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日本国内レース

  • 2025/03/20
  • RPR

PRⅢジャパン第1戦 デビュー戦の山田 遼が鮮やかにポールtoウイン

静岡県の富士スピードウェイで3月16日、2025年のロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズが開幕しました。30台のNDロードスターによるフルウエットのバトルを制したのは初参戦の156号車・山田 遼。同じくルーキーのチームメイトである157号車の橋本 隼を従えて、堂々のワンツー・フィニッシュを達成しました。


この週末のスピードウェイは、真冬に逆戻りしたかのようなあいにくの空模様。前日の土曜日には一時激しく雪が降り、1枠だけ用意されていたスポーツ走行がキャンセルになったほど。ただレース当日は不幸中の幸いと言うべきか、雨に変わりました。8時10分からのブリーフィングではまず、マツダのブランド体験推進本部の後藤憲吾主幹が「今日はあいにくのヘビーウエットになりましたが、開幕戦の皆さんの走りをワクワクしながら拝見したいと思います」と挨拶されました。

今年も開幕戦から新しい仲間が増えました。ゼッケン順に39号車の武藤亘輝、47号車の鷹尾一成、50号車の田窪寿保、84号車の浦田光正、138号車の西川昇吾、156号車の山田 遼、157号車の橋本 隼、158号車の大田優希という8名が初参加。恒例に従ってひとりずつ挨拶をすると、先輩たちから温かい拍手で迎えられました。また今回はビッグマイナーチェンジ後のND5RE型が12台と、一気に増えたことにも注目です。


9時5分から20分間の公式予選は気温4.0℃/湿度88%/路面温度0.5℃というコンディションで始まりました。エントリーはNDシリーズ18台、NDクラブマン14台で合計32台。残念ながらクラブマンの2台が欠場して、30台がアタックに出撃していきます。先頭でコースインしたのは200号車のYOSHIKIですが、ルーキーの山田 遼が早くも追い詰めて最初の計測周回を先頭で通過。そこで記録したタイムが2分27秒843で、後続のライバルたちが最初のアタックを終えてもモニタートップの座を譲りませんでした。

逆に山田はさらにタイムを削り、最後は2分24秒453で堂々のポールポジションです。さらに同じチームからデビューしたルーキーの橋本隼も山田を追ってアタックした結果、2分25秒375を叩き出して2番グリッドを獲得しました。先輩たちの中で最速だったのは147号車の石塚崇宣で、タイムは2分25秒645。そして上位3台は新型のND5REという結果になりました。

そしてND5RC勢での最上位は4番グリッドの2号車・鷲尾拓未。彼は昨年の富士ロードスターカップで4戦全勝というキャリアの持ち主です。さらに昨年のジャパンツアーで3勝を挙げた117号車の石谷豪志が予選では5位。先頭でコースインしたYOSHIKIも6番手となり、ここまでが入賞圏内のポジションで決勝をスタートします。ちなみに石谷とYOSHIKIのマシンも、昨年からは乗り替わってのND5REです。

なお本日はジャパンツアーシリーズの開幕戦ということで予選終了後の11時から、ブリーフィングルームで今年のチャレンジプログラム「スーパー耐久レースへの道」に関するマツダからの説明の時間が設けられました。すでに3期生までがスーパー耐久に参戦する120号車のシートを得ていますが、今年のシリーズからも選出される予定だということでした。また、すでに選抜されて今年もAドライバーを務める上田純司(この日も23号車で参戦)をはじめとする先輩たちも挨拶をしました。


決勝はほぼオンタイムの13時44分に、ローリング方式でスタートが切られました。直前のコンディションは気温6℃・湿度82%・路面温度10.6℃。スターティンググリッドの写真を見ても、わずかですが回復の傾向にあることが見て取れます。初参加の2台がフロントローということで心配されましたが、山田と橋本は見事なスタートダッシュでオープニングラップを戻ってきます。一方で3番グリッドの石塚は順位をふたつ落として5番手に後退。後続の鷲尾とYOSHIKIの順位が繰り上がります。

上位の2台は3位以下を引き離す展開で、4周目には6秒以上のギャップを築くことに成功。そして1位と2位の間も5周目には4秒以上に広がり、順位争いの焦点は3位以下のバトルに移ります。その中では石塚の勢いが目立っていて、3周目にはYOSHIKIを抜き返し、続く4周目には鷲尾も同様にパッシング。スタート時点と同じ3位まで順位を挽回することに成功します。

少し後方では12番グリッドからスタートした105号車の三宅陽大が見せてくれました。1周目にふたつ順位を上げた後、2周目には一気に3台をパスして7位に浮上。4周目にさらに1台を抜いて入賞圏内の6位まで浮上します。その時点では前を走る5位の選手とは3秒以上のギャップがありましたが、そこからジワジワと差を詰めて、ファイナルラップのダンロップコーナー先で見事なオーバーテイクを決めてくれました。

今回のシリーズクラスの上位陣の順位変動は以上で、初参戦の山田が鮮やかなポールtoウインを達成。さらに同じチームでルーキーの橋本も堂々の2位。オープニングラップの失速が悔やまれる石塚ですが、それでも表彰台は確保するしぶとさを見せてくれました。そしてロードスターカップ王者の鷲尾が4位で、追い上げた三宅が5位に入賞です。また6番目にゴールしたYOSHIKIには他車への衝突行為で30秒加算のペナルティが課されたため、128号車の普勝 崚が繰り上がっての入賞となりました。

一方で、クラブマンクラスは大波乱の展開になりました。予選をクラストップの総合7位で通過した20号車の秋葉英貴が決勝でも先頭でチェッカー。ところが秋葉と2番手でゴールした280号車・平田 剛が決勝中に計測された最高速度が規定を超えてしまい、ともに車両規定(ECU)違反で失格になりました。その結果、254号車の小野佳寿美が優勝。以下、2位には28号車の竹田和憲、3位には12号車の梶 忠光が繰り上がってのJAFメダル獲得。さらに4位に39号車の武藤亘輝、5位に81号車の川島 修、6位に46号車のRYUZABUROが入賞しています。


優勝した山田は28歳の若者ですが、レースキャリアは十分。カートやフォーミュラも経験し、FCR-VITAでは初代のシリーズチャンピオンにも輝いています。「素直に嬉しいです。先月の練習時に今日より酷い雨を経験できたのが活かせました。同じチームから3台で出場しているのですが、橋本選手も大田選手も侮れない存在で、刺激をもらっています。自分ももっと勉強して、次のSUGOのレースに繋げていきたいです」とコメントしました。


パーティレースの次の戦いは、3月30日に岡山国際サーキットで行われる西日本シリーズの開幕戦です。またジャパンツアーシリーズの第2戦は宮城県のスポーツランドSUGOで4月6日に、北日本シリーズの第2戦とのダブルタイトルで開催予定となっています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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