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  • 2022/04/28
  • OTHER(日本)

全日本ダートトライアル第3戦、JD9太田は無念の7位、JD3坂田は2連勝

4月23日〜24日にJAF全日本ダートトライアル選手権第3戦が栃木県の丸和オートランド那須で開催され、昨年のJD9クラスチャンピオンを獲得した太田智喜が路面コンディションに翻弄されクラス7位、JD3クラスチャンピオンの坂田一也は第2戦に続き今季2勝目を獲得しました。


JAF全日本ダートトライアル第3戦の舞台となる栃木県の丸和オートランド那須は、2019年のシーズンオフに大規模な改修を行い、翌年にオープンした「つくるまサーキット那須」の一部を併用する、全国でも珍しいダートとアスファルトのミックスコースとして生まれ変わりました。

決勝のコースレイアウトは、前半がストップ&ゴー的なダート路面を中心に、中盤から後半にかけてはダート路面とアスファルト路面がミックスした高速セクションで構成されています。天候は曇り。路面は散水の影響によりJD11クラスとJD9クラスが走行する前半ゼッケンはハーフウエット状態でしたが、その後ドライ路面に移行。第2ヒートは超硬質路面が顔を出し、全クラスとも第2ヒートのタイムが勝敗に大きく影響しました。エントリー台数は全クラス合わせて139台が出場。マツダ車はJD9クラスに3台、JD5クラスに1台、JD3クラスに1台、JD1クラスに1台の計6台が出場しています。


JD9クラスは、前日の公開練習でトップタイムをマークしていた太田智喜(デミオ15MB)でしたが、第1ヒートは「全体的に荒く走ってしまいました」とクラス7番手。第2ヒートも「丁寧に走ったつもりだったのですが……」と言いながらも思うようにタイムが伸びず、クラス7位という結果となりました。また、第2戦で6位に入賞した本道治成(デミオ15MB)はクラス9位に入りシリーズポイント2点を加算。上位入賞を目指していた地元の上原秀明はクラス11位という結果となりました。

JD5クラスは、地元の向井冬樹(マツダスピードアクセラ)が前日の公開練習ではクラス3位と好ポジションにつけましたが、決勝は「地区戦では経験したことがない超硬質路面に翻弄されてしまいました」とクラス8位。

開催中止となった20年大会を除き、19年に2勝、21年に1勝と丸和と相性の良いJD3クラスの坂田一也(アクセラスポーツ)は、今回も好調をキープ。第1ヒートで2番手と僅差の勝負となりましたが、第2ヒートは1秒以上引き離す走りで圧勝。今季3連勝を獲得するとともに、丸和での連勝記録を4に伸ばしました。また、JD1クラスでは河内渉(マツダ2)が第2ヒートでポジションを上げ、5位に入賞しています。

JD3クラス優勝 坂田一也コメント
「自分自身、よく走ったと思います(笑)。大会前に丸和でテストを行った時に良いセットアップが見つかったので、今回は自信を持って挑めました。4連覇はうれしいですね」


JD9クラス7位 太田智喜コメント
「第1ヒートで失敗したところを修正するように第2ヒートは丁寧に走ることを心掛けましたが、トップに1.2秒離されたのはキツいですね。どこが悪かったかをしっかり分析して、次に繋げます」


健闘する“丸和スペシャリスト”たち

JAF全日本ダートトライアル選手権の丸和ラウンドは、丸和をホームコースとする地元選手たちが大挙出場するイベントとしても知られ、毎年、地元選手が表彰台を獲得する“大番狂わせ”も生まれ、全日本レギュラー陣にとっては“丸和スペシャリスト”と恐れられています。今回、JD9クラスに出場した上原秀明とJD5クラスに出場した向井冬樹も、“丸和スペシャリスト”と呼ばれる面々です。


デミオ15Cとデミオ15MBを合わせて「デミオ歴10年」という上原は、関東ダートトライアル選手権を中心に参戦し、2018年には東北ダートトライアル選手権でシリーズチャンピオンを獲得。丸和で開催される全日本では15年と16年に4位に入賞。18年5位、19年6位と、丸和では高い入賞率を誇っています。デミオの魅力を「旋回性能が高く、コーナリングで速いところが魅力ですね」と評する上原。現在乗っているデミオ15MBは「旋回性能の高さに加え、ミッションが5速から6速に変わったこともプラスになっています。ギヤ比がクロス化しているので3速を多用できるようになり、競争力がさらに高くなりました」といいます。今回は「まったく思うように走ることができませんでした。練習不足です」と反省しますが、丸和の全日本は「自分の腕を確かめる場。走り慣れている丸和ですが、全日本は雰囲気がまるで違うので、来年も出場して良い成績を収められるよう頑張ります」と、来年の丸和ラウンドでのリベンジを誓います。


一方、マツダスピードアクセラでJD5クラスに出場する向井冬樹は、2016年に丸和で全日本優勝を獲得している実力の持ち主。過去には何度も関東ダートトライアル選手権のタイトルを獲得しています。その向井が、19年のシーズンオフに「ライバルがあまり使っていないクルマに乗りたい」とアクセラに乗り換え、関東ダートトライアル選手権を中心に参戦。アクセラ歴は今年で3年目になります。 「車重は重たいですけど、クラス最強を誇る2300ccターボエンジンのパワーとトルクが魅力」と語る向井は、「ホイールベースが長いので、高速コーナーでの安定性がバツグン」と、安定性の高さも魅力のひとつといいます。「コーナースピードでタイムを稼ぐタイプのクルマではないので、ウエット寄りのタイヤでトラクションを稼ぎつつ、コーナーはまるでスピンするかのようなラインをたどって、立ち上がりの直線でタイムを稼ぐことを心掛けています」と、まるで4WDターボ車のような走りを実践しています。今回の丸和ラウンドは「今回は自分の走りがダメでした。基本的にウエットタイヤで走っていたので、地区戦では経験したことがない超硬質路面に走り方を合わせることができませんでした」とクラス8位。それでも上原と同様に「丸和の全日本は自分の腕を試す場所」として、来年も熟成を重ねるアクセラで年に一度の丸和で表彰台を狙います。


JAF全日本ダートトライアル第4戦は、5月27日〜28日に北海道のオートスポーツランドスナガワダートトライアルコースを舞台に開催されます。



Text & Photo by CINQ LLC

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