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日本国内レース

  • 2020/07/03
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新たな様式の中、無冠の帝王、長田茂久の初優勝でパーティが開幕!

6月28日、ロードスター・パーティレースⅢの西日本シリーズが、岡山国際サーキットにてダブルヘッダーで開幕しました。チャンピオンを争うシリーズクラスの第1戦は46号車・長田茂久、第2戦は昨年の北日本シリーズ王者の61号車・杉野治彦がそれぞれ優勝。クラブマンクラスは70号車・構井将文が2連勝という結果になりました。


今シーズンはパーティレースも新型コロナウイルスの影響を受け、4月からの各地のスケジュールがすべて延び延びとなっていました。この西日本シリーズ開幕戦もエントラントの皆さんにはマスク着用をはじめ入場時の検温、オンライン形式によるブリーフィングの実施、手指消毒液の設置などの感染症対策が講じられていました。マツダ(株)の前田常務執行役員からブリーフィングで「ご挨拶に来場しました。久しぶりのレースですので無理せず安全な走りで気持ちいいレースを期待しています。それがご尽力頂いた関係者の皆様への感謝に繋がります」と挨拶がありました。

今レースは4月19日に予定されていた第1戦が延期となっていましたが、第2戦として組まれていた6月28日に決勝を2回行う、ダブルヘッダーとすることを決定。ちなみに予選は朝の1回のみで、各自のベストタイムで第1戦のグリッド順を決めるのに加えて、セカンドベストで第2戦のそれを競うというレギュレーションです。第1戦のエントリーはNDシリーズが16台、NDクラブマンが11台の27台となり、西日本シリーズとしては史上最多記録を更新しました。
今回、公式戦に初参加した新しい仲間も9名という賑わいぶりです。なお、第2戦には第1戦に参戦するクラブマンの2台がエントリーしなかったため、合計25台での戦いとなりました。ポイント制度のないクラブマンレーサーなら「1日1レースで十分」という考え方にも納得です。

さて、公式予選は8時30分から15分間で行われました。今回は前述の通り、一発勝負というわけにいきません。しかも第2戦の決勝を走り終えるまで、同じタイヤを使用します。さらにブリヂストンの指定タイヤが今シーズンから「POTENZAアドレナリンRE004」に変更され、昨年までの「RE003」も猶予期間として使用可能なため、各ドライバーたちのタイヤマネージメントにも注目が集まります。

前夜からの雨は止みましたが、路面はウエット。気温も路面温度も23℃前後で湿度は95%という状況でしたが、予選が始まると時折り太陽が顔を出します。27台が走るとレコードラインはあっと言う間に乾いてきて、急速にコンディションが回復する中でのアタックになりました。

開始直後、2分6秒228でラップモニターの最上段に躍り出たのが、昨年から参戦している50号車の山下昌樹。すでに表彰台に2度立っている実力者ですが、前週の合同テストでトップタイムをマークした勢いが健在でした。アタック2周目に3秒880、同3周目に2秒465とタイムを削り、最後は0秒375を記録して、堂々のポールポジション獲得です。

そして今回、予選総合の2位から4位にはクラブマンクラスのドライバーたちが名を連ねました。デビュー戦の106号車・中川徹が2分0秒736、33号車・中原憲行が2分0秒877、70号車・構井将文が2分0秒904という僅差で続いています。さらに総合5位にはシリーズクラス2番手となる41号車の加藤沙也香が2分0秒973でグリッド3列目を獲得。26号車の末永晃正が2分1秒138で続きます。

一方、昨年の第2戦でポールを獲得するなど実力十分の46号車・長田茂久は2分1秒298で総合8位。また最大の番狂わせが、4年連続西日本王者の88号車・本多永一が総合10位に沈んだことでしょう。実は本多はフルウエット想定の内圧でコースイン。すぐにピットインしてエアを抜いて復帰しましたが、クリアラップが取れなかったとのことです。さらに昨年の北日本チャンピオンの61号車・杉野治彦もアタックに失敗した上、ペナルティで13番グリッドからのスタートになりました。


この第1戦を振り返ると、8番手スタートだった長田のワンマンショーでした。1コーナーまでに2台を抜き、さらにバックストレートにかけて3台をパスして、オープニングラップだけで5台抜きで3位に浮上。2周目のアトウッドで中川をかわすと、もはや前方にはポールシッターの山下を残すのみとなりました。山下も防御を固めますが、完全にドライになった状況では長田のマシンの勢いが勝っていました。5周目のヘアピンでイン側に飛び込み、その後も反撃を凌ぎ切ってのトップチェッカーです。実は参戦3年目の長田の今までの最高成績は4位。初めての表彰台が優勝という最高の結果に終わりました。

長田と山下に続いて総合でも3位と4位に入ったのが、クラブマンクラス優勝の構井と同じく2位の中川です。今回がデビュー戦だった中川はアトウッドで長田に抜かれた際に挙動を乱して、構井に先行を許したのが痛恨でした。その後は構井の背後を脅かしますが、逆転までには至りません。この2台の直後には予選総合10位から追い上げた本多が続いて、シリーズクラスでは3位。以下、4位に110号車の末金孝夫、5位に加藤、6位に杉野というのがシリーズクラスの入賞です。一方で、クラブマンクラスの3位は総合でも9位と健闘した111号車の長谷川順一。以下は4位に中原、5位にはベテランのガクと続いて、規定によりここまでが入賞となりました。

朝の予選のセカンドベストによる第2戦のグリッドですが、ポールシッターの山下と2番グリッドの中川は変わりません。そして3番グリッドは末金で4番グリッドが構井、さらに杉野と長田が続きます。つまり上位6名のうち中川と構井がクラブマンクラスで、残る4名がシリーズクラスという内訳です。さらに岡山マイスターと言うべき本多が、15番グリッドからのスタートでどこまで追い上げるかにも注目です。

第2戦の決勝は、ほぼオンタイムの15時3分にスタートが切られました。フロントローの2台は順位を守りますが、オープニングラップからジャンプアップを果たしたのは杉野で、2台を抜いて3番手に浮上します。さらに構井もシリーズクラスの末金を逆転しますが、後方集団では本多が早くも4台をパスして総合11位まで順位を挽回します。

さらに2周目に入ると、中川がトップの山下を1秒以内に追い詰めると同時に、第1戦優勝の長田もペースアップ。末金を抜いて総合5位までポジションアップ。さらに前を行く構井を激しく攻め立てます。と、ここで中川がピットロードへマシンを運びます。残念ながら反則スタートによるドライブスルーペナルティで、3周目終了時点では総合14位まで後退します。

これで一気に楽になったのが山下。2番手の杉野とは2秒以上のギャップが築けた上に、その背後には構井を3周目にかわした長田が迫ってきます。さらに4年連続チャンピオンの本多が、4周目には末金をかわして総合5位に進出。つまり10台抜きを達成しました。

ラスト2周の見所は、2位を争う杉野と長田の超接近バトルでした。7周目終了時点でギャップは0.077秒となり、テールtoノーズからサイドbyサイドの連続。ファイナルラップの最終コーナーでは長田がイン側にノーズを突っ込んで並びかけ、ゴールラインでは0.046秒という際どい勝負に持ち込みますが、ここは杉野の意地が勝った印象です。

総合の4番手は、再び中川の脱落でクラブマンクラスの首位に立った構井。さらにシリーズクラスの本多、末金、加藤と続き、総合8位のポジションで中原がチェッカーを受けてクラブマンクラスで2位に入賞。そしてシリーズクラス2台を挟んで、長谷川がクラブマンの3位。そしてクラブマンの4位にはペナルティを受けた中川が諦めずに順位を挽回して滑り込み、ここまでが入賞です。

しかし、トップでチェッカーを受けた山下は規定違反により失格となったため、第2戦のシリーズクラスは杉野が優勝、以下長田、本多、末金、加藤と続き、6位には末永が入賞となりました。

シリーズクラスで第1戦に優勝した長田は「山下さんとのバトルはギリギリでしたが、楽しかったです。やっぱり優勝は気持ちいいですね。アドレナリンは気に入ったので、普段使い用のクルマにも履いて乗っていますよ」と満面の笑顔でした。同じく第2戦で優勝した杉野は「最後は厳しかったけど、譲りたくない気持ちで頑張りました。今年は西日本でチャンピオンを取りたいですね」と決意を表明し、タイヤについては「タテとヨコのグリップバランスが僕にはちょうどいいです」とのこと。クラブマンクラスで昨年から通算4連勝となった構井は「中川さんの速さに脱帽の1日でした。自分はまだまだです。あと、アドレナリンはコスパ最高ですね」と語りました。

ロードスター・パーティレースⅢの西日本シリーズ第3戦は、9月27日の日曜日に予定されています。

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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