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日本国内レース

  • 2024/10/24
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JT第6戦、2021年全国王者・南澤拓実が貫禄のダブルV2

10月19日の土曜日、静岡県の富士スピードウェイでロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第6戦が開催されました。22台のエントリーを集めたNDシリーズで輝いたのは105号車の南澤拓実。1年前の富士のジャパンツアーで鮮やかに復活を果たした2021年のチャンピオンが、前戦の鈴鹿に続いて2連勝。つまり“ダブルV2”という偉業を達成したのです。


この週末の2日間は「MAZDA FAN FESTA 2024 at FUJI SPEEDWAY」が開催されていたため、会場には多くのマツダファンが来場していました。パーティレースのエントリーはNDシリーズに22台、NDクラブマンに15台で合計37台です。クラブマンの72号車・佐久間大聖、85号車・dannbo、274号車・三輪英則の3名(写真左から)が今回初参加です。7時30分から行われたブリーフィングでは、マツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの久松忠輝マネージャーが登壇。「今日はファンフェスタということで、レース観戦が初めての方も来場されていると思います。ぜひ、皆さんが熱いけれどもクリーンなバトルを披露してくださることを期待します」と挨拶されました。


前夜は雨が降った富士スピードウェイですが、本日は秋らしい絶好のレース日和。路面もドライに回復して、9時20分から20分間の公式予選が始まりました。気温は21℃・湿度89%・路面温度19.8℃です。アウトラップが計測対象にならない富士では、先頭で入ったマシンでも実際にタイムが出るのが4分40秒過ぎ。まずは280号車の丹羽英司が2分16秒687を記録して、ここから戦いが始まります。

実力者たちの本気のアタックがモニターに反映されたのは7分が過ぎたあたり。まずはランキング2位、117号車の石谷豪志が2分13秒870を叩き出して暫定トップに躍り出ます。さらに10分過ぎに前戦の鈴鹿と昨年のここで勝利している実力者、105号車の南澤拓実が2分13秒398で首位が入れ替わりました。さらにポイントリーダーの35号車・加藤達彦が2分13秒458でこれに肉薄。そしてもてぎのウイナー、63号車の吉田恭将が記録したタイムが2分13秒398と、南澤と1000分の1秒まで同じ数字が並びました。この場合、規定により先に記録した方が順位は上になります。

整理するとポールポジションは南澤で、もちろん吉田が最前列でこれに続きます。2列目は加藤と、さらに2分13秒492までタイムを削ってきた石谷。さらに54号車の三宅陽大と186号車の勝木崇文がグリッド3列目で10ラップの決勝をスタートします。


決勝はほぼオンタイム進行で、10時38分にスタートが切られました。直前に計測したコンディションは気温24℃・湿度73%・路面温度29.4℃となっていました。ポールシッターの南澤を先頭に、上位グループは順当に加速して第1コーナーに向かいます。ただ、予選3位の加藤と同じく5位だった三宅という奇数グリッドのふたりが順位を上げて1周目を戻ってきました。とくに加藤のアウト側から回り込んだ1コーナーのパッシングは鮮やかでした。逆に予選2番手だった吉田と同じく4番手だった石谷はひとつずつ順位を落とします。

その後方でも順位変動が起こり、7番グリッドだった2号車の鷲尾拓未がひとつ前の勝木をかわして戻ってきますが、ここ2戦連続で表彰台に立っている勝木がすかさず次の周で抜き返しきたのはさすがでした。ただ、勝木の今日の走りは少し波が激しく、唯一の2分13秒台のファステストラップを叩き出す一方で、上位グループに引き離されてしまう局面も見られました。

したがってシリーズクラスの優勝争いは、南澤をはじめとする上位5台の間で展開されます。まず勢いがあったのはポイントリーダーの加藤。どうやら序盤にプッシュする作戦だったらしく、1周目に2位に上がると、すぐ次の周の1コーナーでスリップから抜け出して先頭に立ちます。ただ、昨年この富士のジャパンツアーで復活優勝を果たした南澤が加藤にピタリと張り付いて離れません。数周にわたって抜きつ抜かれつを繰り返しますが、南澤が6周を終えてストレートを通過した時には、2番手の座は石谷に代わっていました。

石谷は2周目に三宅を抜き返し、さらに4周目には吉田もパスして3位に浮上。前述のように6周目に2位となると、7周目から8周目にかけては先頭の南澤にも何度か仕掛けます。ただ、こうしてトップの選手もバトルに巻き込まれる状態だと、むしろその後方のグループが追いついてくる展開になります。石谷は残り2周で少し勢いが鈍ったところで、加藤と三宅に一気に抜かれて4番手までポジションをダウン。逆に南澤は9周目を終えて、ようやく0.948秒という安全圏に近いリードを築くことに成功しました。

つまり、ファイナルラップの攻防は2位争いとなりました。ここで最終コーナーをうまく立ち上がったのが石谷。ゴールラインまでのわずかなストレートで抜け出して、0.086秒だけ加藤より先にチェッカーを受けることに成功します。したがって暫定表彰には南澤→石谷→加藤という順で高いところに登壇。ところが、レース後の再車検で石谷のマシンに車両規定違反(キャンバー角)が発覚して失格に。したがって2位に加藤、3位に三宅が繰り上がります。以下、4位には吉田、5位に勝木、そして6位には28号車の普勝 崚が入賞となりました。


なおクラブマンクラスは、富士チャンピオンレースにも参戦している254号車の小野佳寿美が予選で堂々のクラストップ。決勝でもほとんどの周回でシリーズクラスを後方に従える“安全運転”で、嬉しい初優勝を飾りました。以下、2位には29号車の鈴木幸尚、3位には102号車の安西柊馬が入ってポディウムに登壇。以下、4位に141号車の秋葉英貴、5位に193号車の山本善隆、6位に60号車の黒田行治が入賞しています。


シリーズで2連勝となった南澤は「鈴鹿でも言いましたが、ここは一番走り込んでいるサーキットなので、ぜひ勝ちたいと思っていました。でも加藤選手をはじめ皆さんも速くて、予想以上に苦しい戦いになりましたね。逆に次の岡山は一度も走ったことのないコースなので、それも楽しみたいと思います」とコメントしました。

この第6戦を終えても、ポイントリーダーの座は安定ぶりが際立つ加藤の98点で変わりません。そして三宅が69点、吉田が66点、南澤が62点、石谷が60点、勝木の59点となり、2位から6位までが僅差でせめぎ合っています。ただし、次戦からは有効ポイント制の関係で、獲得したポイントが全部加算されない選手も登場します。例えば加藤は優勝しても6点しか増えず、4位以下では増減なしとなります。


今年のジャパンツアーシリーズは第7戦の岡山と、最終戦のオートポリスを残すのみとなりました。第7戦は11月9日の土曜日に、西日本シリーズの第4戦とダブルタイトルで岡山国際サーキットにて開催されます。またパーティレースの次の戦いは10月27日の日曜日、茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズの最終となる第4戦が予定されています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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