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日本国内レース

  • 2024/05/09
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東開幕戦&JT第2戦 2021年の全国王者、南澤拓実が筑波で3年ぶりに復活

5月5日、筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズが開幕。このレースは昨年から、ジャパンツアーシリーズ第2戦とのダブルタイトルで行われるようになりました。フルグリッドを超える50台がエントリーしたNDシリーズは予選から2組に分かれての走行となり、各組上位13台が決勝に進出。予選2組の首位で2番グリッドからスタートした105号車の南澤拓実が鮮やかなダッシュで先頭を奪い、そのまま18ラップを逃げ切ってトップチェッカーを受けました。


岡山の西日本シリーズ、宮城の北日本シリーズに続いて、茨城県の筑波サーキットでも東日本シリーズが開幕。2018年から「筑波サーキット・カーフェスティバル(筑フェス)」と名称をリニューアルしていますが、その32年前から「オールドナウ・カーフェスティバル」として脈々と続く、こどもの日恒例のイベントの中での開催となりました。パーティレースにとっても22年前のこの日から、歴史を刻んできた記念日でもあります。エントリーはND型ロードスター導入後のパーティレース”Ⅲ”では最多となる合計88台。NDシリーズの50台に加えて、今季が最終となるNCシリーズに12台、さらにNDクラブマンに26台という内訳です。

朝一番のブリーフィングではまず、マツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの久松忠輝マネージャーが登壇。「パーティレース発祥の地の筑波は、やはり独特の雰囲気がありますね。今日は暑くなりそうですが、体調に気をつけつつ、存分に楽しんでください。なお自分も6月9日の岡山には久しぶりに参戦して、皆さんと一緒に盛り上げていきたいです」と挨拶。もちろん参加者からは拍手で歓迎されました。

この日もまた新しい仲間が大勢加わりました。161号車・佐々木光/200号車・YOSHIKI/290号車・堀口雄太/153号車・蓑島大奈/128号車・森村元紀/230号車・松本尚也/260号車・新道遼介/75号車・吉田綜一郎という8選手が初めての参加になります。恒例により全員が一言ずつ意気込みなどを語りました。


NDシリーズの予選1組は8時40分からの15分間。この日の上空には雲ひとつない青空が広がり、8時30分の段階で気温23.7℃/湿度53%/路面温度32.4℃まで跳ね上がりました。まずリーダーボードの最上段に登場したのが、118号車の石谷豪志。4月6〜7日のSUGO2連戦でシリーズを連覇した勢いを見せました。1分10秒572から10秒436と削り込み、さらに一度クールダウンしてから1分10秒407を開始9分過ぎに記録。高いレベルのタイムを3回も揃えてきました。

2番手は38号車の宮應政宗でベストは1分10秒662。これに続いた16号車の上田純司と186号車の勝木崇文は奇しくも1分10秒721の同タイムでしたが、この場合は先に記録した上田が上位という規定です。さらに35号車の加藤達彦、54号車の三宅陽大、91号車の沢崎祐一まで7名が1分10秒台というハイレベルな争いになりました。

一方でNDシリーズの予選2組は9時ジャストからの15分間。気温は23.3℃で誤差の範囲内も湿度は48%に下がり、路面温度は36.0℃まで上昇。この組をリードしたのは2021年の東日本王者でマツダカップも獲得した105号車の南澤拓実。1分10秒530から10秒441まで削り込むが、1組の石谷のタイムにはわずかに届きません。実はこの2組目で1分11秒を切ったのは他に1名のみで、193号車の深谷 諄が1分10秒659を記録。3番手で十勝のコースレコードを持つ63号車・吉田恭将をはじめ、昨年は東日本NCシリーズで2勝を挙げた168号車の森本進一、先日の合同テストでトップだった280号車の丹羽英司など実力者たちが続くものの、タイムは1分11秒台にとどまりました。

そして規定により、全体最速の石谷がポールポジションを獲得し、2番グリッドには2組の最速の南澤。以下のグリッドはタイムに関係なく、各組での順位で交互に割り振られました。そして各組13位(合計26台)までがメインレースに出走します。なおNDシリーズは各組で1名ずつが予選に出走しなかったため、各組の14位から24位までの合計22台がボーナスレースに駒を進めることになりました。


NDシリーズの決勝は精鋭26台がグリッドに並び、13時27分に18ラップのバトルが始まりました。このローリングスタートで、まずはトップが入れ替わりました。2番グリッドの南澤が1コーナーの進入までに、ポールの石谷を鮮やかにオーバーテイク。また5番グリッドだった上田が、一気に3位に浮上しています。

そして後方集団ではアクシデント発生。早くも2周目から5周目まで、セーフティカーが導入されました。先頭は南澤で、石谷とはこれで超接近バトルに。さらに上田の後方に深谷が続き、少し離れて加藤、さらにその後方には勝木と森本、三宅という実力者たちが追走する展開になりました。

セーフティカー解除後は石谷が執拗に南澤を追い詰めますが、さすがにパーティレースの元全国王者は隙を見せません。結局、0.171秒という僅差でしたが、南澤が逃げ切って、3年ぶりに筑波で優勝という復活劇を達成 (昨年のジャパンツアー第6戦・富士でも優勝しています) 。石谷は先日のSUGOに続く3連勝の夢は敗れました。なお3番目にゴールした上田ですが、スタート手順違反(フライング)と認定されたために30秒が加算されて23位に。深谷が繰り上がって3位に入賞。以下、加藤と勝木、森本までが入賞となりました。

南澤は「スタートはタイミングもコースも狙い通りで上手く行きました。セーフティカーがなければ、もう少し楽な展開になったはずですけど」と作戦通りだったことを明らかにしました。

なお、NDシリーズの予選で27番手以降となった選手を対象にしたボーナスレースは、ポールポジションからスタートした28号車の普勝 崚がトップチェッカーを受けました。NCシリーズクラスでは2019年の参戦以来、出場した全戦で優勝を果たしている86号車の井尻 薫が予選からライバルたちを圧倒。出走26台と盛況だったNDクラブマンクラスでは、的場雅仁が堂々のポールtoウインで嬉しい初優勝を飾りました。


パーティレースの次の戦いまでは少しインターバルがあります。6月9日の日曜日に、岡山国際サーキットで西日本シリーズの第2戦が開催予定です。ジャパンツアーシリーズの次なる第3戦は、栃木県のモビリティリゾートもてぎで、6月16日の日曜日に行われます。また、東日本シリーズ第2戦は同じ筑波サーキットで、7月27日の土曜日に開催が予定されています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

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