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日本国内レース

  • 2024/09/05
  • JDC

JDC Rd.7 PN1太田、難コンディションの丸和で無念の4位

2024年全日本ダートトライアル選手権第7戦「DIRT-TRIAL in NASU Rd.2」が8月31日(土)〜9月1日(日)に栃木県那須塩原市郊外の丸和オートランド那須で開催されました。PN1クラスでは、タイトル争いの一角を担う太田智喜が第1ヒートでトップを奪う力走を見せたましたが、路面コンディションが難しくなった第2ヒートはタイムが伸びず、4位でフィニッシュ。シリーズチャンピオンの可能性が消える無念の一戦となりました。


全日本ダートトライアル選手権第7戦は、日本全国の広範囲に記録的な大雨をもたらした台風10号の影響を受け、今シーズン2回目の開催となる丸和オートランド那須も線状降水帯が襲い、コースの一部が水没するほどの被害を受けました。また、大雨の影響により、西日本や東日本を中心に鉄道の運休や高速道路の通行止め、飛行機の欠航が相次ぎ、全国規模のスポーツイベントやエンターテインメントイベントの中止や延期が発表されました。第7戦主催の組織委員会も可否を協議し、開催することを決定。当初は153台のエントリーがありましたが、移動の際の安全を考慮した12台が不参加を決め、141台が出走することとなりました。マツダ車も当初はPN1クラスに4台のエントリーを集めましたが、1台が欠場し、決勝ヒートは3台のマツダ・デミオが出場しています。

決勝コースは、水没したコース奥側を省いたショートコースを採用。第1ヒートは前日の夜から朝方にかけて降った雨の影響でウエットコンディションでしたが、午後の第2ヒートは前半セクションがドライコンディションに。ところが、コース中盤は土手に染みこんだ雨水が流れ込んだ大きな水たまりが点在し、競技車が通過するたびに激しく水しぶきが上がるフルウエットコンディションとなりました。前半のドライ路面で勝負をかけて硬質ダート路面用タイヤを選択するのか、それとも後半のウエット路面に合わせてウエット/軟質ダート路面用タイヤを選択するのか、選手たちは出走直前までタイヤ選択に頭を悩ませる1戦となりました。

地震災害のために中止となった第4戦門前を除き、第1戦コスモスから前戦の第6戦エビスまで5人のウイナーが誕生し、チャンピオン争いが混沌とした状態のPN1クラス。開幕戦を制し、第6戦エビスを終えてシリーズランキング6番手につける太田智喜は、この第7戦丸和の結果次第では、最終戦となる第8戦タカタで逆転チャンピオンの可能性を残しています。太田にとって大一番となるこの一戦、第1ヒートは2番手に0.064秒の僅差でトップタイムをたたき出し、第2ヒートを迎えます。その第2ヒートは、中間地点でトップに約0.8秒差の7番手と出遅れ、大きな水たまりが多い後半セクションで追い上げるものの、トップから0.666秒差の4位で第7戦を終えました。タイトルを争うライバル選手が太田より上位で入賞したため、この時点で太田はチャンピオン争いからは脱落する結果となりました。

その他、上原秀明が10位、深谷文彦が16位で完走を果たしています。


■PN1クラス4位/太田智喜コメント

「第1ヒートは、慣熟歩行した時よりも水たまりが大きく広がっていたので、できる限り水たまりに深く入らないようなラインを狙って走りました。第2ヒートは、前半区間がドライ路面だったので、ドライタイヤ(硬質ダート路面用タイヤ)で勝負に出たのですが、実際に走ってみると思ったよりもトラクションがかからず、結果的にはウエットタイヤ(軟質ダート路面用タイヤ)の方が正解だったようです。チャンピオン争いから脱落してしまったのは残念ですが、最終戦のタカタはホームコースなので、優勝目指して今シーズンを締めくくりたいと思います」



経験したことがない路面

今シーズン、2回目の全日本開催となった丸和オートランド那須。前回の第2戦でPN1クラス4位に入賞した上原秀明は、「丸和は地元のコースなので、今回はさらに上の表彰台を狙いたいです」と、この第7戦に挑みました。関東に在住し、ダートトライアル歴約20年の上原にとって、丸和オートランド那須はホームコースのひとつ。改修前はもちろん、サーキットと併合した現在のコースも、コースの隅々まで特徴を良く知るドライバーのひとりです。

「丸和は舗装とダートのミックス区間が多く、自分自身も昨年までなかなか攻略することができなかったのですが、今年の4月に行われた第2戦で初めて入賞することができました。ようやく新コースにも慣れてきて、走らせ方が少し分かってきたような感じです」と上原。その走らせ方については、「丸和はコーナリングの途中で路面が舗装路に切り替わるところが多いんですが、例えばそこで強くブレーキングするとか、逆にアクセルを開けるとか、いきなり姿勢を変えるとか、そういった余計なことをしないでいかにスムーズに走り抜け、できる限り車速を落とさないように走ることを心掛けています」と、丸和攻略法を語ってくれました。

全日本の表彰台を目標に挑んだ第7戦ですが、台風10号に伴う大雨の影響により、コースは「今まで経験がないほどあちらこちらに大きな水たまりがあって、しかも雨がやめば第2ヒートは水たまりが少なくなるはずなんですが、今回は雨が降っていないのに第2ヒートの方が水量が多い区間もあって、すっかり翻弄されてしまいました」と、残念ながら目標を達成することは叶いませんでした。

「クラブ員の仲間に動画を撮ってもらい、走行をチェックしたのですが、コーナーの立ち上がりで遅かったり、全体的にあまり良くありませんでした。第2ヒートはそこを修正するように走ってはみたんですけど、まだまだ足りない部分があったようです。タイヤ選択も、ウエットが正解なのかドライが正解なのか、最後まで分からない難しいコンディションでしたね」と結果は10位。ホームコースとはいえども、天候に左右されるダートトライアルの難しさをあらためて感じた1戦となりました。

デミオ15MBは「今年で7年目です」という上原。「最初は、1600ccのライバル勢に対して直線のスピードが負けてるなと思ったのですが、セッティングを進めていくうえで、コーナリングスピードを高く保てるようになりました。乗りやすいことがデミオの魅力のひとつだと思います」と上原。全日本は地元の丸和を中心にスポット参戦しているが、来年の丸和も表彰台を目指し、デミオとともにコーナリングテクニックを磨いていきます。


全日本ダートトライアル選手権最終戦となる第8戦は、10月12日(土)〜13日(日)に広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで開催されます。



Text&Photo by CINQ LLC

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