- 2016/05/26
パーティレース東日本、NDシリーズは梅田が堂々の開幕2連勝
茨城県の筑波サーキットで行われるロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズの第2戦が、5月22日の「SCCN MAY RACE MEETING in TSUKUBA」の中で行われました。年間4戦ですが、開幕戦の5月5日からわずか2週間という短いインターバルでの開催です。開幕戦同様、第1レースが新型NDシリーズでエントリーは17台。第2レースが先代NCと先々代NBのシリーズという組み合わせで、こちらはNC18台、NB6台の合計24台が集まりました。
9時から始まった第1レースの予選では、今回がデビュー戦という ♯91 沢崎祐一が 1分10秒479 の自己ベストを計測1周目にマーク。その直後を走行していた ♯122 八田新一も計測2周目に 1分10秒514 で続きます。ここに割って入ったのが、開幕戦で予選・決勝とも2位の ♯159 イシカワ(今回から改名)でタイムは 1分10秒487。そしてGENROQ編集部エディターでパーティレース初参加の ♯92 吉岡卓朗が、計測9周目に 1分10秒515 を記録。八田との差はわずか 1000分の1秒でした。こうして、15分間の予選が残り 5分となった段階で、暫定ポールの沢崎と4番手の吉岡までの差は、なんと 0.036秒。史上稀に見る大激戦の予選になるかと思われました。あの男が出てくるまでは…。もちろん、開幕戦をポール to フィニッシュで勝利した ♯12 梅田剛です。彼がピットアウトした時点で、アタックできるのはわずか 3周でしたが、狙い通りにクリアラップを得て出した計測 1周目のタイムは 1分9秒774。2番手以下に 0.7秒というギャップは、ワンメイクレースとしてはかなりのアドバンテージでしょう。
第2レースの予選では、NCシリーズの開幕戦ウイナー ♯74 辻かずんどが 1分8秒501 で貫禄のポールシッターに。2番手は同じく開幕戦 2位の ♯71 登坂紀で 1分9秒040。さらに ♯15 亀山晃代と ♯54 小松寛子が 1分9秒203 と 1分9秒209 という僅差で続き、2列目は女性ドライバーが独占となりました。
一方の NBシリーズは、開幕戦は 3位ながら昨年ここ筑波で 3戦3勝の♯49 岡本勇一が 1分12秒250 で指定席に返り咲き。そこに開幕戦2位で昨年王者の ♯165 岡澤清英が 1分12秒262 で肉薄し、さらに 12秒台で ♯120 木村幸弘と開幕戦ウイナーの ♯96 小森晴夫が続いていて、最後まで接戦が予想されます。
15周で争う NDシリーズの決勝は 14時40分にスタート。梅田は開幕戦同様に抜群のダッシュを見せます。2番手以降もグリッド順に 1コーナーをクリアしますが、そのオープニングラップの最終コーナーで事件が起きてしまいます。予選 2番手の沢崎がスピンしてコース内にとどまってしまったところに、後続の ♯33 KOYAMA RYUJI が避けきれずにクラッシュして赤旗中断。残念ながら 2台ともリタイアとなってしまいました。規定により周回数を 12周に減らし、当初のグリッドから再びスタートが切られました。各選手は冷静さを取り戻してクリーンなレースが展開されます。梅田はまたしても一人旅状態となり、2 番手以降はグリッド 順通りにイシカワ、八田、吉岡、♯127 黒滝真輔、♯2 市川彰と続きます。最後にドラマが起きたのは 8周目の最終コーナーでした。2番手を走っていたイシカワが大きく姿勢を乱し、復帰するも 10位まで後退。これで梅田に続いて、八田が2位、吉岡がデビュー戦で3位となってポディウムに登壇しました。2連勝の梅田は「再スタートを待つ間はかなり暑かったですが、なんとか集中できていいスタートが切れました。第3戦までには、ステアリングやブレーキングに磨きをかけるつもりです」と、さらなる進化を誓っています。
NC/NBシリーズの決勝は、少し日が傾いた16時からのスタートとなりました。NCは辻と登坂の 1列目は無難にスタートを決めましたが、3番手には 4番グリッドの小松が 1周目でジャンプアップ。同じ列にいた亀山は残念なことに、反則スタートとその黒旗を見落としたために失格となってしまいました。レース前半は登坂が辻に激しく迫りますが、中盤以降は小康状態に。小松も前後とも間隔が空いた状態で走行を続けます。その後も上位グループに大きな順位変動はなく、終わってみれば表彰台の顔ぶれは開幕戦と同じで、なんと 5位までが 2戦連続同一となりました。辻は「今朝は 38℃も熱があって欠場も考えたのですが、皆さんのサポートのおかげで勝てました。決勝はペース配分も想定通りでした。チャンピオンも狙いますよ」と宣言しました。
一方の NBシリーズは大波乱。クラス 4番手グリッドだった開幕戦のウイナー小森が、いきなり 2台を抜 いてポールの岡本に迫ります。ところが 2周目の 1コーナーで 3番手スタートの木村が小森に接触し、小森がハーフスピン。2台とも大きく後退します。これで出遅れていた岡澤とクラス 5番手だった ♯11 平井彰が表彰台圏内に浮上。さらに事件です。8周目の 1コーナーで先頭の岡本がブレーキを失い、スポンジバリアに突っ込んでリタイア。NBの上位争いは、岡澤と平井のワンツー体制となります。その後も小森と木村に加えて、NB 勢では最後尾スタートだった♯18 荻野英智の 3台が激しい 3位争いを演じますが、チェッカー寸前に今度は小森が自らのミスで姿勢を乱して後退。終わってみれば荻野がポディウムの一角に滑り込みました。
岡澤は「筑波のパーティレースで勝つのが念願でした。いろいろ教わった八田先輩にも恩返しできたかも」と満面の笑みでした。コメントにもありますが、長野県から遠征の同じチームに所属する、NDシリーズ 2位の八田とのダブル表彰台となりました。
パーティレースⅢ東日本シリーズの第3戦は少し長いインターバルを経て、9月3日(土)の「第27回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」の中で開催されます。ロードスターファンなら一日中楽しめる、見逃せないイベントとなることでしょう。
Photo & Text by B-sports
9時から始まった第1レースの予選では、今回がデビュー戦という ♯91 沢崎祐一が 1分10秒479 の自己ベストを計測1周目にマーク。その直後を走行していた ♯122 八田新一も計測2周目に 1分10秒514 で続きます。ここに割って入ったのが、開幕戦で予選・決勝とも2位の ♯159 イシカワ(今回から改名)でタイムは 1分10秒487。そしてGENROQ編集部エディターでパーティレース初参加の ♯92 吉岡卓朗が、計測9周目に 1分10秒515 を記録。八田との差はわずか 1000分の1秒でした。こうして、15分間の予選が残り 5分となった段階で、暫定ポールの沢崎と4番手の吉岡までの差は、なんと 0.036秒。史上稀に見る大激戦の予選になるかと思われました。あの男が出てくるまでは…。もちろん、開幕戦をポール to フィニッシュで勝利した ♯12 梅田剛です。彼がピットアウトした時点で、アタックできるのはわずか 3周でしたが、狙い通りにクリアラップを得て出した計測 1周目のタイムは 1分9秒774。2番手以下に 0.7秒というギャップは、ワンメイクレースとしてはかなりのアドバンテージでしょう。
第2レースの予選では、NCシリーズの開幕戦ウイナー ♯74 辻かずんどが 1分8秒501 で貫禄のポールシッターに。2番手は同じく開幕戦 2位の ♯71 登坂紀で 1分9秒040。さらに ♯15 亀山晃代と ♯54 小松寛子が 1分9秒203 と 1分9秒209 という僅差で続き、2列目は女性ドライバーが独占となりました。
一方の NBシリーズは、開幕戦は 3位ながら昨年ここ筑波で 3戦3勝の♯49 岡本勇一が 1分12秒250 で指定席に返り咲き。そこに開幕戦2位で昨年王者の ♯165 岡澤清英が 1分12秒262 で肉薄し、さらに 12秒台で ♯120 木村幸弘と開幕戦ウイナーの ♯96 小森晴夫が続いていて、最後まで接戦が予想されます。
15周で争う NDシリーズの決勝は 14時40分にスタート。梅田は開幕戦同様に抜群のダッシュを見せます。2番手以降もグリッド順に 1コーナーをクリアしますが、そのオープニングラップの最終コーナーで事件が起きてしまいます。予選 2番手の沢崎がスピンしてコース内にとどまってしまったところに、後続の ♯33 KOYAMA RYUJI が避けきれずにクラッシュして赤旗中断。残念ながら 2台ともリタイアとなってしまいました。規定により周回数を 12周に減らし、当初のグリッドから再びスタートが切られました。各選手は冷静さを取り戻してクリーンなレースが展開されます。梅田はまたしても一人旅状態となり、2 番手以降はグリッド 順通りにイシカワ、八田、吉岡、♯127 黒滝真輔、♯2 市川彰と続きます。最後にドラマが起きたのは 8周目の最終コーナーでした。2番手を走っていたイシカワが大きく姿勢を乱し、復帰するも 10位まで後退。これで梅田に続いて、八田が2位、吉岡がデビュー戦で3位となってポディウムに登壇しました。2連勝の梅田は「再スタートを待つ間はかなり暑かったですが、なんとか集中できていいスタートが切れました。第3戦までには、ステアリングやブレーキングに磨きをかけるつもりです」と、さらなる進化を誓っています。
NC/NBシリーズの決勝は、少し日が傾いた16時からのスタートとなりました。NCは辻と登坂の 1列目は無難にスタートを決めましたが、3番手には 4番グリッドの小松が 1周目でジャンプアップ。同じ列にいた亀山は残念なことに、反則スタートとその黒旗を見落としたために失格となってしまいました。レース前半は登坂が辻に激しく迫りますが、中盤以降は小康状態に。小松も前後とも間隔が空いた状態で走行を続けます。その後も上位グループに大きな順位変動はなく、終わってみれば表彰台の顔ぶれは開幕戦と同じで、なんと 5位までが 2戦連続同一となりました。辻は「今朝は 38℃も熱があって欠場も考えたのですが、皆さんのサポートのおかげで勝てました。決勝はペース配分も想定通りでした。チャンピオンも狙いますよ」と宣言しました。
一方の NBシリーズは大波乱。クラス 4番手グリッドだった開幕戦のウイナー小森が、いきなり 2台を抜 いてポールの岡本に迫ります。ところが 2周目の 1コーナーで 3番手スタートの木村が小森に接触し、小森がハーフスピン。2台とも大きく後退します。これで出遅れていた岡澤とクラス 5番手だった ♯11 平井彰が表彰台圏内に浮上。さらに事件です。8周目の 1コーナーで先頭の岡本がブレーキを失い、スポンジバリアに突っ込んでリタイア。NBの上位争いは、岡澤と平井のワンツー体制となります。その後も小森と木村に加えて、NB 勢では最後尾スタートだった♯18 荻野英智の 3台が激しい 3位争いを演じますが、チェッカー寸前に今度は小森が自らのミスで姿勢を乱して後退。終わってみれば荻野がポディウムの一角に滑り込みました。
岡澤は「筑波のパーティレースで勝つのが念願でした。いろいろ教わった八田先輩にも恩返しできたかも」と満面の笑みでした。コメントにもありますが、長野県から遠征の同じチームに所属する、NDシリーズ 2位の八田とのダブル表彰台となりました。
パーティレースⅢ東日本シリーズの第3戦は少し長いインターバルを経て、9月3日(土)の「第27回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」の中で開催されます。ロードスターファンなら一日中楽しめる、見逃せないイベントとなることでしょう。
Photo & Text by B-sports
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