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  • 2022/04/13
  • OTHER(日本)

全日本ダートトライアル選手権第2戦 JD9クラスは太田智喜が3位入賞

4月10日(日)、福岡県福津市の「スピードパーク恋の浦」で2022年JAF全日本ダートトライアル選手権第2戦が開催され、昨年のJD9クラスチャンピオンを獲得した太田智喜(デミオ15MB)がJD9クラス3位に入賞、本道治成(デミオ15MB)がJD9クラス6位に入賞しました。また、JD3クラスでは昨年のチャンピオン坂田一也(アクセラ)が今季初優勝を遂げています。


3月20日に京都府で開催された開幕戦から3週間のインターバルで開催された第2戦恋の浦ラウンドは、公開練習の9日(土)と決勝日の10日(日)とも最高気温が20度を超える好コンディションのなかで開催され、両ヒートともドライ路面となった決勝ヒートは、いずれも0.1秒を競う僅差の攻防戦が展開されました。この第2戦には全クラス合わせて129台が参加し、そのなかでマツダ車はデミオ15MBが2台、アクセラが1台、マツダ2が1台の計4台が出場しています。


最大勾配18度の斜面を一気に駆け上がり、さらに下るハイスピードセクションと、タイトコーナーが連続するテクニカルセクションという性格の異なるふたつのレイアウトで構成されているスピードパーク恋の浦は、1600ccのライバル車に対し1500ccのデミオ15MBで戦う太田智喜にとって、特に最大勾配18度の上り区間は、大きなハンディを負う事となります。ところが太田は、「カタログ数値だけでいうとデミオ15MBは最大パワーや最大トルクではやや劣勢だと思われがちです。でも、実際には4000rpmから最大トルクを発生してくれるため、4500rpm以上回さなければならないライバル車たちに比べ、低い回転から最大トルクをフラットに発生するエンジン特性が、大きな武器となっているんです」と、決して不利ではないと語ります。その言葉どおり、太田は決勝前日の公開練習でトップタイムをマーク。開幕2連勝に向けて、順調に駒を進めていきます。

太田にとってスピードパーク恋の浦は、「自分自身に足りない部分を気づかせてくれた大切なコース」だといいます。デミオ15MBに乗り換えて2年目の2018年、「自分でもデミオ15MBを乗りこなすことができてきたかなと感じていて、その年の恋の浦でも自分なりに良い走りができたと思ったんです」と太田。ところが、結果はトップと約4秒差のクラス7位という結果に。

「走りに自信があっただけに、順位よりもトップと4秒差ということが一番ショックでした」という太田。ところが次戦の輪島市門前モータースポーツ公園では、いきなりクラス優勝を果たします。「恋の浦の時は1500ccでは勝てないのか……ということも頭をよぎりましたが、基本的な走らせ方を変えていない門前でいきなり優勝して、自分自身でも戸惑っていました」といいます。この経験を経て太田は、車載映像やGPSロガーで自分の走りを研究し、「小排気量の車両は、ドライバー自身が小さいロスだと思っていても、実際には大きなタイムロスに繋がる」という事実を導き出します。その後は、「もっと走りの精度を上げて、ロスを少なくする走りを追求しました」という太田は、少しずつタイムロスに繋がる走りを改善し、その努力の結果が昨年のチャンピオン獲得への原動力となりました。


 公開練習でトップタイムをマークした太田は、決勝第1ヒートでも2番手の選手に0.052秒差のベストタイムをマーク。開幕2連勝に向けて順調に駒を進めていきます。「第1ヒートは、特に後半のテクニカルセクションでロスが多かったですね。本当は下り斜面からフラット路面に切り替わるふたつのコーナーを“Cの字”になるようにひとつのコーナーとしてクリアしたかったのですが、実際には“コの字”のように2コーナーになってしまいました。第2ヒートはライバル選手もタイムを上げてくるでしょうから、僕も第1ヒートでミスしたところを改善してベストタイム更新を狙っていきます」と力強く語った太田。ところが、その第2ヒートでは「ホンの少しだけ進入スピードが高くなってしまい、自分が理想とする走りができませんでした」と、トップから0.143秒差の3位で第2戦を終えました。

惜しくも連勝を逃した太田ですが、「0.143秒差の原因は掴んでいるので、第3戦丸和はもっと精度の高い走りができるよう、頑張ります」と、早くも次戦に向けた抱負を語ってくれました。


 このJD9クラスでは、今シーズンから全日本ダートトライアル選手権にレギュラー出場する予定の本道治成がクラス6位に入賞。「僕はクラスのなかでは中間ゼッケンなんですが、自分が走った時点でのベストタイムをマークするというのが目標です。今回は第1ヒートも第2ヒートもベストタイムを更新できた結果が、6位入賞に結び付いたと思います。今シーズンはできるかぎりシリーズに出場する予定ですが、ゼッケンが後半になっても自分が走った時点でベストタイムを出せるように努力すれば、いつかは優勝争いにも加われると思います」と、今シーズンの抱負を語ってくれました。


JD3クラスでは、昨年のシリーズチャンピオンを獲得した坂田一也が、「超硬質路面をダストが覆う状態となり、タイヤのグリップが低くタイムアップはかなり厳しい」と多くのドライバーが語っていた難路面を攻略。それまでのベストタイムを0.719秒塗り替える逆転劇で、今季初優勝を飾りました。「全日本で初優勝した時も同じような状況でした。とにかく丁寧にマシンコントロールし、外周のハイスピードセクションは大胆に、後半のテクニカルセクションは0.1秒を削るような丁寧な走りに徹しました」と坂田。本人にとっても、全日本初優勝を思い出させる大事な1戦となったようです。



第3戦は4月24日に、栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須を舞台に開催されます。



Text & Photo by CINQ LLC

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