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  • 2019/11/21
  • OTHER(日本)

人馬一体アカデミーの虫谷、IPSランキング2位で今季を終える

富士スピードウェイを舞台に争うインタープロトシリーズ(以下IPS)の最終ラウンドが、11月16〜17日の週末に行われました。55号車「人馬一体ドライビングアカデミー」でジェントルマンクラスに参戦したマツダ開発ドライバーの虫谷泰典は、16日の第7戦、17日の第8戦ともにクラス5位でフィニッシュ。惜しくもチャンピオンは逃しましたが、年間を通してのシリーズランキングでは2位を獲得。これで2年間にわたる挑戦が終了しました。また虫谷のパートナーであるプロフェッショナルクラスの山下健太は、第7戦で7位、第8戦で6位に終わりました。

IPSはプロとアマチュアがコンビを組んで同じマシンをシェア。2日間で各2回、計4回の決勝レースを年間4ラウンドで繰り返すタフな戦いです。今回は最終ラウンドなので、決勝は第7戦と第8戦となります。第7戦の予選は16日の朝に行われ、第8戦のグリッドは第7戦の決勝結果の順となります。55号車の虫谷は、1分49秒849でジェントルマンクラスの4番手、同じく山下は1分44秒657ながらプロフェッショナルクラスの8番手。ともに決勝での巻き返しを狙います。

ジェントルマン第7戦の決勝は16日14時48分にスタート。12周の戦いです。虫谷は順位を守りつつ、4周目に前を行く1台がスピンしたことで、労せずして3位に浮上。5周目の最終コーナーではもう1台をロックオンし、直線で抜き去って6周目の1コーナーにアプローチしますが、立ち上がりでクラス違いの1台と交錯しそうになります。やむなくブレーキを踏んでアウト側に逃げた際にスピンアウト。これでクラス5位まで順位を落としてしまいました。その後も虫谷はあきらめず、予選並みの1分49秒923を7周目に叩き出して追いかけますが、順位を挽回するまでには至りませんでした。

明けて17日は、ジェントルマンの第8戦決勝が9時58分にスタート。虫谷はクラス5番手で追走中の4周目、前日と同じように前を走る1台がスピンして4位に浮上します。ところが、そのスピン車両を避ける際にタイヤがラバー片を拾ってしまってペースが上がらないところに、元気を取り戻したライバルが背後に迫ります。虫谷も8周目までは粘りますが、9周目にはコースを譲る決断をします。その結果、12周を走り終えてのリザルトは前日と同じ5位となりました。

虫谷は「昨年は8月のアクシデント以降、気温が下がる秋から冬にかけて走り込むことができず、冷えたタイヤでの走り出しに課題が残りました。それでも2年間で成長できた部分と、まだ足りない部分も含めて、自分を再確認できた最終戦でした。この経験は必ず今後に活かしていきたいです」と笑顔で振り返りました。

プロクラスの決勝は17日の午後に2レース連続で行われました。どちらも9ラップの短期決戦です。15時19分にスタートした第7戦で、8番グリッドの山下はオープニングラップで1台をパス。さらに4周目に一気に2台を抜いて5位まで浮上しますが、最終ラップで7位まで後退。続いて行われた第8戦でも、スタートダッシュを決めて5番手に浮上。しかしながらトップグループの4台とは徐々に離れる展開で、最終ラップにひとつ順位を落として6位という結果に終わりました。

山下は「このレースウイークは速さが今ひとつで、原因はわかっていたのですが修正しきれませんでした。来年から(WEC参戦のため)ドイツで暮らすため、55号車から一度卒業させてもらいます。この3年間はマツダの開発ドライバーの皆さんと一緒に成長し、優勝も味わってもらったことが一番嬉しかったです。自分がもう少し、活躍できたらよかったのですが」と、GT500王者のプロらしく有終の美を飾れなかった悔しさを滲ませました。

MZRacingは、2016年から2年間はマツダ社内で最高ランクに属する佐藤政宏が、そして2018年からは虫谷泰典という現役トップガンの開発ドライバーが、IPSに参戦する模様をお伝えしてきました。このプロジェクトを推進するマツダの藤原清志副社長は、すでに来年以降も参戦の意向を示しています。

Text & Photo by T. Ishida+1

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