MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

日本国内レース

  • 2019/08/27
  • RPR

PRⅢ北日本NDシリーズは杉野治彦が2勝目で王座へ大きく前進

ロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第3戦が8月25日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。NDシリーズは61号車の杉野治彦、NCシリーズは86号車の井尻薫が、それぞれポールポジションから先頭を譲ることなく制覇。ふたりとも初のチャンピオン獲得に大きく前進しました。NDクラブマンは11号車の大堀啓之が優勝しています。


この日のSUGOは青空が広がり、秋の訪れを感じさせる爽やかな日和です。NDシリーズ9台、同クラブマン2台、NCシリーズ3台の計14台のエントリーだったため、予選・決勝ともに全クラス混走です。公式予選はオンタイムの8時15分から15分間で行われました。

先頭で入ったのはNCシリーズの井尻。アタック1周目に1分44秒777を叩き出すと、すぐにピットに戻ります。このタイム、指定タイヤがポテンザRE-71Rだった2015年に泉多美宏が記録したコースレコード(1分43秒487)には及びませんが、アドレナリンRE003になってからは最速です。

これを追ってアタックに入ったのがNDシリーズのポイントリーダー杉野。バックストレートでは井尻のスリップも少しキャッチして、こちらも1周目に1分47秒254をマーク。1カ月前の第2戦で自ら記録した1分47秒200に迫る好タイムを出しました。結局、これで両シリーズともポールポジションが決定しました。

NDシリーズの2番手は、最後にコースインした16号車の上田純司。ピットに戻ってから再度コースに出た井尻の背後についてランデブー走行し、1分47秒452でいきなりクラス2番手。さらに単独で47秒台のアタックを続けますが、ベスト更新には至りません。クラス3番手は82号車の兼原洋治で、タイムは1分47秒997。以下、NDシリーズは117号車・小松寛子、48号車・高橋光介、28号車・石井達也、40号車・梅下隆一までが48秒台。さらに54号車の岩本忠将、41号車の仲村理香と続きます。

NCシリーズの2番手は、ここSUGOは開幕戦以来の出場だった19号車の菊池仁で、タイムは1分47秒280。3番手は177号車の松浦俊一で、タイムは1分48秒137。いずれも前後をNDシリーズのマシンに挟まれるため、決勝では“速いところが直線とコーナーで違う”相手とも絡む悩ましい展開が予想されました。

NDクラブマンは184号車の佐藤曜平が欠場し、パーティレース公式戦は初めての11号車・大堀啓之のみが出走。SUGOは初めてというハンデがありましたが、徐々にタイムを縮めて最後は1分59秒431と2分を切ります。


8周の決勝レースは予定より少し遅れて、13時23分にスタートが切られました。

総合トップの井尻は無難に順位を守りますが、3番グリッドの菊池がそれに続いて1コーナーに進入。この2台はNCシリーズなので、2番グリッドの杉野は総合3位に順位を落としますが、NDシリーズでのトップは変わりません。

さらに5番グリッドだった兼原がロケットダッシュに成功。上田をかわして戻ってきます。井尻はオープニングラップで4秒のマージンを稼いで早くも独り旅の体制ですが、総合2位の菊池から総合5位の上田までの4台は、完全にひとかたまり。この混戦が約6周にわたって展開されます。

そのさなか、先頭の菊池に「ジャンプスタートのためドライブスルーペナルティ」という裁定が。ところが菊池は、後続の杉野と抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げていて、それを知らせるオフィシャルのボードになかなか気づきません。結局7周を終えてピットに入ったものの、時すでに遅し。残念ながら失格となりました。

NDシリーズ首位の杉野は冷静でした。5周目のヘアピンで菊池のインを奪いますが、6周目の1コーナーでは加速に勝るNCの菊池に再逆転を許します。その前後は兼原に時おり背後に迫られますが、ミスを犯すことなく、前を行く菊池の隙をうかがいます。と、失格の黒旗に気づいた菊池が7周目の1コーナーでスローダウンした後に、最後の大きなドラマが起きます。

杉野を追いかけていた兼原が、ヘアピンの立ち上がりで2速から3速へシフトアップするところ、1速に入れてしまいオーバーレブで失速。すぐ後ろの上田は追突を避けるため、ABSが作動するほどのブレーキングで、立ち往生状態となります。単独の総合6番手状態から差を詰めていた高橋が、これで難なく上田をパス。総合8番手スタートでしたが、すぐ前の小松をかわしたオープニングラップから徐々に順位を上げて、これでNDシリーズの3位までポジションアップしました。

開幕戦では2位に入った小松のマシンは今回調子が今ひとつ。高橋に先行を許した後もペースが上がらず、石井にも迫られロックオン状態になりましたが、ここは優勝経験もあり、S耐でも活躍する小松。隙を見せず、逆転を許しませんでした。マツダ執行役員の梅下もスタート直後に2つ順位を落とし、苦しい戦いでした。

レース半ばに総合2位との差を10秒以上に広げた井尻は、最後は20.687秒という大差でトップチェッカー。これで北日本NCシリーズで開幕から3連勝を達成しました。クラス2位は松浦ですが、規定により入賞は井尻のみ。井尻は「スタートは少しホイールスピンさせちゃったんですが、なんとか行けましたね。最終戦は気温次第ですが、コースレコードを狙ってみたいです」とコメントしました。

一方、NDシリーズは杉野、兼原、高橋が表彰台に立ち、規定により4位の上田までが入賞となりました。開幕戦に続く2勝目を挙げた杉野が、9月の富士の交流戦の結果次第では最終戦を待たずにチャンピオンを決める可能性も出てきました。杉野は「後続が兼原さんだったので、フェアにレースができて助かりました。交流戦では昨年の4冠王の本多さんに一矢報いたいですね」と決意を語りました。

また、NDクラブマンの大堀は決勝中にも自己ベストを何度か更新し、8ラップを走りきって完走を果たしました。大堀は「ひとりで走っていると、ラインがわからなくなってしまいました。まだまだ練習が必要ですね」とデビュー戦を振り返りました。


北日本シリーズの最終戦は10月13日(日曜日)に開催予定です。また、パーティレースの次なる戦いの舞台は茨城県の筑波サーキット。9月7日(土曜日)の「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」と同日に、東日本シリーズの第3戦が開催されます。



Text & Photos by B-Sports

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ