MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2024/08/22
  • JGC

JGC Rd.9 PN2/SHUN、PN3/大多和健人のチャンピオンが確定

2024年全日本ジムカーナ選手権第9戦「SUGO ALL JAPAN GYMKHANA」が、第8戦を終えた翌日の8月19日(日)に、第8戦と同じ会場のスポーツランドSUGO国際西コースで開催されました。PN2クラスは、シリーズランキングトップのSHUNが今季4勝目を獲得し、自身初となる全日本チャンピオンを獲得。PN3クラスもシリーズランキングトップの大多和健人が今季4勝目を獲得し、SHUNと同じく自身初の全日本チャンピオンを優勝で確定させました。


今年3回目の2連戦となる第9戦は、第8戦と同じくスポーツランドSUGO国際西コースを舞台に開催されました。

コースレイアウトは、前半区間を前日の第8戦と逆向きに走行後、コース中央の道幅が狭いショートカットシケインを抜けたあとは、第8戦と同じ向きにコースをトレース。前半の180度ターン、後半の270度ターンの計3カ所のターンは、第8戦と同じ位置に設置されています。

朝7時45分から第1ヒートがスタートするスケジュールは、PE1クラスやPE2クラスが走る時間帯は厚い雲が上空を覆う曇り空でしたが、PN1クラスが走行する頃には天候が一気に回復。第2ヒートが始まる頃には気温が30度を超え、路面コンディションは両ヒートともドライに。両ヒートで0.1秒を競う戦いが展開されました。

エントリー台数が、第8戦と同じく128台。そのうちマツダ車も、第8戦と同じく24台がエントリーしています。


PN2クラスは、タイトル獲得に王手をかけているSHUNが、トップタイムでゴールを駆け抜けながらも、脱輪ペナルティが加算され幻のベストタイムに。第1ヒートは、今季未勝利の小野圭一がベストタイムをマークします。第2ヒートは、第8戦を制した箕輪雄介がベストタイムを更新してトップに浮上してくるなか、第1ヒートトップの小野はわずかにタイムダウンを喫し、ポジションを下げます。箕輪のタイムを後続の選手が更新できない状況が続くなか、第1ヒートを幻のベストタイムで終えたSHUNが箕輪のタイムを0.023秒上まわりトップに浮上。クラス最終走者で第1ヒート2番手の小林規敏も第2ヒートでタイムを上げてきますが、SHUNに0.166秒、箕輪に0.143秒届かず3位でフィニッシュ。SHUNが、自身初となる全日本チャンピオン獲得を、優勝で確定させました。


チャンピオン候補が大多和健人とユウのふたりに絞られたPN3クラス。ユウは、この2連戦を連勝することで、最終戦に逆転チャンピオンの可能性を残します。一方、大多和はユウよりも上位に入賞することがタイトル確定の条件となりますが、ユウの優勝を阻止するためには大多和自身が優勝することがタイトル確定への近道となります。

第9戦でタイトルの行方が決まるのか、それとも最終戦での決着となるのか、注目の第1ヒートはユウに0.477秒差をつけた大多和がベストタイムをマーク。2番手にユウ、3番手に川北忠がつけます。

第2ヒートは、前半区間で第1ヒートのトップタイムを上まわるベースでクリアしたユウがタイムアップを果たすものの、大多和がマークした第1ヒートのタイムには0.447秒届かず。第1ヒートのタイムで逃げ切った大多和が、今季5勝目を獲得し、自身初となる全日本チャンピオンを確定させました。


その他、BC2クラスでは第8戦で4位に入賞した若手の飯野哲平が、3位入賞を果たしています。


■PN2クラス優勝/SHUN

「昨日の第8戦は再車検で失格となり、お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。今日の第9戦に向けしっかりとクルマをセットアップし、『絶対に勝つぞ!』という強い思いで挑みました。今年は、1戦1戦を丁寧に走り、楽しく走ることをテーマに戦ってきました。その積み上げが、第9戦の優勝とチャンピオン確定に結びついたと思うので、本当にうれしい優勝でした」


■PN2クラス2位/箕輪雄介

「第1ヒートはシフトミスがあっての4番手タイムだったので、第2ヒートはしっかり走れば勝てると思い、僕が走った時点ではベストタイムを更新できたんですけど、0.023秒逆転されてしまいましたね」


■PN2クラス3位/小林規敏

「今シーズンはいろんなところが少しずつうまく行ってない部分が多く、今回も結果的にはそういった部分が出た1戦となってしまったという感じがしますね。第2ヒートは自分自身でも攻めすぎた部分があって、自分の走りにも納得できていません。全体的に流れが悪かったと思います」


■PN3クラス優勝/大多和健人

「全日本は3年目ですが、3年前に初めて全日本に出場した時は、2〜3年やればチャンピオンを獲れるか獲れないかは別として、トップ勢に追いつけるだろうという感触を持ち、今年はしっかりとクルマも仕上げて戦ってきました。いろいろな方の支えや応援があり、ここまで来ることができました。まわりの皆さんに感謝します」


■PN2クラス2位/ユウ

「ターンが決まった! という感覚はありませんでした。失敗ではないんですが、そういう感覚の差がタイム差につながったと思います。第1ヒートでもうちょっとタイムが出るかなと思ったのですが、届きませんでしたね。第2ヒートも雲が出て影ができて路温がそれほど上がらなかったんですが、そういったチャンスを結果に繋げることができませんでした。全体的に少しずつ負けているんだと思います」


■PN2クラス3位/川北忠

「第2ヒートは昨日(第8戦)と同じコンディションだったと思うのですが、タイムの落ち幅が大きく、特に前半区間をうまくまとめることができませんでした」


■BC2クラス3位/飯野哲平

「自分のなかでは第2ヒートでもう1秒くらい挙げたかったんですけど、路面コンディション的に厳しかったですね。第1ヒートのスタートでミッションが入りづらく、ミスをしたことが結果に繋がったと思います。表彰台3位は喜ぶべきだと思いますが、クルマを万全の体制にして、さらに上を目指していきたいです」

2戦目の第1ヒートに照準を合わせる

全日本参戦3戦目で、自身初となる全日本チャンピオンを掴んだ大多和健人。今シーズンはクルマのセットアップを根本的なところから見直し、万全の体制でシーズンに挑みました。また、ダンロップとブリヂストンという2メーカーのタイヤを天候や路面コンディションに応じて使い分けるというのも、今シーズンに向けた大多和の大きな戦略でした。

「全日本のトップは、タイヤメーカーのサポートを受けている選手がほとんどだと思いますが、逆にどんな条件でもそのメーカーのタイヤを装着しなければならない縛りがある。僕は、自分が思ったとおりの選択でシーズンを戦いたいと思いました」と、2メーカーのタイヤを選択したといいます。

さらに、タイヤの山にも毎戦こだわりを持って勝負に挑んでいたと思います。

「今回の2連戦は、どちらかを勝てばチャンピオン獲得を確定できるので、第8戦と第9戦のうち、確実に勝てる戦略を立てました。タイヤサポートを受けているユウ選手と川北選手は、第8戦で新品タイヤを投入してくるので、第9戦は1回熱が入ったユーズドタイヤで走ることになる。そこで僕は、第8戦でタイヤの山が少ないタイヤで走り、第9戦も第8戦とほぼ同じ状態のタイヤで走る戦略を立てました。第8戦でタイヤを温存し、第9戦の第1ヒートで勝負をかける戦略です」と大多和。その作戦どおり、第9戦の第1ヒートではしっかりとトップタイムをマークしてきます。

「川北選手が第8戦で新品タイヤで走ると分かった時、絶対逆のことをやろうと最初から思ってました。同じことをやって常に勝てる相手ではないのは分かっていますから」と大多和。ライバルと正反対のことで勝負するという、一見博打的な戦略とも思えますが、大多和には確証もありました。

「実は木曜日の練習走行の時に3分山のタイヤで走って、新品タイヤとそれほどタイムが変わらないという、このコース特有の路面も確認していました」と大多和。

ちなみにタイヤサポートを受けないため、シーズンをとおすとタイヤにかかる経費も相当な額かと思いきや、「実は今シーズン、3セットのタイヤで第9戦まで戦うことができました」と大多和。規格外の戦略で、念願の全日本チャンピオンを引き寄せました。


今シーズンの全日本ジムカーナ最終戦となる第10戦は、9月7日(土)〜8日(日)に愛媛県上浮穴郡久万高原町郊外のハイランドパークみかわ ジムカーナコースで開催されます。



Text&Photo by CINQ LLC

MAZDA MOTORSPORTS 全日本ジムカーナ

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ