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  • 2017/06/12
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パーティレース東日本Rd2 第1レースは入江が、第2レースは辻が優勝

茨城県の筑波サーキットでは2017年5月28日、ロードスター・パーティレースⅢ東日本シリーズの第2戦が行われました。今回はNDクラブマン/NCシリーズ/NCクラブマン/NBシリーズの4クラス混走を第1レース、NDシリーズを第2レースと分割しての開催です。

 

10時37分から15分間の予定で始まった第1レースの公式予選は、前述の4クラス21台が出走。クラスにより排気量も異なって速度差が大きいため、クリアラップを探すのも大切な戦略のひとつとなります。

開始早々にクラストップのタイムが記録されたのがNCクラブマン。5月5日の開幕戦ではクラス3位だった79号車の小林秀樹が1分11秒849で走り、開幕戦2位の10号車・榎園弘も1分11秒859の超僅差で続きます。一方で開幕戦ウイナーの81号車・相田聡は1分12秒137と、わずかに11秒台には届きませんでした。

 現行のパーティレースでは最速のNCシリーズは、出場した7台が次から次へとベストを更新する目の離せない展開となりました。開幕戦を制した75号車・入江直がアタック2周目に出した1分9秒348で総合ポールも確定かと思われた9分過ぎ、開幕戦8位だった14号車のコスゲタカシが1分9秒166を叩き出して大逆転に成功します。

 3番グリッドも開幕戦はクラス6位だった80号車のイイヌマアキエが1分9秒361で獲得。逆に開幕戦でポディウムに立った15号車・亀山晃代と195号車・加藤隼人の実力者ふたりが、4位と5位からの決勝スタートになりました。

 

NDクラブマンの上位争いも激戦でした。クラストップは開幕戦で2位だった120号車・木村幸弘で、タイムは1分11秒458。前回は勝利した103号車・松尾康博が1分11秒648で肉薄します。クラス3位は27号車のISHIKAWAでタイムは1分11秒950。NCクラブマンのトップ2台を挟んで追いかける展開となりました。

 

NBシリーズは開幕戦の勝者、165号車の岡澤清英が1分12秒488でトップ。同じく3位だった49号車・岡本勇一が1分12秒659、同2位の96号車・小森晴夫が1分12秒739で続いています。

 

NCシリーズのコスゲはクラシック・ポルシェで筑波や富士を走ったキャリアを誇りますが、NCは今年1月に購入したばかり。「ようやく慣れてきました。今日はなかなかクリアが取れずに様子見していましたが、いいタイミングでアタックできました」とのことです。

 

今回は第2レースとなるNDシリーズの予選も、10時55分の予定から少し遅れて始まりました。今回のエントリーは27台(1台が欠場して出走は26台)。筑波のフルグリッドを超える31台がエントリーした開幕戦はA/Bの2組に別れましたが、今回は全車一斉となりました。

 

71号車の登坂紀が最初に1分10秒台に入れますが、開幕戦を制した74号車・辻かずんどがいきなり1分10秒276を出し、さらにアタック2周目に同110までタイムを短縮。ここからは10秒台前半で上位グリッドを争う展開になります。

予選の序盤、辻のタイムに接近したのは開幕戦6位の159号車・イシカワでした。1分10秒636、同322、同264と、3周連続でタイムを削りますが、わずかに届きません。さらに69号車・濱野賢一が1分10秒334、78号車の出来利弘も1分10秒355を記録します。

 そして予選も半ばも過ぎようという頃に、24号車の猪爪俊之がコースイン。開幕戦のポールシッターで、決勝でも2位となった実力者です。最初のアタックで出したタイムは1分10秒126。わずか0.016秒という僅差ですが及ばず、第2戦の決勝は2番グリッドからのスタートとなりました。

 辻は「トラコンをONにしたままで少しタイムをロスした印象ですが、結果オーライでしたね。猪爪さんはスタートがメッチャ上手いので、もしそこで負けても諦めずに追いかける覚悟です」とコメントしました。

 

NBからNDまでの3世代21台混走の第1レース決勝は、上位グリッドを占めるNCシリーズ勢にいきなり事件が発生しました。最前列のコスゲと入江の2台は順当にスタートを決めましたが、2列目以降は4番グリッドの亀山が絶妙のダッシュで3番手のイイヌマを1コーナーまでにパッシング。さらに予選5位の加藤はホイールスピンを起こしてしまい、一気に2台に抜かれてしまいます。

 次のドラマは2周目の第2ヘアピンで起こります。コスゲがヒール&トウの最中に3速から4速に入れるミスを犯します。百戦錬磨の入江がこれを見逃すはずはなく、最終コーナーでサイドbyサイドに持ち込み、コントロールライン手前で抜き去って勝負あり。その後もコスゲは1秒から2秒差で追走しますが、入江も巧みにギャップをコントロール。見事に開幕2連勝を飾りました。コスゲも開幕戦の8位から大幅にジャンプアップ。3位の亀山は2戦連続の表彰台獲得です。

 入江は「予選ではやられてしまいましたが、なんとか決勝でリベンジできてよかったです」と笑顔で語りました。コスゲは「自分のミスなので仕方ありません。頑張ろうと思ったけど、とても防ぎきれませんでした」と素直に振り返りました。

 

次にNCクラブマンの予選トップ、小林もスタートで戦いを有利にしたひとりです。前にいたNDクラブマンの上位2台、木村と松尾をごぼう抜きして、自らのクラス2番手だった榎園との間に大きなギャップを築きました。その後は順位に変動なく、規定により入賞は優勝の小林のみとなりました。

 小林は「今回はたまたま予選でタイムが出たのと、展開にも恵まれました。ライバルも仲間なので、次回も一緒に競い合いたいです」とコメントしました。

 

最初から最後まで、ずっと接戦だったのがNDクラブマンのトップ争いです。前述の木村と松尾がテールtoノーズ状態で、ゴールでのギャップもわずか0.265秒。開幕戦は松尾に予選で惜敗し、スタートでNCクラブマン勢に間に入られてしまった木村ですが、見事に雪辱を果たしました。3位にはこれがパーティレース3戦目という、20号車の五賀貴男が入賞しています。このクラスのトピックスとしては、ミスタールマンこと寺田陽次郎氏が率いるTeam TERRAMOSから、日本の3大ヴァイオリニストでもある古澤巌が初参戦し、無事6位完走を果たしました。

 木村は「小林さんに抜かれてしまったのですが、逆にいいペースで引っ張ってもらった感じになり、なんとかチェッカーまで凌ぎきることができました」と語りました。

 

4台で争うNBシリーズはスタートで大きな波乱が起きました。予選クラス3番手の小森が一気に2台を抜いて、首位に踊り出ます。しかし予選トップの岡澤が徐々に追い詰めて、ようやく10周目に逆転。同じく予選2番手だった岡本も終盤は小森の背後を脅かしますが、抜くまでには至りませんでした。

 岡澤は「またスタートに失敗してしまいました。(接触しての)ノーポイントも反省材料ですね」と、勝っても今ひとつの表情でした。

 

第2レースの決勝は26台で争われました。周回数はいつものように15ラップです。注目のスタートでは予選5番手の出来が4番手の濱野をかわし、予選7番手の19号車・古宮正信がオープニングラップで2台を抜く快進撃を見せます。

 しかしながら、場内の注目は辻と猪爪の首位争いに集まりました。開幕戦とは逆にポールの辻が先行し、猪爪が追いかける展開ですが、その差は開いても1秒ちょっと。終盤の12周目以降は0.3秒とテールtoノーズ状態に接近します。

 猪爪が勝負をかけたのは14周目のバックストレートから。最終コーナーで並んだ2台は1000分の1秒まで同タイムでコントロールラインを通過し、1コーナーからS字、第1ヘアピンまでサイドbyサイドで並走。最後に笑ったのは、次のダンロップコーナーでイン側となる辻でした。

 3位は予選順位を守ったイシカワ。以下、4位には古宮、5位には33号車のKOYAMA RYUJI、6位に出来と、ここまでが入賞となっています。

 辻は「猪爪さんは上手すぎます。並ばれた時はこちらのタイヤのグリップが負けているのが明らかで、一瞬もうダメかなと思いました。でも、1コーナーでクロスラインを狙ってイン側に位置取りしたのが幸いして、ダンロップまで我慢できました」と激闘を振り返りました。

 

なお、このパーティレースに通算10年以上で、かつ30戦以上参加した功労を讃える「Great Party Racer賞」が今回、NDシリーズに参戦した泉多美宏さんに贈られました。記念プレートに名前が刻印されるこの賞が与えられたのは、これで通算14名となりました。

 

ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第3戦は約3カ月という長いインターバルののち、9月2日の土曜日に開催されます。またパーティレースⅢの次の戦いは岡山国際サーッキトの西日本シリーズ第3戦で、こちらは7月1日の土曜日に行われます。

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