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日本国内レース

  • 2025/04/02
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西第1戦 レジェンド本多永一が鮮やかな再逆転で最多勝記録を更新

岡山国際サーキットで3月30日、2025年のロードスター・パーティレースⅢ西日本シリーズが開幕しました。32台が鎬を削った決勝ではフロントローの2台が抜きつ抜かれつの名勝負を展開。最後に笑ったのは過去6回の王座獲得を誇る66歳のレジェンド、88号車の本多永一です。しかしながら初ポールを獲得した29歳の新鋭、180号車の吉田郷史の熱い走りにも賞賛を送りたいと思います。


エントリーは35台。NDシリーズが21台、NDクラブマンが14台という内訳でしたが、シリーズの2台とクラブマンの1台が欠場となり、32台が予選に臨みました。朝一番のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部の後藤憲吾さんが挨拶。「先日の合同テストはあいにくの雨でしたが、今日はまずまずの天気に恵まれました。ぜひ皆さんでクリーンなレースを楽しんでください」と挨拶されました。


今回は初参加のメンバーも9名と目白押し。記念写真の前列左から順に21号車・若井隆大/52号車・本田久人/92号車・山本 慧/151号車・曽川剛志、後列左から順に182号車・河本将規/191号車・神谷 誠/250号車・丸山僚也/255号車・山川幸夫/299号車・田村和華子という9名が新たなパーティの仲間に加わりました。

公式予選は9時15分からの15分間。雨の心配はありませんが太陽が顔を見せず、かなり冷え込んだコンディションです。手元で計測したデータは気温8.8℃/湿度46%/路面温度14.5℃。多くのマシンが一斉に入ったため、序盤のコース上は大渋滞の様相です。ほとんどのドライバーが全開を控えたために、しばらくは誰も2分を切ることなく、先が読めない展開になりました。ようやく5分を回った頃、186号車の西山 楽が1分57秒582を記録してモニター画面の上段が動き出しました。

その後、先日の合同テストでウエットの中、圧巻のトップタイムを記録した37号車の菅田政宏が1分57秒633を3周目に叩き出します。これに負けじと前年チャンピオンの56号車・小林太一が1分57秒382と57秒台の前半に入れて暫定トップに浮上。さらに最多勝男の本多も1分57秒444を3周目にマーク。そのほかのシリーズ上位のドライバーたちも続々と1分57秒台を記録してきて、わずか1秒以内に11台がひしめく僅差のアタック合戦が繰り広げられました。

この戦いに決着をつけたのは吉田です。昨年の開幕戦でデビューを果たし、第3戦では惜しくも本多に届かず予選2番手。さらに決勝でも表彰台に立っているキャリアの持ち主が、アタック4周目に出したタイムは1分57秒047。本多も最後まで諦めずに走り続けますが、1分57秒276でわずかに届きません。そしてディフェンディングチャンピオンの小林が前述のタイムで予選3位。さらに99号車の藤井善豪が1分57秒563で4番グリッドを獲得。これに西山と菅田が続いて、決勝を入賞圏内のグリッドからスタートします。


決勝レースの直前のコンディションは気温9.9℃/湿度38%/路面温度22.1℃。風も強くなって体感的には寒く、少し内圧を上げようとする選手もいたほどです。また今回はグリッドについてから、ドライバー全員を集めての記念撮影を行いました。その時には一瞬ですが雪が舞って心配されましたが、フォーメーションラップに入ってからは、ほぼ青空のもとで行われました。

集合写真の撮影もあって、オールレッドの5連シグナルが消えてスタートしたのが14時12分。8ラップ先のチェッカーを目指す戦いが始まりました。上位陣で抜群のダッシュを見せたのが2番グリッドだった本多。出足の一歩はポールポジションの吉田も悪くはなかったのですが、そこからの加速で明らかに本多の勢いが勝り、1コーナー進入の時点では写真のような逆転劇がコンプリートしていました。

そして1周目の後方集団でアクシデントが発生します。クラブマンクラスの2台がヘアピンで接触。その1台がグラベルで動けなくなったため、2周目からセーフティカー(SC)が導入されることになりました。オフィシャルの迅速な対応により、今回のSCランは2ラップのみ。4周目からレースが再開しましたが、ランプを消したSCがペースを上げて集団から離れた3周目の後半で、先頭にいた本多は右足を踏み込んで引き離しにかかります。後続の選手たちも必死で付いていこうとしますが、それまでのダンゴ状態から少し間隔が開いてのバトル再開。本多のベテランの技が光った瞬間で、ここから独走に持ち込むかと思われました。

ところが上位5台の集団は、本多の思惑とは違ってすぐにダンゴ状態に戻ります。そしてバックストレートの加速で勝った吉田がヘアピンのブレーキングも見事に決め、アウト側から立ち上がりでサイドbyサイドに持ち込むことに成功。となれば、次のリボルバーでイン側にいる吉田の先行を許さないわけにはいきません。まさに「天晴れ」なのですが、次の5周目にレジェンドドライバーの底力を感じさせるドラマが待っていました。まるで1周前を再現しているかのように、同じポイントで本多が抜き返したのです。

次の6周目は本多が1.115秒と少しだけリードを広げる一方で、吉田の後方に小林が迫ってロックオン状態に。さらに藤井と西山も僅差で肉薄するなど、緊張感あるバトルが続きました。そして7周目からは吉田も最後のチャージで本多に接近し、再び5台が集団となってファイナルラップに突入。そのヘアピンで、西山が小林にヒットするアクシデントが発生しました。小林はそこでストップしてレースを終了。一方で西山はその混乱で暫定3位に浮上してチェッカーを受けました。しかしながら、前述のヒットが「危険なドライブ行為」にあたるという判定で、最終的には30秒加算のペナルティとなりました。

整理すると、NDシリーズは本多が昨年の第3戦以来の優勝です。通算勝利数(今回で24勝目)とNDシリーズでの最年長優勝記録という自己の持つレコードを更新することにも成功しました。2位には見事なパフォーマンスを見せた吉田、3位には藤井が繰り上がっての初ポディウム獲得です。以下、4位には菅田、5位に2020年の西日本王者の110号車・末金孝夫、6位にはスタートでジャンプアップした288号車の山根 涼が食い込みました。
本多は「今日は楽しくバトルして、しかも勝てたのが嬉しいです。吉田選手には見事に抜かれましたが、同じことが自分にもできるはずと思ったら、上手くいきましたね。予選で頑張って2番手を取れたことも大きかったです」と振り返りました。


クラブマンクラスは255号車の山川幸夫が予選からライバルを圧倒。決勝でも一度も首位を譲ることなく、デビュー戦でのポールtoウインを達成しました。マツダ社員の山川は車名“車実部RTロードスター”の通り、業務の一環としての参戦ですが、改良前の賞典外参戦でDSC-TRACKを実戦で試していた時とは少し事情が異なるようです。当人も「自分のスキルを磨くことがタスクです」と語っていましたが、どうやら富士インタープロトシリーズへの来年への参戦を前提にした可能性もあるのではと筆者は推測しました。

今回は山川だけでなく、クラブマンクラスではフレッシュなメンバーが活躍しました。一時は山川の背後に接近した2年目の211号車・石原克奎が2位で、山川と同じくデビュー戦の21号車・若井隆大が3位で表彰台に登壇しました。以下、4位には59号車の友綱敦之、5位には92号車の山本 慧、6位には182号車の河本将規が入賞です。山本も河本もルーキーでの快挙達成です。


西日本シリーズの第2戦はここ岡山で、5月25日の日曜日にスケジューリングされています。またパーティレースの次の戦いは、4月5日と6日の週末に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される「MAZDA FAN FESTA 2025 IN TOHOKU」の中で予定されています。ここでは北日本シリーズの開幕戦が4月5日に開催され、同シリーズ第2戦とジャパンツアーシリーズの第2戦が4月6日にダブルタイトルで行われます。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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