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日本国内レース

  • 2022/06/15
  • JRC

全日本ラリー選手権第5戦 大荒れのモントレー、中西昌人がJN-6クラス3位に入賞

AF全日本ラリー選手権第5戦「MONTRE 2022」が、6月11日〜12日に群馬県の富岡市を拠点に開催されました。今大会には69台がエントリーし、そのなかで6台のマツダ車が出場しています。FIAアジア・パシフィックラリー選手権との併催で行われた今大会は、大会前日に降った雨と荒れた路面の影響により、出走67台中17台がレグ離脱またはリタイアするという波乱の展開となりましたが、デミオでJN-6クラスに出場した中西昌人/有川美知代が粘りの走りでクラス3位に入賞を果たしました。


全8戦で戦われるJAF全日本ラリー選手権は、後半戦突入となる第5戦を迎えました。今シーズンは、この第5戦を終えると第6戦から第7戦にかけてグラベルラリー2連戦、最終戦の第8戦はふたたびターマックラリーというスケジュールが組まれています。チャンピオン争いの有効ポイントは、全8戦中ベスト6戦。SS総距離が100kmを超え、順位によって獲得できる得点に1.2の係数がかけられるこの第5戦は、後半戦を有利に戦ううえでも重要な一戦となります。


毎年、梅雨時期に開催されるこの大会は、天候をどう読むかも勝敗に大きく影響する要素のひとつです。距離が長いSSが多く、天候が変わりやすい山間部を走るこのラリーでは、スタート地点は晴れていても、中間地点やフィニッシュ付近で大雨が降っているということもしばしば。今年も、まるでゲリラ豪雨のように突然振り出した大雨に苦しめられた選手も多いうえに、今年はターマックラリーながらも一部ダートを走る区間や、古い舗装路面が剥がれた荒れた道を走るステージもあり、ひと筋縄ではいかない難しいラリーとなりました。


そのなか、JN-6クラスに出場する中西昌人/有川美知代が、「いろいろとミスもあったけど、あの路面状況のなかではうまくできたと思います」と、初日をクラス3番手で折り返します。2日目のロングステージもコンスタントに走り、順位をキープ。3戦連続となるクラス3位を獲得し、シリーズランキングも3位から2位に浮上しました。また、JN-6クラスでは鷲尾俊一/鈴木隆司のデミオが中西に続き4位でフィニッシュ。ラリー歴が40年を超えるベテランの2台が、荒れた展開となったラリーをしっかりとまとめ、シリーズポイントを加算しました。


JN-5クラスは、RX-8で出場している藤原直樹/中嶋健太郎が、初日は路面とタイヤ選択に悩みクラス7番手と出遅れますが、2日目の後半ステージ2本のSSでペースアップ。ポジションをひとつ上げ、クラス6位で完走を果たしました。

また、JN-5クラスにロードスターで出場する女性ドライバーのクロエリ/井上草汰は、荒れた路面に苦しめられるなか、SS2のリピートステージとなるSS5では自身のタイムを30秒近くタイムを縮めるなどペースアップ。2日目のロングステージも順調にこなし、クラス8位で完走を果たしました。


JN-6クラス3位/中西昌人コメント

「ステージ中盤から大雨が降ったSS5ですごく負けてしまい、順位を上げるのが難しい状況になりました。第4戦ではブレーキに不安を抱えていたのですが、今回はブレーキパッドを改善してきたので、問題はなかったです。第6戦からグラベルラリーが続きますが、グラベルは得意なので頑張ります。次戦はもうちょっと上の順位を狙いたいですね」


JN-6クラス4位/鷲尾俊一コメント

「今回のラリーで、CVT仕様のデミオの走らせ方がなんとなく分かりました。第7戦のラリー北海道は、WRCを開催していた頃から馴染みの深いステージが多いので、北海道に間に合ったのが大きいですね。次からは、もう少しペースを上げていこうと思います。まだまだ頑張りますよ(笑)」


モータースポーツを盛り上げる女性ドライバー

JN-5クラスにロードスターで出場するクロエリは、ラリー歴6年の女性ドライバーです。モデルやレースクィーンとして活躍し、ラリーチームのキャンペーンガールに抜擢されたことをきっかけに、ドライバーとしてラリーに出場。ワンメイクラリーではATクラスで優勝するなどの活躍をみせ、全日本ラリーではデビュー戦でクラス2位に入賞しました。これまで全日本ラリーには9戦に出場し、ロードスターでの出場は今回が3戦目となります。

「今までずっとAT車でラリーに出場していたこともあり、MT車のシフト操作が少し苦手なんです。本当はAT車のロードスターで出場してみたい(笑)」というクロエリですが、カートのサンデーレースに出場していた経験もあり、持ち前のスピード感覚でラリーに挑んでいます。

ハードでタフなステージが連続する今回のラリーは、ダート区間や舗装の上に泥や砂利が散乱するステージでは「思うように走ることができませんでした」とラリー序盤は苦戦を強いられますが、「とにかく完走を目指し、少しでもタイムが上がるようにゴールを目指します」と果敢にチャレンジ。徐々にペースを上げていきます。20kmを超えるステージを2回走る2日目は、「速度域が高いステージに苦手意識があったのですが、ロードスターはハイスピードのロングステージでも楽しく走ることができました。ロードスターに乗るまではFFでラリーを走る機会が多かったのですが、FRの楽しさを少し理解できたような気がします。特に乾燥した路面のワインディングは、ついついオーバーペースになって,何度も『これは競技なんだ』と自分に言い聞かせて、完走することを第1目標に集中して走りました」と、ペースをコントロールしながらゴールを目指しました。

結果は、リタイア続出という荒れた展開のラリーのなか、クラス8位でフィニッシュ。

「最低限の目標は達成できました。練習不足もあって、このクルマのポテンシャルを活かすことができなかったのはすごく悔しいんですけど、久しぶりにラリーに出場して、今まで経験しなかったロングステージを走りきることができたのは、自分にとっても大きな経験値になったと思います。今後の予定は未定ですが、チームは最終戦のハイランドに出場すると思うので、また走る機会があれば、今回の経験を活かすことができればいいなと思います」とクロエリ。ハードな戦いが展開されるラリーで、さらなる活躍が期待される女性ドライバーのひとりです。


JAF全日本ラリー選手権第6戦「2022 ARKラリー・カムイ」は、7月8日(金)〜10日(日)に北海道のニセコアンヌプリ国際スキー場駐車場を拠点に開催されます。



Text & Photo by CINQ LLC

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