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  • 2016/10/29
  • OTHER(日本)

TEAM TERRAMOS、マツ耐袖ヶ浦ポールtoウィンの秘訣やいかに

10月23日に千葉県の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイにて本年のマツダファンエンデュランス(通称マツ耐)第4戦が行われ、TEAM TERRAMOSのNCロードスターNR-A(梶忠光/藤井順子/鎌倉裕貴/梅田剛)がポールポジションからスタートし、総合優勝を果たしました。チームの紅一点、藤井さんとパーティレース東日本シリーズで活躍中の梅田さんから共同制作の手記が届きましたので紹介します。

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 2015年から寺田陽次郎さん率いるTEAM TERRAMOSでは、レーシングドライバー育成プロジェクトの一環でこのマツ耐に出場しています。マツ耐は、150分(2時間30分)という規定時間内にどれだけ多くサーキットを周回できるかというレースです。全車燃料満タンでスタートしますが、途中の給油が禁止されているため、単に速く走るだけでは上位進出どころかガス欠で完走できないこともあります。また、タイヤやブレーキの消耗や燃費など、様々な要素を考慮する必要があります。こうしたレースの総合的なマネージメント力を磨き、速さだけでなくレース強さを学ぶこと。また、他にどのようなクルマが参加していようと、毎周安定した燃費とタイムで走り続けるスキルと精神力を養うことなどを目的としています。

 レース前には、監督の寺田さんを筆頭にメカニックとドライバー全員で事前ミーティングを行っています。ミーティングでは、袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで開催されたマツ耐の過去データ(2014年)を参考に、目標周回数を設定しました。そしてそれを達成するための平均燃費とラップタイムの目標を設定し、レース中にリアルタイムでラップタイムをドライバーに指示できるように計算ソフトを開発しています。また各ドライバーとも袖ヶ浦フォレスト・レースウェイは走行経験がないため、プロレーサーや他のドライバーの車載映像を研究し、事前にドライビングの目標物などを検討し走りのイメージトレーニングを行っています。車両の準備は、ご支援頂いている関東マツダ様とドライバー兼メカニックである梶忠光が行いました。普段のパーティレース車両の準備に加え、マシントラブルのないようにボルト類の増し締め確認や配線類の緩みがないか等をチェックしています。  前日練習走行では、もっともペースが上がらないと予想される藤井が重点的に練習走行しました。そして各ドライバーの走行動画を全員で確認してアドバイスし合い、燃費走行に徹底し、目標燃費で速く走行する方法を模索しました。またマツ耐は多数のクラスが走る混走レースであり、レース中にトラフィックが混雑することが予想されます。そのため追い抜きや抜かれる際のタイムロスを最小限にするような、スムーズな走りを心がけようということになりました。

 予選は梅田と鎌倉が担当しました。マシンの消耗を最小限にするため4周のみタイムアタック行い、無事ポールポジションを獲得することができました。レースオーダーは、梶→藤井→鎌倉→梅田の順番です。前半は燃費走行に徹し、後半で追い上げる作戦です。走り出すと、一時的に11位まで順位を下げる場面もありましたが、最終的にはレースプラン通りの102周を走行し、総合優勝と最高の結果を残すことができました。各ドライバーともほぼ目標燃費で走行することができましたが、梶、藤井ともにそれぞれの目標タイムにおおよそ1周1秒ほど及びませんでした(その後の鎌倉と梅田とも同様に1秒及ばなかったので、コースコンディションが良くなかったか、もしくは計画に無理があったものと考えられます)。そのためレース中にチームミーティングを行い、燃費マージンを0.1km/L削り、鎌倉と梅田のラップタイムを速くすることでレースプランの周回数に近づけることとしました。レース中の目標タイムの指示は、計算ソフトを作成した梅田と、梶の両名が行いました。監督である寺田さんからは、各ドライバーが自己ベストを尽くし、各々がミスのないよう仕事をきっちりこなすように指示を受けました。

 マツ耐はただ速いだけでなく、セッティングを含むレース車両の準備、チームワークや戦略などのレースマネージメントすべてが要求される総合スポーツであるといえます。これがナンバー付き車両で楽しめるのが醍醐味です。私たちは、第3戦茨城ラウンドではマシントラブルによって優勝争いから脱落しており、その反省から今回のレースでは戦略のウィークポイントを洗い出しました。マシンを最高のコンディションとなるようメンテナンスし、燃費走行やピットインのタイミング、ピット作業の効率化、各ドライバーが燃費を維持しつつ速く走らせる方法などを事前ミーティングや練習走行などで煮詰めました。今回はそれらの準備によって、最高の結果を残すことができたと思います。

 チーム監督の寺田さんは、「今回のマツ耐は、今年から本格参戦した藤井の育成目的のために参戦しました。前回のマツ耐筑波も同じ目的だったのですが、予期せぬトラブルのため敗退してしまい今回はそれのリベンジをかけた参戦でした。結果は、ご覧の通り4名のドライバーが各々のスティントを予定通りに走ることができ、耐久レースならではの面白いレース展開となりました。各ドライバーにとっては、大いに勉強になったのでは、と思います。次戦も楽しみですね。ご声援頂いた皆様に厚く御礼を申し上げます。有り難うございました」と語っています」。

 以上のように、マツ耐はレースプランを計算し、それぞれが役割を確実に果たさなければ勝てないチームスポーツです。また、今回は袖ヶ浦に29台ものマシンが集まるなど、マツ耐人気はうなぎのぼりです。TEAM TERRAMOSは長い時間をかけてチーム力とスキルを磨いてきましたが、これを読んでいる貴方と友人のみなさんがその気になれば、誰にでも総合優勝を手にするチャンスがあるのです。これは、マツダ車オーナーの特権だと言えるでしょう。

Photo by B-Sports

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