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日本国内レース

  • 2025/06/03
  • S-Tai

史上最も過酷となった8回目の富士24時間レース、マツダ車11台が完走

5月30〜6月1日、ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE第3戦「NAPAC富士24時間レース」が開催され、ST-5Rクラスでは#88 村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/太田達也/雨宮恵司/黒沼聖那/吉田綜一郎)がポールトゥウィンを達成。#610 KOSHIDO RACINGロードスター(佐藤元春/柴田優作/浅井康児/山本謙悟/大宮賢人)が2位、#120 倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(上田純司/加藤達彦/吉田恭将/南澤拓実/松原泰世/久米田昴)が3位、ST-4クラスで#37 DXLパワーミネラルEVO☆NOPRO☆ NCロードスター(ジョニー小倉/大谷飛雄/谷川達也/山本龍/野上達也/野上敏彦)が3位表彰台を獲得しています。

シリーズの天王山であり、8回目となった国内唯一の24時間レースには、のべ53,500人の観客が来場しました。今年は悪天候と濃霧の中、FCY(フルコースイエロー)が12回、SC(セーフティカー)ランが8回、赤旗によるレース中断が2回という大荒れのレース展開となりました。全60台中マツダ車は12台で、うち11台が完走を果たしています。金曜日に行われた公式予選、全車がND型ロードスターのST-5Rクラスは、#88がポールポジションを獲得。フロントローには#76 PROGRES高砂ロードスター(徳藤一貴/加藤潤平/恵木勇哉/酒井仁/酒井正和/塚本ナナミ)、3番手には#65 odula TONE 制動屋ROADSTER(外園秋一郎/伊藤裕仁/丹羽英司/平田剛/宮崎邦紘/西川昇吾)が続きます。ST-4クラスの#66 odula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/藤原優汰/徳升広平/池田拓馬/池内比悠/山市遼平)はクラス6番手、#37が8番手となっています。また、自動車メーカーの開発車両が参加するST-Qクラスでは、#55 MAZDA SPIRIT RACING 3 Future Concept (寺川和鉱/阪口良平/井尻薫/前田育男/桂伸一)が総合30番手、#12 MAZDA SPIRIT RACING RS Future Concept (川田浩史/関豊/堤優威/佐藤考洋/箕輪卓也)が総合34番手となっています。

土曜日の15時からスタートが予定されていた決勝レースは、全車がグリッドについたタイミングで激しい雷雨がサーキットを襲い、1時間延期が決定されました。その後、天候は回復したため16時にSC先導でスタートを迎えます。なお、昨年のST-5クラス王者である#17 DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2(加藤芳皓/小西岬/山本浩朗/井上雅貴/近藤理/大井貴之)は、Bドライバー予選の際にタービントラブルが発生して修復したばかりでしたが、ウォームアップ走行中にもマシンがストップ。雨によるスタート延期中に修復を果たし、ピットスタートから隊列の最後尾を目指しましたが、セクター3手前でストップ。マシンはリペアエリアに運ばれたもののリタイアを選択しました。また、#55も緊急ピットインとなり、パワーユニットの不具合でエンジン交換が行われます。その後、SCランが解除されると、#88のベテラン村上が好スタートを決めます。2番手の#76加藤もすぐ後ろから迫り、一時はトップに立ちました。レース開始から約1時間が経過した頃には路面コンディションが回復しており、各チームは最初のピットストップでスリックタイヤへと交換しています。

日没を迎えたのち、20時からは名物の打ち上げ花火が行われましたが、花火の煙がコースに滞留したため視界不良によるFCYが導入、その後SCランとなります。レースは再開したものの、今度は濃霧による視界不良でSCが導入され、4回目のSC導入は約1時間半にわたりました。日付が変わり、深夜1時過ぎにはアクシデントがあり赤旗中断、また明け方には濃霧による視界不良で2時間半以上の中断があり、過酷な状況が続きます。ST-5Rクラスは、この時点で大きなリードを得ていた#88を、#120と#610が追いかける展開となりました。レース終盤、#610はSUPER GTドライバーでもある柴田から、FIA F4で活躍中のルーキーの大宮にバトンを繋いで#120に迫り、2位にポジションを上げます。#120はパーティレース出身ドライバーの南澤から加藤へと繋ぎ、3位でレースを終えました。ST-5Rクラス優勝を果たした#88チーム代表の村上博幸は、「久しぶりの優勝で喜んでいます。マシントラブルもありましたが、メカニックもドライバーもミスの無い100点の仕事ができたと思います」、とコメントしています。

ST-4クラスでは、#66が前半から好ペースで走行していましたが、レース序盤に3速を失いによりポジションダウン。#37のNCロードスターは、ライバルのGR86勢が離脱していく中、着実な走りでポジションを上げていきます。レース終盤、厳しい3位争いを繰り広げていたライバルがエンジンブローで脱落。富士24時間レースで初となるNCロードスターでの表彰台獲得を果たしました。チーム代表の野上敏彦は、「時間が無く、できることも限られていましたが、もてぎや鈴鹿で起きたトラブルから様々な対策を行なってきました。終盤はGR86との一騎打ちからライバルが脱落するという形で表彰台に上がり、やはりレースは最後まで何があるかわからないものです」、と語っています。

ST-Qクラスの#12 MAZDA SPIRIT RACING RS Future Conceptは、今大会からENEOS社製低炭素ガソリン(E20)を使用。決勝レースでは、他クラスマシンによる接触でドアを破損するアクシデントがあったものの、ノントラブルで500周を完走。#55 MAZDA SPIRIT RACING 3 Future Conceptは、スタート直後の緊急ピットイン以降しばらくリペアワークが続きましたが、メカニックたちの懸命な作業により約4時間後にコースへと復帰。その後はトラブルフリーで383周を走破しました。

次戦のスーパー耐久シリーズは、7月5日〜6日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われます。

第2戦「2025年S耐第3戦富士24時間レース」記録動画はこちら(YouTube 7’14”)



Text and Photos by MZRacing

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