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  • 2026/05/14
  • OTHER(日本)

トップガン養成の6代目、山川幸夫がデビュー戦で優勝!

2016年に始まったマツダのトップガン育成プロジェクトが11年目のシーズンを迎えました。富士スピードウェイでのレースウイークの2日間、アマチュアとプロが交代しながら乗って、それぞれのライバルと切磋琢磨するインタープロトシリーズ(以下IPS)が開幕。「人馬一体ドライビングアカデミー」の55号車は今シーズン、ドライバーを一新して臨んでいます。その記念すべき第1戦でマツダの山川幸夫がデビューウインを達成しました。


マシンは「kuruma」と呼ばれる4ℓV6エンジン搭載の競技専用車。軽量なミッドシップマシンながら、ABSなどの運転支援デバイスをあえて外しています。最初の挑戦者はアマにマツダの佐藤政宏、プロには広島出身の桧井保孝が選ばれました。その後アマの社員ドライバーは2年ごとに交代し、虫谷泰典から寺川和紘、川田浩史、八木 淳へとバトンを繋いできました。またプロドライバーにも山下健太、関口雄飛、宮田莉朋、牧野任祐という豪華な顔ぶれが並んでいます。


昨年の最終戦レポートでもお伝えしたように、6人目の挑戦者に抜擢されたのは山川幸夫。クルマ開発本部車両実研部の実車信頼性実研グループでアシスタントマネージャーを務めているということで、マツダ車の開発のために運転する日々を送っています。また、プロドライバーにも野尻智紀が新たに招聘されました。2021~2022年に全日本スーパーフォーミュラで連覇を達成しているトップドライバーです。


初日の5月9日には、アマとプロの両クラスの公式予選とジェントルマンクラス第1戦の決勝レースが開催。ちなみにジェントルマンクラス(今回はエントリー12台)は経験や実力に応じて、さらに“エキスパート(同4台)”と“ジェントルマン(同8台)”という2クラスに分かれて戦います。デビューイヤーの山川は ジェントルマンに参戦。マツダの歴代ドライバーも最初はここで腕を磨いて、2年目には“エキスパート”にという道筋をたどっています。ちなみに本番前に山川がkurumaでサーキットを走ったのは、わずか4日間。野尻もIPSは3年ぶりの復帰で、昨年から引き続いて参戦しているチームに比べると不利なことは否めません。

9時から20分間の公式予選で山川はベストが1分46秒671、さらに(第2戦のグリッドを決める)セカンドベストも1分47秒012というタイムを記録します。全体トップがエキスパートクラスの1分46秒224なので、わずかに0.447秒差。参考までに2年前の八木は1分47秒 446でしたから、大健闘と言えます。ただしジェントルマンクラスでは豊富なキャリアを誇る96号車の末長一範が昨年の後半から絶好調。今回の予選でもベストが1分46秒481、セカンドベストも1分46秒493と見事に揃えて山川を上回ります。

ジェントルマン第1戦の決勝12ラップは予定より20分ほど遅れて、13時53分にローリング方式でスタート。公式戦は昨年のパーティレース西日本シリーズの4戦のみという山川でしたが、5番グリッドから無難に走り出しました。ところがひとつ前からスタートした前述の末長がヘアピンコーナーでスピンして最下位にダウン。ピットまでは戻りますが、リタイアとなってしまいました。つまり山川がいきなり、ジェントルマンのクラストップに躍り出たのです。

その後、2周目のダンロップコーナーでエキスパートクラスの1台がグラベルに止まって脱出不能となったために、6周目までセーフティカーが導入されます。この時点で山川に続いていたのは8号車の中島 功と3号車のFLYING RAT。残り6周で再開されたバトルでも山川のペースが後続のライバルを上回り、最後は2.83秒という余裕あるギャップを保ったままチェッカーを受けることに成功しました。以下、2位には山川と同じ初参戦の中島が、3位にはFLYING RATが入賞しました。


翌日の第2戦決勝はほぼオンタイムの8時48分にスタートが切られました。この2日間の富士は天候に恵まれ、雨の心配はありませんでした。このレース、山川は前日と同じ5番グリッドからのスタートですが、ライバルの末長はなんと2番グリッドと離れた位置にいます。前日は早々にリタイアした末長に追い付いてバトルを挑みたい山川でしたが、願ったような展開にならないのがレースの面白いところです。

まずまず無難にスタートした山川ですが、ポジションを守ってオープニングラップを戻ってくるかと思いきや、最終コーナーで中島にインに飛び込まれて逆転を許してしまいます。すかさず中島の背後にピタリと張り付いて2周目の1コーナーで再逆転しますが、その1周後に中島に同じドラマの再現を許して、再びクラス3位まで後退。その後は背後にFLYING RATに迫られるシーンもあって、中島を攻略するチャンスがなかなか見えてきませんでした。

そして10周目に入った1コーナーで、後続のマシン同士が接触してストップ。動けなくなったことで赤旗が提示されて、そこで競技が終了となりました。整理すると、この日は先輩格の末長が堂々のクラス優勝。続いてルーキーの中島が2日連続で2位の大健闘。山川も3位でフィニッシュして、ポディウムに立つことは叶いました。

戦い終えた山川は「課題だらけの2日間でしたが、タイヤが冷えた状態でのバトルなど、実戦ならではの学びも多かったです。初日は再開後に先行するエキスパート3台の走りを見て、まだ足りないことを痛感。乱れた時に、どうしてもラジアルタイヤの運転をしてしまう癖は修正しないと勝てませんね」と、さすがに開発ドライバーらしく冷静に自らの運転を振り返りました。


一方でプロフェッショナルクラスの第1戦決勝は2日目の15時38分にスタート。9周または17分というスプリント勝負です。8番グリッドだった野尻ですが、際どいバトルを潜り抜けて6位でフィニッシュ。そのままグリッドについての第2戦決勝は、16時5分からの同じく9ラップ決戦。野尻はここでもひとつポジションを上げて5位でチェッカーを受けました。野尻は「現状でクルマに足りないところと、自分に足りないところが少し見えてきました。しっかり解決して、次に臨みたいと思います。今週の山川さんはデビュー戦で勝てたので100点ですね」とコメントしました。


IPSの次の戦いまでには少し長いインターバルがあり、9月5〜6日の週末に第3戦と第4戦が開催予定です。



インタープロトシリーズの動画はこちらから



Text & Photos by T.Ishida

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