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  • 2022/06/07
  • ROADSTERCUP

S耐24時間の前座で行われたRSC第2戦で茂木文明が総合優勝

ふだんは富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)の中で開催されているロードスターカップ(RSC)が、昨年からはビッグレースの前座に抜擢。スーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」のサポートイベントとして、6月4日の土曜日に開催されました。RSCとしても、4月3日の開幕戦に続く今シリーズの第2戦です。総合優勝は1,5オープンクラスの7号車・茂木文明。このマシンにスイッチしてからは初めてのトップチェッカーを大舞台で達成しました。


排気量やチューニング範囲などで6クラスが設定されているRSCですが、今回は4クラス合計で26台がエントリー。NDパーティレースと同じ規定の1.5チャレンジクラスが8台、改造範囲の広いNDの1.5オープンクラスが3台、初代NAと2代目NBが対象の1.6クラスに4台、同じく1.8クラスに11台というのがその内訳です。昨シーズンから総合でも3連勝中の2.0オープンクラスの5号車・山崎善健が今回エントリーを見送ったため、誰がトップでチェッカーを受けるのかも注目でした。


公式予選は9時からの20分間。雲の量は多いのですが時折り日が差し、どうやら雨の心配はなさそうです。手元で調べた気温は18℃で、もちろん路面もドライ。この日のコンディションだとタイヤを温めるのに数周を要するようで、予選も後半に入ってから各マシンが自己ベストを次々と更新していきます。ポールポジションを獲得したのは1.8クラスの18号車・小林哲男で、タイムは2分09秒218。途中まで全体ベストを記録していた1,5オープンクラスの茂木は2分09秒307で、わずか0.089秒だけ及びませんでした。

3番グリッドからは1.8クラスのマシンが続きます。前年王者の91号車・神谷誠が2分10秒482、開幕戦でこのクラスを制した12号車・石森聖生が2分10秒903、2号車・渡邉達也が2分10秒977と、この3名が10秒台でしたが、石森は複数回の走路外走行を行ったために4グリッド降格のペナルティ。2列目からは神谷と渡邉がスタートを切ります。以下、3列目には1,5オープンクラスの14号車・小倉徹と1.8クラスの 35号車・松波太郎が並びます。

後方では1.6クラスの実力者たちも鎬を削りました。開幕戦を制した34号車の竹田幸一郎が2分13秒005で、クラストップとなり総合では12位。同じくクラス2位だった27号車の野木 強が2分13秒941で総合では14位。開幕戦クラス3位の73号車・高橋功典が2分14秒086の総合15位と、その差はわずかです。最後に1.5チャレンジクラスではRSC初出場という1号車の菊池峻斗が、2分15秒454で断然のクラストップ。デビュー2戦目の28号車・四條健が16秒台、さらに171号車の田中悠太と38号車の中村 進が17秒台で続きます。


8ラップの決勝は、予定より少し遅れて12時25分にシグナルがブラックアウト。上空は曇り空で気温も21℃と、この季節にしては過ごしやすい気象条件でした。予選で総合13位だった1.8クラスの11号車・松浦健は液漏れのトラブルで、残念ながら決勝を走ることはできません。オープニングラップで4位まではグリッド通りに帰ってきますが、5位で戻ってきたのは石森。4グリッド降格で8番グリッドのスタートから、一気に3台をオーバーテイクです。

上位陣ではフロントローの2台が3位以下を引き離していきます。その2台では追う茂木の方の勢いが勝り、2周目には0.7秒差にトップの小林をロックオン。3周目のヘアピンでインに飛び込んで、早くも先頭が変わりました。一方、3位を走る神谷も1周目終了の時点でこそ渡邉と石森と数珠つなぎ状態になりますが、その後は渡邉と石森が時としてサイドbyサイドのバトル状態になったのが吉と出て、次第に単独の総合3位というポジションになります。

渡邉と石森のバトルは5周目に石森が前に出ると、今度はクラス違いの小倉が渡邉の背後に接近。7周目には小倉が前に出て、そのままチェッカーまで先行します。さらに中団グループでも、1.8クラスの8号車・関野大志と、1.6クラスの竹田と野木という3台の異種格闘技バトルが勃発。とくに関野と竹田はお互いに速いところが異なることを承知した上でクリーンな戦いを最後まで楽しみました。

総合トップの座は茂木が最後まで譲りません。5周目までは小林が1秒以内で食い下がりますが、6周目以降は自らのクラス優勝に切り替えてペースをコントロール。茂木が1,5オープンクラスの優勝とともに混走レースでは初めてのトップチェッカーを達成しました。1,5オープンクラスは3台のため、優勝の茂木のみが表彰の対象です。1.8クラスは総合でも2位の小林が今季初優勝。以下、2位の神谷と3位の石森がポディウムに登壇。さらに4位の渡邉と、5位でクラス唯一のNA8Cを駆る88号車・山田健介までが入賞です。

1.6クラスは前述の通り、竹田が野木の追撃を振り切って2連勝。このクラスは参加4台のため、野木までが入賞です。最後に1.5チャレンジクラスでは菊池が速いペースでリードを拡大。8周のレースで最後は11.265秒という大差を2位以下につける圧勝劇をデビュー戦で演じました。ただ面白かったのは、四條と中村の2位を争うバトルで、ファイナルラップまで“抜きつ抜かれつ”。一時は中村が前を走るも最後はシフトミスを犯してしまい、四條がデビュー戦と同じ2位表彰台を獲得しました。開幕戦を制した中村ですが今回3位に甘んじて、4位の田中までが規定により入賞となりました。

茂木は「インフィールドは僕の方が速かったので、どこかでインに飛び込もうと狙っていました。トップチェッカーはやはり気持ちいいですね。次は今回欠場された同じクラスの山本謙悟さんと勝負したいです」とライバルの復活を望んでいました。小林は「茂木さんは後半ペースを上げてくると思っていたので、先に行ってもらったのは想定内でした。この優勝をチャンピオンにつなげていきたいです」と目標を語りました。2連勝の竹田は「8号車とのバトルも楽しかったし、スリップも利用できてラッキーでした。自分も今年はチャンピオンを狙っていきたいです」とコメントしました。デビュー戦で優勝の菊池は「公式戦は2戦目です。今回はタイヤのコンディションがいい感じで、本当に気持ちよく走れました。楽しかったです」と嬉しそうでした。


RSCの第3戦は7月24日の日曜日、この週末に開催される「ワンメイクレース祭り」の中で行われます。



Text by T.Ishida

Photos by T.Ishida/S.Kokubo(Fuji Roadster Cup Community)/MZRacing

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