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日本国内レース

  • 2023/10/06
  • JGC

JGC Rd.9鈴鹿 PN2小野と川北が同点首位になるも、タイトルは川北が獲得

今シーズンの全日本ジムカーナ選手権最終戦となる第9戦「NRC鈴鹿BIGジムカーナ」が、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。ベテランの川北忠と若手の小野圭一によるPN2クラスのチャンピオン争いは、小野が今季3勝目、川北が2位に入賞し、シリーズの有効ポイントで同点首位、さらに有効ポイント中の成績もまったく同じ結果となりましたが、選手権規定により有効ポイント以外(捨てポイント)の上位入賞回数の差で、川北がチャンピオンを獲得することとなりました。


2023年全日本ジムカーナ選手権第8戦恋の浦ラウンドが会場閉鎖のため中止となり、実質的な8戦目となる第9戦「NRC鈴鹿BIGジムカーナ」。鈴鹿サーキット南コースを舞台とするシリーズ随一のハイスピードバトルは、決勝前日の9月30日(土)に行われた公開練習は真夏を思わせる好天に恵まれたものの、翌日の10月1日(日)に行われた決勝ヒートは、早朝から重い雲が空を覆い、今にも雨が降り出しそうなコンディションのなかで開催されることとなりました。

第1ヒートは、PE1クラスのゼッケン1号車がスタートすると同時に小雨がぱらつき始め、路面はあっという間にウエットコンディションに。その後、一度小雨がやみ、第2ヒートが始まるまでにはドライコンディションとなりましたが、第1ヒートと同じく第2ヒートのゼッケン1号車がスタートすると同時にまた小雨が降り出すという、難しいコンディションとなりました。そのなか、ロードスターワンメイク状態のPN2クラスでは、第1ヒートでベストタイムをたたき出しながらもパイロンタッチを喫した小野圭一が、今度はしっかりとベストタイムを更新します。一方、第1ヒートのベストタイムを奪った川北忠は、第2ヒートでパイロンタッチに終わり2位に。第2ヒートの逆転劇で、小野が今季3勝目を獲得することとなりました。この結果、シリーズポイントでは小野と川北が同点で並び、さらに全8戦中7戦での優勝、2位、3位の獲得数も同じ結果となりましたが、選手権規定により有効戦数外の8戦目の順位の差により、川北がシリーズチャンピオンを獲得することとなりました。

その他、ロードスターRFを駆り、有効ポイントで全勝(6勝)を狙ったPN3クラスチャンピオンのユウは、ウエット路面となった第2ヒートでタイムアップを果たせず2位となりました。また、BC2クラスでは、第1ヒートのタイムでRX-7を駆る野本栄次が今季2回目となる3位表彰台を獲得。PN1クラスでは、第2戦で優勝を飾っている福田大輔が5位に入賞し、シリーズ3位を獲得しました。


PN2クラス優勝/小野圭一コメント

「第2ヒートは路面コンディションが悪くなっていましたが、ハーフウエット路面は僕が得意な路面なので、チャンピオン争いは気にせず、この1戦に勝ちたい気持ちで走った結果、逆転できたと思います」


PN2クラス2位(PN2クラスチャンピオン)/川北忠コメント

「鈴鹿のウエットはあまり走ったことがなく、探りながらの走りになる場面もありましたが、そのなかで(タイトル獲得に向けて)しっかりと仕事することができたと思います」


PN2クラス3位/古田公保コメント

「第2ヒートは川北さんの暫定トップを抜きたかったんですけど、うまくまとめることができませんでしたね。路面コンディションというよりも、自分のミスが多かったのが反省点です」


PN3クラス2位/ユウコメント

「第1ヒートは細かいミスもありましたが、けっこう頑張ったんですけどね。ライバル車が得意なコース設定だったとは思いますが、目標(6勝)を達成できず残念です。シリーズを振り返ると、前半をまとめることができて、良かったなという感じですね」


BC2クラス3位/野本栄次コメント

「雨降っちゃうとタイムが出ないことは分かっていたので、第1ヒートで乾き始めた時に太めのタイヤをチョイスして勝負に出たことが、結果的に良かったと思います」


両者、ベストを尽くす

最終戦でPN2クラスのタイトルを争う川北忠と小野圭一。全日本出場歴20年を超え、これまで4回のチャンピオンを獲得しているベテランの川北と、2022年から本格的に全日本にシリーズ参戦をスタートした若手の小野との戦いは、この最終戦までタイトルの行方がもつれるという拮抗した戦いとなりました。第7戦SUGOラウンドを終えた時点で、川北が優勝3回、2位2回、3位1回、4位1回で有効ポイントは102点。一方の小野は、優勝2回、2位3回、3位1回、8位1回で有効ポイントが97点となります。小野がチャンピオンを獲得するためにはこの第9戦で優勝することがマストとなりますが、仮に小野が優勝したとしても川北が2位に入ると有効ポイントは同点となり、上位得点獲得数(=上位入賞回数)では優勝、2位、3位とも両者同じ回数となりますが、有効ポイントには含まれない4位と8位の差で、川北がチャンピオンを獲得することとなります。逆に小野が優勝、川北が3位以下の場合は、小野がチャンピオンを獲得することとなります。

川北を追いかける小野は、「第6戦久万高原は、第1ヒートがトップタイムだったんですけど、第2ヒートはパイロンタッチで結果的に8位でした。8位という順位はもちろんですけど、第2ヒートはタイム的にも川北さんにかなり離されていて、やっぱりドライ路面だと敵わないのかなと気持ち的にもかなり折れましたね」と、当時を振り返ります。

一方の川北は、第6戦久万高原と第7戦SUGOで連勝し、シリーズランキングでもトップに浮上。盤石の体制で最終戦を迎えることとなりました。その最終戦は、「もちろん、勝ってかっこよくチャンピオンを決めたいという気持ちもありますが、タイトル争いはそんなに甘くはないので、優勝は逃したとしても2位には入ることができる堅実な走りを目指します」と、ベテランらしいコメント。一方の小野は、「ハーフウエット路面は、僕が一番自信のある路面です。この路面では負けたくない。チャンピオン争いということもありますが、その結果は気にせず、この1戦に勝つことだけに集中して走ります」と、小雨が路面を濡らす第1ヒートをスタートします。結果は、小野が今季3勝目を挙げますが、川北も2位に入賞し今シーズンのチャンピオンを決めます。チャンピオンを決めた川北はもちろん、この1戦に賭けた小野も、晴れやかな笑顔をみせました。


表彰式で、「今回で5回目のチャンピオン獲得となりますが、初めてチャンピオンに挑戦する時のことを思い出しました。その時は残り2戦で2位を1回入れば獲れたんですが、結果的に獲りきれなくて、最終戦を終えた時はもうジムカーナを辞めようとさえ思いました。でも、それを乗り越えて今までやって来られているので、スポンサーさんをはじめ、支えていただいてる皆さんのおかげだと思います。このクラスは若い選手たちがいっぱい伸びてきているので、来年もまたチャンスがあれば僕も全力で戦って行きたいと思います」と語った川北。それは、ベテランから若手への心強いエールの気持ちを贈ったコメントでもありました。



Text&Photo by CINQ LLC

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