、逆にオーバーステアが出るのはリヤが限界を迎えた状態。限界を迎える他方のタイヤを使い切っていないという状態がもったいなくて、4輪同時に限界を迎えるようなセッティングを進めてきました」といいます。その仕上がりは、「今はすごく乗りやすいクルマの状態になっていて、例えば僕じゃないドライバーが試乗しても、僕のタイムを超えちゃうくらいの状態になっています(笑)」といいます。

来年は、「JG6クラスとJG7クラスが同じクラスになるので、新たなライバル勢に対してロードスターRFがどんな戦いをするのか、楽しみにしています」とユウ。JG6クラスでは連戦連勝を重ねましたが、実はJG7クラスのトップタイムもユウにとっては「モチベーションのひとつとなっていた」とのことです。


来シーズンの新たな戦いに、期待がかかります。



Text & Photo by CINQ LLC

MAZDA MOTORSPORTS 全日本ジムカーナ

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ